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なまけたろうと登山ブログ

【北アルプス】蝶ヶ岳 名峰を望む、蝶・ド級パノラマ

今年もやってきましたアルプスのシーズンが!

自分一人では行く機会がほぼないので、登山仲間とパーティを組んで行くようになってから3年目の夏。今年はさらに仲間が増え、またあの景色をということで去年歩いた唐松岳を候補に入れていました。しかし、様々な事情が入り乱れ、ぼくたちがやって来たのは蝶ヶ岳(ちょうがたけ)

急登の先に待つのは、蝶・ド級の山岳パノラマ。

 

どうも、スラ男です。

 

今回は、北アルプス常念山脈の南部にある蝶ヶ岳を三股ルートで登ってきた時のお話です。

この三股ルートは蝶ヶ岳にある山小屋の案内によると、最も一般的で整備も行き届き、おすすめのルートとのこと。日帰り、初アルプスメンバーということもあり、このルートで決まり。

蝶ヶ岳の魅力は山頂から望む名だたる山々のパノラマビュー。さあどんな景色が待っているのか、今回も楽しみです!

 

蝶ヶ岳(2022年9月4日)

 

目指すは唐松岳!…だったはずが急遽変更!?

某日金曜日の夜。事前の打ち合わせで目的地は唐松岳ということに決まり、各々準備を整えていました。しかし、SNSで登山道の状況等を調べていると、唐松岳に向かうまでの林道か登山道だかが工事により通行止めとの情報が入りました。

これに慌てた友人とぼくは、目的地の変更を急ぎます。北アルプス入門の山といえば燕岳(つばくろだけ)が挙がりますが、この時間から出発したのでは駐車場争奪戦にもう間に合いません。※燕岳は駐車場が満車になる時間が早い。

となれば…蝶ヶ岳はどうか?ということで意見が合致しました。

蝶ヶ岳は前述の通り、三股登山口から登るのがおすすめとのことなので、駐車場に集合し仮眠をとり、日の出前に出発です。

序盤は沢沿いに樹林帯を進んでいきます。まだ薄暗いのではっきりとはわかりませんが、水と森のにおいから美しい渓流の風景が想像できます。

そうそう、この三股ルートには“ある怪獣”がいるとか…往路では暗かったので、それについては帰りにでも。

三股登山口から頂上にある蝶ヶ岳ヒュッテまでは標準5時間程度のコースタイムとのことなので、焦らずにゆっくりと進んでいきます。振り返ると、おお!!

樹林帯がほとんどの登山道ですが、時折視界が開ける箇所も。右手側にはドドンと格好いい山脈が!あの右のピークが常念岳(じょうねんだけ)かな?

階段や木道が非常に多い本コース。小刻みに足を動かしているので、結構こたえますね…!だらだらと長い坂道が続くよりはずっといいですが。

そ、そろそろ休憩~~!というところでまめうち平に到着しました。広々とした休憩適地なので、ここでひと息。おのおの用意した行動食のお披露目ですが、もちろんぼくはグミです。登山×グミはアルプスでも通用するのか、こうご期待。

 

果てしない樹林帯歩き、稜線はまだか

10分程度の休憩をとり、行動を再開します。

森の中はけっこう湿潤で、あちこちしっとりとしています。ぼくの座っていたところもしっとりしていたのでお尻が濡れた。この野郎ォォォ!!!

そうしたぬかるみを避けるためか、ちょいちょい現れる簡易木道。ありがたいですねぇ。

それにしても、当初は唐松岳の開放感を期待していたぼくたちに、果てしなく続く樹林帯登山はズシッとくるものがあります。大丈夫。北アルプスの名山だよ。信じて…

 

うおおおお~~!!!!

 

常念岳、ですよね?格好いい!!でもちょっと雲が上がってきてるのが気になります。上に着いた時どうなってるか…!!

これはトリカブトか?疲れた時は足元や登山道脇の花を見るに限ります。

階段、階段、また階段。ていねいに整備された登山道、この階段のありがたみは下山時にこそ噛みしめるもの。今は…耐えよ!

振り返れば特大のご褒美。大雲海!!ブひゃーたまんね~~~~!!!

道中、何か所かに設置されたベンチがありがたい。標高を見ると2,350m!?ずっと樹林帯だから分かりづらいのですが、もうこんな高いところまで…!

稜線まではあと少し、もうひと頑張りです。

 

ついに稜線、そして名峰パノラマビュー…?

お互いを励まし合いながら登り詰め、ついに森林限界を超えて稜線へ出ました。これこれ~!この感じがアルプス!!

こうなれば疲れも一気に吹き飛びますので(個人の感想)、あとは山頂を目指して高山風景を楽しんでいきましょう。欲をいえばライチョウとかいたり?

お!遠くに蝶ヶ岳ヒュッテが見えました。ということは…?

 

 

着いた~~!!!蝶ヶ岳~~!!!

 

 

ここまで長かった…それではお待ちかねのパノラマは!?

 

山の上の雲!!

 

なんとまあ、槍・穂高連峰の一番見たい部分だけ見事に隠しちゃってます(笑)。これには笑うしかない。フラグはたっていたのでそこまで残念ではありませんが。

とはいえ、この広々とした山頂の開放感たるや。山頂、というより天上世界。こんなところで朝日や夕焼け、星空を望めたら…ちょっと鳥肌じゃすみませんね。

もしかしたら、蝶ヶ岳の魅力を最大限に引き出すには、泊まりや縦走などで訪れたほうがいいのかもしれません。

離れたところに山頂標があったので、忘れずに記念撮影。初アルプスのメンバーと一緒に来て、雨やガスガスでないだけでも幸運ですから。ありがたやアルプス様。

ここからはしばし天上世界を山ごはんとともに堪能。やっぱり山で食べたいカップヌードル!漫画山と食欲と私に登場した「ビッグカツカレーメシ」のラーメン版にしてみました。

調べると既にやられている方も多く、欧風チーズカレーのほうがおすすめみたいです。とはいえここは北アルプスの遥か頂き。こんな場所で食べるものはなんだって美味いに決まってます!うま!!!

腹ごしらえの後は、疲れもあったし思い切って皆で寝る!こんな贅沢、なかなかできません。次に目を開けたら雲がとれていることを願って…

 

無慈悲!!(笑)

 

ヒュッテの先には「蝶槍」というビュースポットがあるそうなのですが、メンバーの疲労度や時間を考慮して今回は断念。天上の稜線歩きはまた別の機会にでも。

というか、蝶槍って名前おしゃれすぎる。絶対強めの武器ですよ…!

 

ド級の景色と別れ、怪獣とご対面

さあ、いよいよ下山です。この景色をいつまでも見ていたい…アルプスに来るたびにそう思います。

と、その前に蝶ヶ岳ヒュッテに立ち寄って、お土産やトイレなど身支度を整えましょう。ぼくは汗でほとんど水分が出てしまうから、なかなか尿意を催すことがないのはいいことなのか悪いことなのか。

下山へ向けて歩き出すと、森の中がガスに包まれてきました。登りの時でなくて良かった。

しかし、登りによる疲労の蓄積、標高差による気圧などからか、メンバーの足が思うように動かなくなるアクシデント。すぐに休憩をとり、各自フォローし合いながら調整。こういう時、気の知れた面子だから信頼できて助かります。

体調など様子を見ながら、ゆっくりと下山を再開。ここで、往路では暗くてよく見られなかった怪獣こと、ゴジラみたいな木」と再会です。

横顔なんかはまさにゴジラ!恐竜好きなぼくとしては、ティラノサウルスとも思ってしまいます。

ゴウゴウと水音が近づいてきたら、ほらやっぱりきれいな沢でした。見惚れてしまう沢の風景ですが、北アルプスというネームバリューの中で感覚がおかしくなっているのか「ふーん」「へー」くらいしか感想が絞り出せない…!!

吊り橋を渡れば登山道は間もなくゴールです。メンバーの体調も回復したようで、本当に良かった。と、ここで突然の雨。上にいる時じゃなくて良かった。

いわゆる下山の儀。コーラが五臓六腑に沁みわたります…!!!

三股駐車場に戻ってくる頃、雨の勢いが増してきました。急いで身支度を整え、下山後の温泉です。最寄りにあった「ほりでーゆ~四季の郷」へ。

ゆったりと疲れを癒やして、各自帰途へ着きました。

 

蝶ヶ岳の山旅、終わりに

ぼく自身、3度目の北アルプス蝶ヶ岳となりました。去年の唐松岳とは趣が異なり、終盤まで続く樹林帯に苦戦しましたが、その先に広がる絶景の稜線にたどり着いた時の喜びは格別のものでした。

この先に続く蝶槍、さらに先の常念岳も含めて、いつかまた歩いてみたいところです。その時こそは槍・穂高のパノラマを眺めながら。

 

次はどの山に行こうかな。