12月、山の空気が澄んでくると歩きたくなるのが、爽快な“稜線”!稜線は山と山をつなぐ尾根のことで、木々に囲まれていなければ開放感抜群のトレイルを楽しむことができます。
友人たちと打ち合わせて、グルメと観光も合わせた稜線ハイキングということで候補に挙がった、というかぼくがねじ込んだ(笑)のが伊豆の低山。
富士山と海を望む、爽快な稜線歩き。
どうも、スラ男です。
今回は、静岡県沼津市と伊豆市の境にある金冠山(きんかんざん)から達磨山(だるまやま)を縦走してきた時のお話です。
金冠山と達磨山を含む本コースは「伊豆山稜線歩道」と呼ばれる全長40km強のロングトレイルです。もちろん日帰りハイキングでは全てを歩き通せないので、今回は友人たちと車利用で、区間を歩くセクションハイクを楽しみます。
狙いはもちろん富士山の景色と、海鮮、温泉、そしてさわやか。
■金冠山~達磨山(2022年12月3日)
スタートは沼津港、朝ごはんに海の幸
今回のハイキングを企画するにあたって、「やっぱり美味しいものが食べたいよね」というのが念頭にありました。山を歩くなら地のものを食べたい…これを最優先としているメンバーなので、本当にありがたいです。
ということで、伊豆へ向かう前に沼津港で待ち合わせ。ここで朝ごはんを食べてから山へ向かえば、海の幸も山も堪能できるので最高です。
沼津港といえば目の前に日本一の深海である駿河湾が広がっています。その立地を活かした沼津港深海水族館があり、ここではシーラカンスの冷凍標本が見られます。世界で唯一、ここだけですよ。
早朝だと水族館等の施設は開館前ですが、開いているお店もちらほら。そういうお店を狙った常連さんらしき方々がいるので、ぼくたちも列に並びます。
え!このシーラカンスもなか欲しい…!!
大衆食堂という看板がそそるこちら、せきのさんで朝ごはんをば。お店の看板には「地あじフライ」の文字があり、人気№1とのこと。アジフライ…君に決めた!
お店に並び始めてから1時間弱…これが待ちに待ったアジフライだぁぁぁ!!サックサクでふわふわ、だけど身が分厚くて食べ応え抜群。めちゃめちゃ美味しい~~!!!
「ご飯大盛りで」という友人たちのほうを見ると、ぶーッ!!ごはんの量すごい!笑
ですが、後になって気が付きました。アジが美味しすぎてご飯足りない…
お腹大満足のアジフライ、最高に良い味でした。アジだけに。沼津港を少し散策した後、お次は伊豆へ向かいましょう!
富士山と駿河湾を望む、絶景の金冠山
沼津港から本日のハイキングスタート地点となるだるま山高原レストハウスまでは、車で50分程度。途中にはちょうど紅葉が見頃を迎えた修善寺を通過します。
この修善寺も立ち寄ろうか考えたのですが、とある目的のために見送りとなりました。なかなか渋めの温泉街ですから、ここは今度時間がある時にゆっくり散策したいものです。
だるま山高原レストハウスには駐車場がありますが、キャパシティがそんなにあるわけではないので早め着がおすすめ。ここで支度を整えて、ついでに展望台から富士山と駿河湾の絶景をひとつまみ。ちょっと雲がかかっちゃってますが十分です。
それにしても、車でここまでスイ~と来られちゃうんですからアクセスも便利ですよねえ。
さあ、いよいよハイキングスタート!駐車場から少し歩いて登山道にとりつきます。まずは階段を上がって樹林帯の中へ。
木々のフレームから富士山がこんにちは。
樹林帯を抜けると、視界が開けるとともに歩きやすい笹原の道が広がりました。目の前のピークが本日最初の目的地です。
階段をひと登りで金冠山へ到達。駐車場から30分。いやはや、なんともあっけない…笑
ですが目の間にはこの絶景!正味30分というお手軽アプローチでこの景色は、ちょっとズルすぎではないでしょうか。
先ほどまでいた沼津港も見えますし、そこから連なる「沼津アルプス」も。ここはいつか登ってみたいところなんですよねぇ。
富士山と駿河湾の絶景を堪能したぼくたち、その足取りの軽さときたら。金冠山を後にして、次なる達磨山方面へ来た道を引き返します。
分岐を戸田峠のほうに進み、ここからは富士山を背にしたトレイルとなります。
ところでこの戸田峠(へだとうげ)、初見ではまず読めませんよね…
延々と続く階段、その先に広がる大展望の達磨山
達磨山方面へ進むと、すれ違うハイカーさんが「富士山よく見えますよ!」と声をかけてくれました。こういうの嬉しいですよね。
ところで階段多くないですか?
ほっ、笹原の道に出ました。右手側、山並みの先に戸田漁港方面もバッチリ見えました。そして振り返ると富士山が。
これは足を止めてしばし見惚れちゃいます…
笹原の道が終わり、階段、階段、また階段。
やっぱり階段多くないですか!?
笹原の爽快なトレイルという前情報ばかりフィーチャーしていましたが、この金冠山~達磨山、6割以上が階段ですよ!?鍛えておいて良かった!?
階段を上りきると小達磨山という樹林のピークが。そしてすぐに階段で下る。
ここで朝食のアジフライ&山盛りご飯がその威力を発揮してくれます。かなりのエネルギーとなったので、階段の上り下りもなんのその。
樹林帯を抜けると、おお~~~!!!ガイドブックで見た光景です。これですよこれ、達磨山の笹原の道!
途中で車道を挟んだりしますが、さすがにここから先は爽快な稜線歩きが待って…
階段「お世話になりまーすw」
ぐあああああ!!!!
度重なる階段で体もかなりヒートアップしていますが、この稜線はかなりの風が吹いているので寒い寒い。上着を着て再びの階段に備えます。あとちょっと!あとちょっと!
着いたー!達磨山の山頂です。
ぐるりとパノラマが広がる山頂で休憩にはもってこいの景色なのですが、冷たい風を防ぐものが少ないのが難点。大きな岩を盾にして小休止。
沼津方面の景色は金冠山のほうが優勢ですが、こちらは笹原がアクセントになります。逆に言うと、達磨山から金冠山へ向かう道のりは最高なんじゃないでしょうか。
今回はここ達磨山が折り返し地点となりますが、この先もトレイルは続いています。ぼくがいつか歩きたいと思っている天城山、猫越岳などを含むこのロングトレイル。区間ずつでもいいからいつか巡ってみたいなぁ。
富士山に向かって下山、グルメと温泉で締めくくる
さて、休憩した後はいよいよ下山です。下山は富士山を眺めながらになるので、往路よりむしろ復路のほうが真骨頂と言えましょう。
笹原に延びた一本の筋を見下ろしながら、そこを辿っていく。そしてその先には雄大な富士山が。こんなご褒美トレイルは滅多にありません。
樹林帯が近づいてくると爽快な稜線歩きもゴール間近。時間にしてみれば3時間弱のショートハイクでしたが、その充実度はなかなか濃厚なものでした。
だるま山高原レストハウスに戻ってきたら、一気に車を飛ばしてもらって次なる目的へ。というか、今回の旅のメインイベントへ。
それがこちら、ご存じ「さわやか」!!静岡に来たらこのげんこつハンバーグは食べていかないと、ということで登山後の疲れた体にとびきりのご褒美を。
とはいえ、あの有名なさわやかですから待ち時間は「ささやか」というわけにはいきません。ですがご安心を。店内に発券機があるので、そこで受付すれば待ち時間がわかり、その時間を自由に過ごすことができます。
ぼくたちはその空いた待ち時間を利用して、さわやか函南店の近くにある温泉施設「湯~トピアかんなみ」で汗を流します。
この温泉は内湯も外湯も広々としており、何より露天風呂から富士山を眺めることができるのです。めちゃくちゃいいお湯でした。
待ち時間ぴったりで温泉を出て、再びさわやかへ。スムーズに店内へ入ることができました。目の前に運ばれてきたげんこつハンバーグは、その見た目、焼ける音、煙、香り、その全てで五感を刺激してきます。
うまあああいッ!!!説明不要ッ!!
登山の後の温泉、そしてメシ。これが全てだと解らされました。後日、友人はまた沼津へアジフライを食べに出かけたそうです。笑
金冠山~達磨山の山旅、終わりに
以前から歩いてみたかった伊豆山稜線歩道。今回はその一部分をセクションハイクという形で歩きましたが、大満足の内容でした。車利用だとどうしてもピストンコースになるので登山時間を縮めてグルメに時間の充てたのも良かったと思います。
天城山方面のブナの森も個人的には気になるんですけど…こればかりは自力でやらないと。
次はどの山に行こうかな。