新型コロナウイルスにより激動となった2020年。東京五輪の延期を始めとした様々な影響が世界各地を揺るがしました。それに比べればぼく個人の予定など取るに足らないことですが、当初予定していた山旅も全て白紙になりました。
それでも政府や医療従事者の方々、他にも様々な方の努力の結果、いったん自粛ムードとなった登山も賑わいを取り戻してきたように思えます。
また、昨年の台風による被害でダメージを受けた箇所の修復なども進み、厳しい環境下での作業に関係者様方には感謝の気持ちでいっぱいです。
約半年分となりますが、2020年の振り返りとしていくつかの山旅をピックアップしてご紹介したいと思います。
どうも、スラ男です。
2020年も色んな山旅を計画していましたが、新型コロナウイルスの影響による自粛や登山環境の変化もあって、激動の一年となりました。
しかし、そんな環境下でも念願の北アルプスデビューや、憧れの両神山への登山が叶ったのはぼくの中で大きな収穫でした。
それでは2020年の山旅を振り返ってみましょう。まずは1月からです。
■2020年山旅
- 1月、ロウバイの咲き始める秩父・宝登山
- 2月、菜の花と富士山の絶景・吾妻山公園
- 6月、秩父の空に咲くアジサイ・蓑山
- 8月、信仰と伝説を訪ねる秩父・城峯山
- 8月、初めての北アルプス・燕岳
- 9月、名草の巨石と足利伝説の山・赤雪山~仙人ヶ岳
- 10月、雲海と紅葉に染まる那須・茶臼岳~朝日岳
- 10月、錦秋の奥秩父・両神山
- 11月、ネコと紅葉の山城・唐沢山
1月、ロウバイの咲き始める秩父・宝登山
埼玉県の長瀞町にある宝登山では、12月下旬頃からロウバイの花が咲き始め、1月中旬以降に見頃を迎えます。暖かな陽気の中での日だまりハイクに花見を合わせれば、大満足のワンデイハイクが楽しめます。
しかし、池袋から長瀞まで鈍行電車で向かうとなると、結構時間がかかります。
そこで便利なのが、西武鉄道の特急ラビュー。可愛らしいデザインの電車で、広々とした車窓から見える景色に快適&ワクワクの旅が約束されます。
ところで、長瀞といえば天然氷を使ったかき氷が有名です。真夏には何時間も並ぶほどの行列は必至とのことですが、実は真冬ならほとんど並ぶことなく暖かい店内でかき氷に舌鼓を打つことができます。
ロウバイにかき氷、もしかしたら、冬こそが長瀞の最もホットな季節と言えるのかもしれません。
■宝登山の親子ハイキング
2月、菜の花と富士山の絶景・吾妻山公園
厳冬期となる2月、銀世界を楽しむ雪山登山と縁のないぼくは専ら暖かな陽だまりを求めて低山へ。神奈川県二宮町にある吾妻山公園では、山の斜面を埋め尽くす菜の花と、その先にある雪化粧した富士山の絶景が楽しめます。
公園として整備された山頂は、絶景はもちろん、子どもと遊ぶのにも最高なロ-ラー滑り台が人気です。以前は有料でしたが、訪れた時は無料になっていたので何回も滑ってしまいます。
菜の花の黄色、富士山の白、そして海と空の強烈な青と、それぞれの色あいを五感で楽しめる吾妻山公園は、冬の家族ハイキングなどにぜひおすすめの山といえます。娘のスラりんもこの吾妻山公園がデビューとなりました。
■吾妻山公園の親子ハイキング
6月、秩父の空に咲くアジサイ・蓑山
コロナウイルスによる自粛期間が明け、体ならしにと訪れたのが秩父の蓑山。もともと子どもと来る予定でしたが、自分の体力が不安定だったため断念。山頂公園を彩るアジサイを鑑賞してすぐに下山するショートハイクになりました。
蓑山の山麓には見どころが多く、秩父ジオスポットや狼信仰の名残、そして和同開珎のモニュメントが立つ和銅遺跡は必見です。ショートハイクにしたため時間をたっぷり使って散策することができました。
2020年前半、最も活躍したキャラクターはおそらく妖怪アマビエでしょう。疫病を払うということと、そのなんとも言えない表情や姿が注目され、今やお土産品としても様々な場所で見かけます。ご存じ秩父のゆるキャラ、ポテくまくんもまさかのアマビエ仕様に!
■蓑山 山旅
8月、信仰と伝説を訪ねる秩父・城峯山
秩父に古くから伝わる七湯の一つ、千鹿谷鉱泉。鄙びた雰囲気と極上の泉質からマニアの間で人気となっていた温泉でしたが、去年あたりに営業終了してしまいました。しかし、解体作業が終わるまでの間、復活するという報せを聞き駆け付けました。
そんな歴史の温泉と合わせて登ったのが、秩父吉田エリアの盟主である城峯山。
平将門伝説や狼信仰のほか、秩父事件の舞台ともなった歴史の山を歩くことで、さらなる低山ワールドの魅力を存分に楽しむことができました。
城峯山からの帰りは、吉田方面、小鹿野方面と選べますが、盛夏ならぜひ食べたいのが小鹿野町が誇るかき氷・毘沙門氷!
ところが、訪ねたお店は残念ながら休憩中。ならばもう一つの小鹿野グルメ、わらじカツ丼に全集中!東大門さんのカツ丼は本当に美味しく、おすすめのお店です。
■城峯山 登山
8月、初めての北アルプス・燕岳
登山を始めて何年か経ちますが、ご縁がなく未だに八ヶ岳や日本アルプスを歩いたことがありませんでした。しかし、再会した友人が登山をしていることがわかり、今夏、念願のアルプスデビューの機会がやってきます。
満点の星空から朝日の出、青空の広がる燕岳にライチョウのおまけつきと、ビギナーズラックをふんだんに発揮した登山に、友人ともどもおかしなテンションになってしまうのは必至です。カップ麺も温泉も最高だった!
初めての北アルプス、初めてのナイトハイク、何から何まで初めてづくしの燕岳で見た景色は、一生忘れることがないと思います。こんな機会をくれた友人と山の神様、ありがとうーー!!
■燕岳 山旅
9月、名草の巨石と足利伝説の山・赤雪山~仙人ヶ岳
首都圏からほど近い栃木県足利市。交通の便もよく、今まで行かなかったのがもったいないくらい魅力の低山ワールドが広がっていました。
苔生す緑が美しい9月に訪れたのは、神秘的な巨石群がある名草地区から仙人ヶ岳までの縦走路です。
起点となる名草巨石群は、見る者を圧倒する大きさで、同時に神様がお座りになる磐座としての神秘さも感じられます。ここから足利氏の伝説が残る赤雪山を経て、群馬県との県境である仙人ヶ岳を目指します。
仙人ヶ岳からの帰路は、前半の樹林帯歩きから一転、急峻な岩稜歩きとなります。鎖場や立ちはだかる天然のアスレチックを乗り越えた後の、温泉と生ビール。これには残暑が厳しい9月を忘れてしまうほどの爽快さを覚えました。
■赤雪山~仙人ヶ岳 山旅
10月、雲海と紅葉に染まる那須・茶臼岳~朝日岳
栃木県の那須岳といえば、迫力ある火山と紅葉の名所として有名です。
2019年の同じ時期にも友人と訪れたのですが、暴風雨により悲しみの撤退。今度こそということで、同じ友人とそのド迫力の紅葉を体感してきました。
満点の星空の広がる中のナイトハイク、朝日に染まる山肌の紅葉。そして眼下に広がる大雲海と、絶景に次ぐ絶景でもうお腹いっぱい。短い登山時間でこれほどの景色を堪能できるのだから、人気も納得の名山です。
帰りは歴史ある温泉や殺生石、温泉神社などの名所も楽しめる那須岳ですが、道路の大渋滞という最大にして最悪の難所が待ち構えていました。下りはそこまででもないのですが、登りは昼過ぎにはもう3時間待ちという…
いやはや、紅葉時期の那須岳の人気たるや。早朝到着は必至ですね。
■茶臼岳~朝日岳 山旅
10月、錦秋の奥秩父・両神山
今後の様々な変化により、“山は逃げない”けれども「山を取り巻く環境の変化」により、“山に行けない”というのはあり得ないことではないと思います。
ぼくの憧れの山として筆頭に挙がるのが、埼玉県の両神山です。10月末、紅葉の盛りを狙って、ついにチャンスが巡ってきました。
この両神山にはいくつかのコースが設けられており、歩くコースによっては所要時間や難易度が激変します。その中でも白井差新道という個人の私道を利用すれば最短時間で安心安全の登山が可能となります。
白井差新道の管理者である山中さんは、この山の守り人ともいえるお方です。
とても気さくなお人柄で、おそらくこの新道を利用する多くの方が山中さんのファンなんだと思います。ぼくもすぐにファンになり、また来たいと思える山旅になりました。
■両神山 山旅
11月、ネコと紅葉の山城・唐沢山
11月下旬から12月上旬にかけて、関東近郊の低山で紅葉が見頃となります。栃木県佐野市にある唐沢山は、紅葉狩りをしながら歴史ある山城を見学でき、また簡単な家族ハイキングも楽しめる場所として人気です。
唐沢山城跡を散策し往時を偲ぶのもロマンチックですが、子どもたちの注目の的となっているのはこちら、山内のいたるところにいるネコ。人に慣れているのでしょうか、逃げる素振りもなくゴロゴロしていました。
城跡を見学した後は、山麓に点在するご当地グルメ・佐野ラーメンを楽しむのは、佐野観光の定番といえるでしょう。
道の駅どまんなかたぬまも近くにあるので、いもフライやイチゴを使ったお土産など、栃木観光の入門としても手軽に遊べるスポットでした。
■唐沢山 親子ハイキング
ということで、2020年の山旅をいくつかピックアップしました。
新型コロナウイルスによる世界的な変化は、今後も継続して注意や対策をしていく必要があります。2021年もどうなってしまうのかわかりませんが、自分にできることはしっかりとやりたいところです。
それでは、長々とお付き合いいただきありがとうございました。2021年もどうぞよろしくお願い申し上げます。