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なまけたろうと登山ブログ

【八ヶ岳】北横岳 雪山登山入門!絶景の北八ヶ岳

登山をしていれば憧れの景色のひとつに「雪山」があるかと思います。ぼく自身、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツなら経験はありますが、雪山登山はしたことがありません。

友人に「雪山って行かないの?」といわれたことをきっかけに、まさかまさかのチャンスがめぐってきました。初めての八ヶ岳が、初めての雪山登山になるなんて。

友人たちと行く快晴の雪山、感動の八ヶ岳ブルー。

 

どうも、スラ男です。

 

今回は、長野県と山梨県に連なる八ヶ岳連峰、その北部にある北横岳(きたよこだけ)を歩いてきた時のお話です。

雪山登山の情報を調べると「初心者におすすめの雪山」として必ず名前が挙がるのがこの北横岳。ロープウェイ完備で道も歩きやすく、晴天率も高い。それで絶景が堪能できるのだからその人気も納得です。

あとはぼくたち雪山初心者の知識と装備を整えて、いざ出発!

 

■北横岳(2023年3月4日)

 

雪山入門に最適という北八ヶ岳

友人のひと声がきっかけで雪山を歩いてみるチャンスがめぐってきましたが、ひと言で雪山といっても冬の間のどのタイミングで行くのか。まずはそこからでした。

山間部での降雪が激しい厳冬期(12月~2月)はそもそもアクセスが困難なので除外。となると、雪が落ち着く3月以降、残雪期というには少し早いタイミングがいいのでは?という着地点になりました。

事前に各自で装備のレベル不足や漏れのないように確認し合い、本や動画、アプリなどで現地情報を確かめたりしながら当日がやってきました。

早朝6時前にやって来たのは、茅野市ビーナスラインの先にある北八ヶ岳ロープウェイ。今回北横岳までのアプローチにロープウェイを利用するので、この駐車場で時間まで準備を整えましょう。

近年の暖冬の影響でしょうか、八ヶ岳も雪が少ないといわれていました。ですがそれに関してはぼくは初めての雪山。白ければ最高ォ!なのでテンションはブチ上がり続けています。まるで野山を駆けるウサギのよう。

駐車場の時点でもう素晴らしいパノラマビューです。白く冠雪した三つの高山、きっとすごい山なのだろうと後で調べたら北岳(きただけ)、甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)、仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ)南アルプススーパースターズじゃないですか!

まだ見ぬ南アルプスの山々、いつかね…

9時を過ぎ、ロープウェイの運行が始まりました。皆さん40分前くらいから並び始めていたので、ぼくたちも列へ。

というか天気最高じゃないですか。雲ひとつない青空。

ロープウェイであっという間に標高2237mの坪庭(つぼにわ)に到着です。シーズンには高山植物や溶岩の景観が楽しめる場所ですが、今はこの通り真っ白。

着くや否や皆さんさっそく足元の準備にとりかかります。雪の上を歩くのだから必要ですよね、スノーギア!

ただ、スノーギアも買うとなるとどえらい出費。ですがご安心、北八ヶ岳ロープウェイ内にあるピラタス蓼科スノーリゾートでレンタルが可能です。

スノーシューにストックもついて2500円!これはありがたい。8時20分ごろからレンタル受付していたので、早めに準備してからロープウェイの列に並ぶと滞りないでしょう。

ぼくもスノーシューを装着して、いざ雪原へ!今回のパーティは、雪山経験者でギアも自前の友人A夫妻と、雪山入門の友人Bとぼくの4人。安心安全を第一にという感覚が近くて気心の知れた仲間っていいよね。

晴れ渡る空に真っ白な雪。この震えは寒さじゃない…感動だ!!ちなみにけっこう暖くて、アウターいらないくらい。

雪がもっとあれば樹氷も楽しめるという北八ヶ岳ですが、連日の暖かさでこの通り。

ちなみに事前に下見がてら北八ヶ岳に行ってきたという友人によれば、先週は吹雪いてて真っ白だったそう。もし今日吹雪いてたらぼくは登れないのでアウトでした。

風もなく、天気にも恵まれた初めての雪山。スノーシューの足取りすら楽しくて最高です。ふとロープウェイ乗り場のほうを振り返ると、こりゃ絶景だ。

南側にも大きな山があります。おそらく縞枯山(しまがれやま)かな?

八ヶ岳には行きたい山がいくつもあって、せっかく来たんだから縦走したい!という気持ちになるけど、ここは雪山。無雪期と勝手が違うのだから今日は北横岳のみのショートコース設定です。

楽しい雪原歩きから、いよいよ目の前に屏風のようにそびえる北横岳に迫ります。

 

ちょっと待って、あれ登るの?

 

広がる日本アルプスのパノラマ、北横岳山頂へ

いよいよ北横岳への登りが始まりました。いったん樹林帯へ下っていき、そこからつづら折りの登りが続きます。

さっきまで歩いていた雪原が眼下に広がりました。縞枯山以南に続いていく八ヶ岳の山容の格好良さ、そして南アルプスの神々しさすら感じる三山。最高ですか?最高です。

時折ドサッと落ちてくる雪でさえ楽しいアトラクション。「先週こんな景色見てない(笑)」という友人にその時の写真を見せてもらうと、見事に真っ白。ひえええ~。雪だけに。

樹林帯を歩いていくと、かわいい看板の北横岳ヒュッテが見えました。ここでちょっと休憩。いや、暑い。

 

かわいいなにこれ!?

 

さあ最後の登りです。結構な斜度があるところも、スノーシューとストックのおかげで登りやすさが段違いでした。友人のアイゼンを借りて試しに歩いてみましたが、歩く面白さにしてもスノーシューのほうがぼくは好きかも。

北横岳山頂にたどり着くと、感動のあまり言葉が出ませんでした。ようやく絞り出して「すご…!」「やば…!」、友人も「すげえ…」「やべえ…」。これで会話できるんだからすげえよやべえよ日本人。

山頂から目の前に広がるのは、憧れのアルプスのパノラマビュー。左に南アルプス、正面には中央アルプス空木岳(うつぎだけ)木曽駒ケ岳(きそこまがたけ)などの百名山が並んでいます。

右端には北アルプスの白い山脈が連なり、素晴らしい山岳風景を見渡すことができました。

北横岳の北側、樹林を挟んだ向かいには蓼科山(たてしなやま)が優雅に雪をまといながらその存在感を際立たせています。

蓼科山も雪山初心者向けと紹介されているのを多く見ますが、行動時間の多さから見送りました。雪山は何があるかわからねえからな。

ひとしきり山岳展望を堪能したあとは、すぐ近くにあるもうひとつの山頂、北横岳北峰へ向かいます。ここはぜひセットで歩きたいところ。

南峰から北峰へは歩いて5分ほど。何か景色は変わるのだろうか…?

おお~!蓼科山の裾野が見えるようになりましたね。というか背後の北アルプス格好良すぎます。なんだか白い龍が横たわっているよう。

最高のパノラマの中でも、特に中央アルプス北アルプスの間にある白い独立峰、木曽御嶽山(きそおんたけさん)は強く印象に残りました。

古くから信仰の対象となっている霊山は、やはり眺めるだけでも特別なように感じますね。この感覚は今も昔も変わらないのかもしれません。

 

帰りも楽しい雪道、見上げれば八ヶ岳ブルー

さて、この後は予定通り来た道へ戻ります。道標を見ちゃだめよ!行きたくなっちゃう!

木々の間からのぞく南八ヶ岳の、まさに剣竜の背のような稜線に心を奪われました。北と南で全く景観が異なるのも八ヶ岳の魅力のひとつ。

雪を踏みしめながら、文字通りサクサク下山です。

再び雪原へ戻ってきました。山頂も素晴らしいけれど、この坪庭の散策もすごく楽しい。

坪庭をぐるり周っていくコースでロープウェイ乗り場へ戻ります。この先の急な階段は今日イチ怖かったところ。

急階段を下りきって振り返ると、目が覚めるような青色の空。これが八ヶ岳ブルー!?もうお腹いっぱいです。

シンボル的な木彫りのキツツキがいるロープウェイ乗り場まで戻ってきました。3時間弱のコースでしたが、体感時間と得た感動は夏の北アルプスにだって劣りません。晴れてくれてよかった~~~~。

北八ヶ岳ロープウェイ駐車場まで下りてきてレンタルしたスノーギアを返却、まだ12時すぎです。お腹も空いたし、この後どうする?なんて話をしていて気づきます。

 

え?まだ12時なの??

 

後編へ続きます。ビーナスラインにあるあの有名なランチスポットへ。

 

北横岳の山旅、終わりに

怪我も悪天候もなく、無事に初めての雪山登山を楽しむことができました。とはいえ一例に過ぎませんので、これで調子づくことなく、雪山にまた触れることがあれば慎ましく登りたいと思います。

 

次はどの山に行こうかな。

 

■後半は霧ヶ峰

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