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なまけたろうと登山ブログ

【関東】低山から始める親子ハイキングで非日常体験を

親子でハイキングを楽しむようになって5年目。「子どもと山行くのって大変じゃないの?」そんな風に聞かれることがあります。結論から申し上げますと、めちゃくちゃ大変です!しかし、得るもののほうがはるかに多く、何よりめちゃくちゃ楽しいです!!

今回は、関東各地の低山を舞台に、親子でハイキングを楽しむために工夫したこと、気づいたこと、失敗談など、自身の経験から振り返っていきたいと思います。

 

どうも、親子低山ハイカーのスラ男です。

 

子どもが生まれたら一緒に山に連れて行きたい、そんな思いは登山を始めた当初からありました。とはいえ、ぼくも体力と運動経験はあるものの、登山に関しては全くの初心者。子どもを連れて行く前にやることが山ほどありました。登山だけに。

高尾山や御岳山、宝登山や大山、筑波山など関東の観光地化された低山から始まり、徐々に距離や標高を上げて経験値を蓄え、色んな山を楽しめるようになりました。

さて、いよいよ子どもを連れて山へ行きたいところ。いきなり高山!ではなく、まずは近場の低山で山歩きの楽しさをじっくりと味わわせてやるのだ…!

では、子どもと一緒にレッツ・低山ハイキング!

 

低山から始める親子ハイキング

 

子どもと一緒に低山へ行くのは何歳から?

親子で低山ハイキングを楽しむにあって、真っ先に悩むのはこの「何歳くらいから」ではないでしょうか。ぼくの場合は、子どもが自力である程度の距離を歩けるようになる歳をスタートに設定しました。息子の場合は3歳、長女の場合は2歳後半でしたね。

 

我が家の場合は3歳から!

もちろん子どもによって個人差があります。活発な子であればもっと早くから歩いてくれるかもしれませんし、体力がある子なら長距離も歩けるのかも。大事なのは、子どものことをよく見てあげることです。ステータス確認は大事。

また、子どもに自力で歩いてもらう場合は、歩く登山道の状況も重要。子どもは小さな凸凹で転んでしまうので、できれば舗装された道、もしくは起伏の少ない土の道が多いところがベターです。ただ、根っこの道や岩場が好きというわんぱくキッズもいるので、それなら手を繋いであげるなど工夫してケガを未然に防ぎたいところです。

 

もっと小さい歳から連れて行っているというケースも

訪れる山の難易度と両親の熟練度によっては、もっと小さな子どもでも「ベビーキャリア」を使った親子ハイキングという選択肢もあります。ベビーキャリアは登山用品店で販売されているザック(リュック)のひとつで、子どもを背負いながら荷物も収納できるという、もはや日常的なお出かけでも欲しいひと品。スペック上は0歳後半から3歳くらいまでの子どもを背負えるようです。

ただ、通常の荷物に子どもの体重がプラスされるため、背負う際は通常以上の体力・筋力を要します。子どもが小さければ小さいほど道具とこまめなケアが必要で、これを使えるのはかなりの熟達者ではないかというのが個人的な見解です。

熟練度も含めてぼくはベビーキャリアに縁がありませんでしたが、子どもが疲れたら抱っこする時もあったし、今振り返って見れば導入してみるのもひとつだったかなと後悔しております。

 

どんな低山なら歩きやすいの?

それでは3歳ごろから始める親子ハイキングにおいて、今度は歩くフィールドに視線を向けてみます。ぼくが重視しているのは、ズバリ“非日常体験”です。

 

まずは公園や丘で様子を見てみる

親子でハイキングといっても、いきなり山を登るのは勇気がいります。まずは整備された山の公園を訪ねて、親子ともに“非日常体験”の感覚を掴んでみては?

山道、特に土の道を歩きたいという子どもには、丘陵地帯も選択肢です。自然の豊かさは山に劣らず、市街地に近いため緊急時のエスケープが容易なのが安心。市民の森などを歩いてみるのも面白いですよ。

例えば、埼玉県秩父市にある羊山公園は立派な丘陵地帯ですし、春には地面いっぱいの芝桜が迎えてくれて、まさに非日常体験にどっぷり浸ることができます。目の前には武甲山(ぶこうざん)がそびえていますし、山の雄大さを知るにはキャッチ―なスポットではないでしょうか。

 

子どものスタイルに合わせた低山選びを

公園や丘陵で物足りない、あるいは山に登った感が欲しいとなったら、今度は子どもの興味や好きなことにあったスタイルの低山を調べてみましょう。例えば乗り物好きな子どもだと、ケーブルカーやロープウェイがある山だと移動も楽になり一石二鳥。食べることが好きな子どもなら観光地化された山だとトイレもきれいで安心です。

楽しさや安全性、アトラクションの多さなど親子ハイキングに適したバランスの良い低山としてぼくのお気に入りは、東京から高尾山、埼玉から宝登山、千葉から鋸山、栃木から三毳山、茨城から筑波山あたりです。子どもたちが人の少ない山を避ける傾向にあるのも要因のひとつですね。

 

服装は子どもの感覚と相談して

これは我が家での事例なので一概には言えませんが、ハイキング時の子どもの服装について。上述した山の公園や丘陵を歩くのであれば、普段着にスニーカーで問題ないというのが正直な感想です。天気の変わりやすい高山や岩場の多い山の場合はまた別ですが、里に近い環境の低山であればスニーカーで大丈夫だと思います。雨の降りそうな日はそもそもハイキングに出かけませんし。

とはいえ、道具を持っているのであれば試してみるのもひとつ。登山装備って特別感があって、子どもから羨望の眼差しを向けられませんか?特にストックとか。

我が家の場合、子ども用登山靴を試しましたが重たいからちょっと…長袖のパーカーは暑いからちょっと…ということで普段着に落ち着きました。子どもに窮屈な思いをさせることなく、安全に楽しめるスタイルがちょうどいいというところでしょうか。

 

高尾山で実践!季節で山の快適度(レベル)が変わる?

ぼくは初めてのハイキングの適地として高尾山を一生推しているのですが、親子ハイキングでももちろん高尾山を推しています。高尾山しか勝たん。

いつ訪ねても面白く魅力的な高尾山ですが、季節によってハイキングの快適度(レベル)が変化します。低山は里の環境に近いので、夏は暑く冬は寒い、春と秋は快適に歩くことができます。しかし、小さな子どもを連れて行くのであれば季節特有のリスクが付きまとうわけです。

 

春は新緑と花のやさしいハイキング

高尾山の春は桜を始めとした花々が山を彩ります。眩しい新緑の中を歩くことができ、特に自然研究路4号路の吊り橋は非日常体験の模範!山頂とトイレはまあ大混雑なのでさらっと流して、中腹あたりでたっぷり時間を使えるといいかもしれません。

また、山の生き物たちも目覚め始めるので、昆虫好きな子どもにとってはお楽しみになるでしょう。ただ、桜の木に集まってくる毛虫にはご用心。中には有毒の虫もいるので、ビジターセンターで子どもと一緒に学習するのも面白い体験ですよ。

 

暑い夏は沢沿いでひんやりハイキング

夏は言わずもがな熱中症のリスクが付きまといます。“盛夏の低山”といえばわかる人にはゾッとするワードで、できれば親子ハイキングは避けたい季節。ですが、木々に覆われた自然研究路6号路は沢沿いの道なので意外と涼しく、夏でもそれなりに快適な場合も。とはいえやはり夏の低山、水分塩分補給やクーリングアイテムを忘れずに。山頂は暑すぎるのですぐ下山しましょう。

夏ならではの楽しみ方として、沢遊びやグルメと組み合わせるのも子どもは喜ぶでしょう。特に山で食べるかき氷の美味しさたるや。「かき氷を食べに山に行く」う~ん、贅沢です。もはや下山後がピーク。

 

秋は混雑を避けておいしいハイキング

高尾山の秋は、まるでディズニーランドかと思うほど賑わいの季節。紅葉に染まる11月下旬は、ちょっと子どもから目を離すとあわや遭難の勢い。そんな時は少しタイミングをずらして(おすすめは12月上旬)、山の中でどんぐりを探したり紅葉拾いをしたり、山頂にこだわらない秋ならでは楽しみを。

そうそう、高尾山は秋そば、なめこ汁、お団子などグルメ登山の聖地です。食欲の秋なので子どもとシェアしてグルメを楽しむプランもありますが、飲食店も行列ができます。こっそり言いますけど、秋の高尾山で親子ハイキングはあまりおすすめできません。だってどこもかしこも大混雑だから…

 

冬は温泉を楽しみにひだまりハイキング

冬の高尾山はしーんとした空気と澄んだ青空が広がる、一年を通して最も山の匂いを感じられる季節。他の季節に比べて静かなハイキングができ、シャクシャクと落ち葉を踏みながらひだまりの中を歩くのはとても気持ちが良いもの。

冬のリスクは日没の早さです。冬の空は15時半頃からだんだんと薄暗くなり、山の中はあっという間に真っ暗になります。明かりがあればOKという話ではなく、暗闇が子どもに与える恐怖。それを考えると早めの下山をおすすめします。余った時間で温泉に入りましょう。冬の温泉は気持ちいいですよ!

 

本当にあった怖い話、親子ハイキングでの失敗談

さて、これまで親子ハイキングについての魅力を紹介してきましたが、良い部分もあれば悪い部分もあるわけで。ぼくも至らない点から数々の失敗を重ねてきました。失敗を跳ね飛ばすようなリカバリーができればいいのですが、この辺りは子どもたちのガッツに助けられた面もあったり。ありがたいことに。

 

ハイキング当日、子どもが起きない

親子ハイキング当日!!昨日はよく眠れましたか?……子どもが熟睡してて起きないッッ!!極めてポピュラーな事例です。やっと起きてくれはしたものの、子どもは気まぐれに「やっぱり今日は行かな〜い」なんてことも。ぼくは後家を出るだけの段階まで準備が済んでいるのに!?

このパターンは、焦らずに少し様子を見ると解決する場合があります。昨日まであんなに楽しみそうにしていたのに!とは思いますが、果たしてどうなのだろうか…?以前、息子にだけ振られて娘と二人でのハイキングになった時もありました。

 

移動中にささやかれる、恐怖のひと言「トイレ」

無事に家を出発して、登山口へ向かいます。ハイキングはできれば早出が望ましく、車にせよ公共交通にせよ時間に追われがちです。そんな中、たったひと言で親を恐怖のどん底に突き落とす言葉、それが「トイレ…」です。

子どものトイレ問題は、おそらく親子で山に登る方々の一番の悩みではないでしょうか?子どもは大人ほどトイレが我慢できないので、ぼくも毎回非常に神経を使います。登山口はもちろん、山の中のどことどこにトイレがあるのか、また万一の時のために携帯トイレなど準備は忘れていないか。

ここまではいいのですが、乗り物で移動中に言われるトイレはほぼ回避不能のアクシデント。特急などトイレ付きの電車に乗れれば安心ですが、毎回そうもいかず…思い切って電車を一本ずらして、予定を変更するほうが気持ちが楽になりますよ。最近よくそうする。

 

目的地に辿り着かない!それでもいいんです

好奇心旺盛な子どもはあっちこっちが気になるから、コースタイムが通用しません。公共交通の時間が、お店や温泉の時間が、日没が帰宅時間が、そうした様々な時間に追われていると、子どもにも自分にもプレッシャー、ひいてはストレスになってしまい本末転倒。

かなり思い切りがいりますが、山頂や目的のものをどれかしら諦めるというのもひとつの解決策になります。子どもと相談して何を最優先にするのか、そのためにはどういう予定変更をするのか、そういう現地での調整をすることも良い経験にはなります。「温泉だけはぜったいに入りたい」という子どものために急ぎましたが、間に合わなかった時は号泣させてしまいました。ごめん…

 

親子ハイキングをしに、まずは低山を調べてみよう!

素人の体験談で大変恐縮ですが、親子ハイキングと題してまとめてみました。多くの親子登山情報を参考にしていますが、親子の数だけ親子登山の形があります。それぞれの親子のスタイルにあったハイキングを楽しめればそれが一番なのではないでしょうか。

 

親子ハイキングをしてみて良かった低山

surao.hatenablog.com

 

初めての親子ハイキングにおすすめな関東の山々をピックアップしました。乗り物のある低山のほか公園や丘陵地帯もあるので、未就学児でものんびりと楽しめるかと思います。

 

親子ハイキングをしてみて良かった低山その2

surao.hatenablog.com

 

前回よりも少しレベルアップした関東の低山をピックアップ。小学校低学年向けの山が多く、岩場や渓谷歩きなどより冒険感の増した親子ハイキングが楽しめます。

 

ぼくが「親子登山」ではなく頑なに「親子ハイキング」という呼び方にこだわっているのは、山に登って山頂を目指すよりも、山を歩く、山に触れること自体に重きを置いているからです。山の全部を楽しめれば最高じゃないですか。

というわけで、まずは高尾山に行ってみることをおすすめします。高尾山は自然、歴史、生き物、乗り物、グルメ、温泉なんでもござれ。高尾山にないものはない!というに相応しい推しの山です。高尾山で山のなんたるかを知り、経験を積んでまた高尾山に帰ってくる。そんな体験ができたら素敵だと思います。