関東に住むハイカーにとって、日帰り登山のメッカとして知られる神奈川県の丹沢山地。ここは、日本百名山に数えられる丹沢山(たんざわさん)や、塔ノ岳(とうのだけ)、大山といった人気の山々が集中するエリアです。
しかし、大きく有名な山だけでなく、地域色に彩られた個性的な低山も点在しています。そんな丹沢山地の北東に位置する南山(みなみやま)は、親子ハイキングに超オススメの低山です。
展望×牧場×パン工場、親子で楽しい丹沢めぐり。
どうも、スラ男です。
今回は、神奈川県愛川町の宮ヶ瀬ダム北部にある南山へ親子でハイキングしてきた時のお話です。
南山は北側の相模原市側から登るルートと、南側のあいかわ公園を拠点として登るルートがあります。いずれも短時間で登ることができ、山頂からは眼下に宮ヶ瀬湖、奥には丹沢山地のパノラマが広がります。
この景色を楽しみに、さあ山へ!…といきたいところですが、ハイキング前に寄っておきたいところがあるので、まずはそちらへ。
■南山(2022年1月29日) 目次
見て楽しい、食べて美味しいオギノパン
南山へのアクセスに、今回ぼくたちは車を利用しています。そこで車ならではのコースを考え、「早くお山登ろうよー」と急かす子どもたちをなだめてやってきたのが、こちらオギノパンさん。
神奈川県内にいくつか展開しているオギノパンですが、ここは本社工場直売店のため、なんと工場見学ができちゃいます!
コンベアの上をゆったりと流れるパンは愛嬌たっぷり(?)。こう美味しい香りが漂っていれば、つい大量にパンを買ってしまうのは仕方ありません。だって美味しいもん。
直売所の隣にはあげぱん専用のブースがあり、神奈川フードバトルで金賞に輝いたという名物の「あげぱん」に行列ができていました。揚げたてのあげぱん、これより美味しい食べ物は存在しません。
また、丹沢ファンの方々にはなじみ深いとうわさの「丹沢あんぱん」も忘れてはいけません。地元である丹沢山地にちなんで作られたというこだわりのあんぱん、こういったローカル色のあるものに目がないぼくですが、実はあんぱんも大好きなんです。
見た目もまん丸でかわいく味の種類も豊富。たくさん買って、ハイキングのおやつにも最適です。みんなパンは買ったな!!行くぞォ!!
まきばの風に誘われて、服部牧場
オギノパンからあいかわ公園に向かう途中、広々とした放牧場が見えてきました。ここは服部牧場(はっとりぼくじょう)。ぼくは牧場が好きで、子どもたちが乗り気なら立ち寄るつもりでした。
「みんな牧場いk「いくーー!」
間近で見る牛はすごい迫力です。モーちょっと離れて見ようかな。
牛舎も見学できますよ。他にもニワトリやアヒルなどが散歩していたり、ヒツジへエサやりなども楽しめます。子どもたちは広場にあったトラクターの置物に夢中でした。
さて、牧場といえば牛、牛といえば牛乳、牛乳といえば…ソフトクリームですよね。牧場内の売店で美味しいソフトクリームやジェラートがいただけます。真冬だけど?いえいえ、正直アイスは冬のほうがぜったい美味しい。
できたてのあげぱん、新鮮なソフトクリームで幸せ気分になったら、いよいよメインのあいかわ公園へ。
宮ヶ瀬湖を望む特等席、南山
オギノパン、服部牧場を経てあいかわ公園へやってきました。公園には北と南で2箇所の駐車場がありますが、ハイキングの最後に公園で遊ぶことを考慮すると南駐車場に停めたほうが便利。駐車台数も約450台と大容量なので安心です。
公園中央より南側には、ふわふわドームや体験工房、公園とダムを結ぶロードトレインなど親子で楽しめるアトラクションが盛りだくさん。おまけに特定日にはダムの観光放流も楽しめるそう。
今回はハイキングで訪れているため、そのことは子どもたちには内緒です(笑)。全部楽しむには朝から夕方まで、丸一日使いたいですね。
まだ早いミツマタの蕾を見送り、花の斜面を登っていきます。木板の道は歩いていて気持ちいいですね…と、直後に地獄の階段ラッシュ。花の季節なら少しは気が紛れるかも?
斜面を登りきると、「森のわたり橋」という吊り橋が。こういうのも子どもたちにとってはお楽しみポイント。そんなに揺れはしませんが、揺らす素振りを見せるのは大事です。
橋を渡った先は「花の森」ですが、1月末では茶色い森です。南山登山道の道標に沿って進みましょう。奥にはトイレがあるので支度も忘れずに。
ちなみに、南山登山道中のトイレは山頂近くの一箇所のみで、おまけに冬季は閉鎖されているので注意です。
車道をはさんで向かい側に登山口がありました。
ところで、丹沢山地の東側といえばヤマビルがセットでついてくるといっても過言ではないそうで。活動時期は主に春から秋までと非常に長く、近年、生息地域も広がっているとのことです。それが怖くて、丹沢を訪ねるのは冬がほとんど。
冬枯れの静かな森を歩いていきます。南山の登山道は整備が行き届いているため、公園側からの道の8割が階段です。登りやすいかなと気を遣ったつもりでしたが、子どもたちは土の道のほうがいいとのこと。わかるわ。
これがあるから安心!と油断は禁物ですが、道中にはヤマビル除けのスプレーも設置されています。ただ、中身がある保証はないので、時季の丹沢を歩くのであればヤマビル忌避剤は必需品ですね。
階段を登り詰めたその先は、鉄塔が目印の展望地。ここは清正公入口のバス停を起点とする韮尾根(にろおね)との合流地点。こちらの尾根のほうが平らな道が多いみたいでした。
ススキが生い茂る尾根の先には、ポツンと一軒家ならぬ東屋が。ここでおやつ休憩。
その後は山頂までアップダウンを繰り返しつつ、グイグイ進んでいきます。途中に鎖場があり、子どもたちも果敢にチャレンジ。まだまだサポートが必要です。
見晴らしのいい小ピークでは、眼下に宮ヶ瀬ダムがどどんと見えました。これは疲れもふっ飛ぶ景色!スラ坊も「おおーー!!」と感動している様子。
さあ、山頂までラストスパート!
茂みの先には、目の前に丹沢山地、そして真下に宮ヶ瀬湖が広がる南山山頂が待っていました。若干の雲が気になりますが、とりあえずイエーイ!!
初めての山ごはんとお楽しみの公園
さて、今回は車を利用したハイキングということで、新たな試みです。それがクッカーを使った山ごはん。
ぼくは山での食事に無頓着なので今まで簡潔に済ませていましたが、子どもたちには楽しい思い出として残してあげたい。じゃあやるか!ということでついにクッカーを導入しました。
とはいっても普段から料理をしないド初心者が、クッカーを使って何ができるの?というところです。そんなアナタもご安心、ラーメンですよラーメン。ラーメンは全てのハイカーの頼れる味方。
登る山も初めての時は優しい難易度の山を選んだほうが無難ですが、山ごはんも同じです。失敗のしにくいラーメンは、さながら山ごはん界の高尾山か。
とんこつラーメンにスーパーで買ったチャーシューをトッピング。とりあえず途中で買ったパンやらもあったので、今日はこんなんでどうすか!?
子どもたち、「おいしい、めっちゃおいしい!!」とすごい勢いで食べてくれました。
お前たち、最高だぜー!!!
山頂を心ゆくまで楽しんだら、いよいよ下山へ。下山後はあいかわ公園で思い切り遊ぶというイベントが待っているので、まだまだ頑張ってもらわねば。行きはよいよい、帰りの鎖場はスリルたっぷり。
下りでの階段はありがたいですね。スムーズにここまで戻ってこれました。惜しむらくはもうちょい晴れてくれてると…
「ええ~~!まだ階段~~!?」とびっくりポーズのスラ坊。これは鋸山に行った時もやってました。とかいいつつ、娘よりも体力があるためグイグイ下るタフガイ。
下りきるとハイキングパートは終わり、あいかわ公園はすぐそこに。すり鉢状に窪んだ箇所のトンネルをくぐれば、いよいよとびきりの遊具とご対面です。
この坂を走るな~~!!(悲鳴)
ここがあいかわ公園の「冒険の森」エリアです。ドデカい遊具が目白押しで、巨大迷路、ロングスライダー、ぐねぐね曲がるターザンライドやアスレチックまで。子どもときたら一日中遊び倒せること間違いなしです。
特にロングスライダーは結構なスピードが出るため、何回乗っても面白い!
あれ?さっきまでハイキングしてたよね?と疲れはどこへやら。子どもたちが飽きるまで終わりはありません。
とはいえ、駐車場や帰りの高速道路事情があるので、ある程度で切り上げ。子どもたちはずっと楽しそうでよかったよかった。
だけどまだ終わりじゃないんだぜ?
たっぷり遊んだ後は温泉に入らなきゃ!というのがぼくのモットー。車で少し移動したところにある「相模・下九沢温泉 湯楽の里」が本日のゴールです。ここでしっかりと疲れを癒やして、帰りの高速で子どもたちにはしっかり寝てもらわねえとなぁフヘヘ。
スラ坊、無限のスタミナで全く寝ない。
どうなってんだコイツ…スラりんはすぐ寝たのに…
南山の親子ハイキング、終わりに
ずっと行きたかった南山。山単体でも魅力的なのに加え、パン工場に牧場、軽ハイキングに公園遊びと、少ない移動でたくさんのアクティビティが楽しめる素晴らしい山でした。
今回は宮ヶ瀬ダム方面をパスしたので、また次回訪れる時は違った楽しみ方ができそうです。え、宮ヶ瀬湖は遊覧船もあるんですか!?奥が深い…
次はどの山に行こうかな。