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なまけたろうと登山ブログ

【高尾】草戸山 城山かたくりの里を目指して東高尾山稜へ

桜やミツマタが賑わいを見せる3月下旬。その足元では、静かに春の訪れを告げる小さな花たちも目を覚まし始めます。薄紫色の気品を感じさせるカタクリが今回の主役です。

神奈川県相模原市にある城山かたくりの里は、約30万株ものカタクリが咲き乱れ、ほかにも様々な春の山野草が見られる花名所。ついに訪ねるチャンスがめぐってきました。

静かな南高尾から春限定の花の楽園へ。

 

どうも、スラ男です。

 

今回は、高尾山の南東側にある草戸山(くさとやま)を経由して、城山かたくりの里まで歩いてきた時のお話です。

草戸山から大垂水峠方面へ連なる南高尾山稜は、最近では南高尾セブンサミッツなんて呼ばれ方もしているファンの多い山域です。一方で、高尾山口から城山湖までの区間は東高尾山稜ともいうそうで。城山湖畔からは、かたくりの里を目指すハイキングコースにつながります。

例年より開花が早いという報せを受け、春の妖精を愛でに。

 

■草戸山(2023年3月19日)

 

お馴染みの高尾山から目指す、東高尾・草戸山

やってきたのは、毎度おなじみ京王線高尾山口駅~。午後からでもけっこうな賑わいは高尾山ならではですねえ。

 

え、午後から?

 

実は前回記事の都留アルプスが割と早い時間で終わったので、この日は時間の余裕がありました。同じ時期、見頃を迎える花の名所が帰り道(中央線沿線)にあることに気づき、高尾駅で進路を変更してやってきたのです。

とはいえ、草戸山を経てかたくりの里への道のりは近所のスーパーへ行くという感覚じゃ全くないので、安易におすすめはできませんが。

それはともかく、最初の目的地である草戸山を目指します。いつか歩いてみたいと思っていた南高尾山稜方面への訪問がこんな形になるなんて。

民家の脇の細い登山道を縫うように歩いていくと、続々と下山者とすれ違います。午後からこちらへ登り始めるのはある種のイレギュラーといえるでしょう。

細かなアップダウンはありますが、難所という難所もない歩きやすい登山道が続きます。

そうそう、東~南高尾山稜はトレイルランナーさんが多い山域だと聞いていましたが、この日も多くのトレランさんとすれ違いました。つい見惚れちゃいますよね、足の筋肉に。

草戸峠まで登ってきたら、ぜひ眺めてほしいのがこちらの山並み。

なんだ地味だな。と思うかもしれませんが、滅多に見られない「横から見た高尾山」ですよ!高尾山って世界一人気の山なのに、山座同定が困難なんですよね。

高尾山は都心から近いのは良いんですけど、東京の山としては一番端っこにある山ですから、「高尾山を望む場所」って意外と探さないとないイメージ。

東高尾山稜は、この高尾の山並みを見るだけでも訪れる価値があるとぼくは思います。

おっと、草戸山に到着です。草戸山は町田市の最高峰になり、その標高364mということから地元で「1年山」とも呼ばれているそうです。

山頂にある展望台からは市街地の眺めが良いらしいのですが、立入禁止となっていました。休憩している時間はあまりないのですが、テーブルやベンチが整備されているのでちょっとひと息。

草戸山から先は、いつか南高尾山稜を歩く時の楽しみに。

 

歴史を辿る評議原、小松ハイキングコースへ

草戸山からお次は城山湖を目指して下山していきます。

木の間から青々と水を湛える城山湖が見えてきました。このすぐ南にも津久井湖という似たような湖があり、そこにも津久井城山があります。

今は観光地の高尾山ですが、地名や歴史を辿ると戦の痕跡があちこちにあることがわかりますね。高尾山のすぐ北にも八王子城山がありますし。

城山湖畔をぐるり周っていくのですが、本沢ダム方面の道は通行可能時間があるのと、たまに工事のために通行止めになるので注意が必要です。

本沢ダムの先には、フォトジェニックな鳥居のある金刀比羅宮が。ちなみに金刀比羅宮の上には龍籠山(たつごやま)という龍神伝説にちなんだ山があります。

金刀比羅を下っていくと、極めて平坦な登山道につながります。一帯は小松ハイキングコースと呼ばれ、ゴール地点の城山かたくりの里までつながっています。ここはちょっと速足で駆け抜けますよ。

見上げれば桜が咲き始めていました。周囲には本沢梅園というスポットもあり、梅のシーズンにも見応えがありそうです。カタクリとはひと月見頃がずれているのが残念。

開けた休憩所に出ると、評議原(ひょうぎっぱら)と立派な道標が。調べてみると、かつての周辺山城の城主たちが落城の相談をした場所だそうで。

そんな悲劇のスポットですが、現代では紅葉名所らしく人気を集めているそうです。

そのまま進んでいくと、小松城跡の案内板があり興味をそそられますが、ここで舗装路へエスケープ。あとはかたくりの里を目指していくだけです。

 

小さな花々の共演、城山かたくりの里

小松城跡から霊園の脇へ出て舗装路を進んでいくと、鮮やかな桜とともに会場が見えてきました。入園料を支払い、さっそく中に入ってお目当てのカタクリを!

 

いきなりカタクリ!!

 

良かった、たくさん咲いていました。ゆっくり観賞したいところですが、かたくりの里は日没が閉園時間。その前にぐるり園内を一周してきます。

お、ミツマタですね!午前中に都留アルプスで目に焼きつけてきたばかり。(笑)

お!赤いミツマタです!これが山の中で群生していたら話題になりそう。

ツツジスイセン、コブシなど色とりどりで様々な花が咲き乱れる園内ですが、やっぱり今日の主役はカタクリです。西日もいい感じにカタクリに光を当ててくれました。

そうだ、突然変異種の白花カタクリが咲いていると案内板に書いてありました。とても珍しいとのことなので、目を皿のようにして探していると、あったー!!

…しかし、お眠の時間だったのでしょうか。そっとしておきましょう。

見たかったものは見られたので、とりあえずよしとして本日の寄り道ハイクはおしまいです。最寄りのバス停まで歩いて、帰りのJR相原駅を目指します。

 

草戸山の山旅、終わりに

思いつきで立ち寄った草戸山、城山かたくりの里でしたが、短いながらも見どころがあり、スケジュールをちゃんと組んで再訪したいところでした。

城山かたくりの里は4月には黄花カタクリが見頃を迎え、この後も春の花々を楽しむことができるそうです。ということは、今度は逆コースでかたくりの里から草戸山、南高尾山稜ハイクへ行けるかも?

 

次はどの山に行こうかな。