ようこそ スラ男村

なまけたろうと登山ブログ

【丹沢】弘法山 息子とヒツジと名水の里

f:id:ta2ni:20190325163351j:plain

空気の澄み渡る冬は、雪を冠った富士山を眺めるには最適な季節です。富士山の眺めと下山後の温泉を主軸に考えた結果、丹沢山地の麓にある神奈川県秦野市弘法山公園にスポットが当たりました。

今回は、四季折々の花、富士山の展望、そして下山後には温泉も待っているという贅沢な弘法山(こうぼうやま)を舞台に、隠し味としてヒツジとの触れ合いも楽しんできた時のお話です。

 

 

どうも、スラ男です。

 

1月の親子ハイキングは、息子からの「ふじさんがみたい!」という要望もあって、小田原あたりに繰り出そうと考えていました。しかし、小田原にはひと月後に梅のシーズンが控えておりましたので、今回はかねてから行きたかった弘法山へ。

f:id:ta2ni:20190325163602j:plain

弘法山の最盛期は桜の咲き乱れる春かもしれませんが、富士山の眺望と肌に染み入る温泉に重きを置けば冬に分があります。

ということで、ロマンスカー、名水、ヒツジに法螺貝(?)と、バラエティに富んだ出会いが詰まった山旅が始まるわけです。

 

弘法山(2019年1月13日) 目次

 

赤いロマンスカーに乗って行く、名水の里・秦野

f:id:ta2ni:20190325155508j:plain

自分ひとりの時はなるべく我慢していますが、電車好きな息子スラ坊と一緒の時はこの特急電車も楽しみの一つです。

目的地である秦野へ向かうには、新宿駅から小田急線に乗り換えますが、時刻表を調べると最新型のロマンスカーGSE」が出ることがわかったので、今回は迷わずに特急を利用していきます。

f:id:ta2ni:20190325155526j:plain

白いロマンスカーVSE」よりもやや展望席が開けており、優雅さをコンセプトにデザインされた車両とのことで、GSEのGも、優雅さを表す「Graceful」の頭文字だそう。

なるほど、確かにこの展望席に座れたらそれだけで大満足の電車旅になること間違いなしですね。ちなみにぼくたちは普通の席です。

f:id:ta2ni:20190325155543j:plain

こちらのロマンスカーの車内、或いは小田急百貨店などでは小田急オリジナルのプラレールが販売されており、この限定モデルには小田急の制服を着たプラキッズが3体も同梱とのこと。

駅のホームでその情報を知り、今日のお土産はこれだ!と買ったはいいものの、よく考えたらこれを持ってハイキングか…いきなり失策です。大喜びのスラ坊を横目に、ザックのサイドポケットに入れてみるとちょうどよく収まったので、ぼくも大喜びとなりました。

 

…余談ではありますが、2019年3月に同型のロマンスカーGSEが、ナンバリング商品としてプラレールより発売されました。半額近い価格で。ぼくのお財布から嘆きの声が聞こえてきたような気がしました。

f:id:ta2ni:20190325155558j:plain

さて、あっという間に到着した秦野駅からは目的地の弘法山公園が望めました。天気にも恵まれたので、富士山の展望にも期待が高まります。

もう少しロマンスカーに乗っていたかったな…という気持ちはありますが、大丈夫、ぼくが(プラレールを)背負っていますので!荷物ェ…

f:id:ta2ni:20190325155615j:plain

秦野駅の北口には、「秦野名水」のロゴが描かれた湧水広場があります。

秦野市は良質な湧水が豊富で、函館、横浜に次ぎ全国で3番目に近代水道事業を始めたそうです。丹沢山地から流れ出る水無川や葛葉川、それらが形成する扇状地から湧き出る水を、古くから生活用水として利用してきた痕跡も見られるそう。 

f:id:ta2ni:20190325155630j:plain

こうした水に対する取り組み、そして弘法大師にちなむ湧水などから、「秦野盆地湧水群」として昭和の名水百選に選ばれています。駅の近くにも湧水スポットがあるので、ぜひ立ち寄ってみたいところです。

f:id:ta2ni:20190325155653j:plain

ということで、駅から500mほどのところにある弘法の清水へ。こちらの湧水は次のような言い伝えがあるそうです。

 

「弘法の清水」の伝説
ある夏の日のこと、一人の旅の僧が水を恵んでもらおうと、ある農家を訪れましたが、その家には水がありませんでした。
「ちょっと待って下さい。」と外に出た娘はなかなか帰ってきません。水を求めて遠くまで行ったのでした。
僧は大変感謝し、持っていた杖を地面につくと、そこから水が湧き出てきました。後になって、旅の僧が、弘法大師とわかり、この井戸を弘法の清水と呼ぶようになりました。

引用元:秦野市観光協会-観光スポット情報【弘法の清水】

 

 

f:id:ta2ni:20190403185554j:plain

ところが、平成元年には弘法の清水が有害物質に汚染されていることが発覚してしまいます。名水と親しむ市民には相当な衝撃だったに違いありません。

この報せを受け秦野市は官民一体となり水質改善に努め、15年の努力の結果、平成16年の元日に名水復活を成し遂げたそうです。

四季の花と展望の名所、弘法山公園

f:id:ta2ni:20190325155724j:plain

弘法の清水から水無川沿いに戻り、さらに葛葉川を越えた先の右手側に弘法山公園の入口が現れます。道標に従いスラ坊と一緒に小川の橋を渡ります。

f:id:ta2ni:20190325155740j:plain

階段が整備されているものの、取り付きはいきなりの急登です。1月とは思えないほどの暖かな日差しと相まって、汗が吹き出しました。

「むしいるかなぁ」と熱心なスラ坊ですが、実際に昆虫を目の当たりにすると一目散に逃げます。気持ちはわかる。

f:id:ta2ni:20190325155827j:plain

20分ほどの急登をこなすと本日最初の山頂、浅間山に到着です。山頂は広々としており、東屋もあるので休憩には最適な場所ですが、この先にある権現山も人気の休憩場所のよう。

f:id:ta2ni:20190325155811j:plain

スラ坊はスイセンを見つけると、ちゅーっと真似をしてくれます。そんな期待を裏切らずスイセンになりきる息子に、休憩場所を聞いてみると「ここがいい(・∀・)」とのこと。

f:id:ta2ni:20190325155845j:plain

ということで、東屋が空いたのでここでお昼休憩をば。時間も12時半ですし、ちょうどよかったのかも。

今回はクノールのたらこクリームスープパスタを用意してみました。これがたいへん気に入ったようで、ものすごい勢いで食べています。

f:id:ta2ni:20190325155901j:plain

ところで、ぼくはザックにてる坊をつけているのですが、去年の檜洞丸からの帰りの電車内で紐がちぎれてしまいました。楽しい山旅の最後にショッキングな出来事が起きてしまいましたが、次の山旅の南房総にてびわ色のてる坊が新たに仲間入りを果たしました。※緑色の初代てる坊は自宅に飾ってあります。

2代目となるびわ坊、これからよろしく頼むぞ!

f:id:ta2ni:20190325155920j:plain

30分ほどの休憩を終え、登山道はいったん車道を挟み、また階段の急登です。見上げた先にある建物が権現山の展望台ですので、もうひと踏ん張り。

おかしい…鎌倉アルプスをあれだけ歩いてくれた息子が、どういうわけか今日は抱っこの回数が多いです…(´;ω;`)挙句の果てには「だっこまんだぞ~!」といって立ちはだかってきます。『地獄先生ぬ~べ~』に似たような妖怪がいましたね。おぶさりてえ…

f:id:ta2ni:20190325155942j:plain

たどり着いた権現山は、大勢のハイカーで賑わいを見せていました。ぼくたちもさっそく展望台から富士山の展望を楽しみたいと思います。

f:id:ta2ni:20190325163406j:plain

抜群の景色が広がりますが、残念ながらお目当ての富士山は霞の中へ隠れてしまったようです。空気が澄んでいれば、左側のテーブルのような山の奥にいるはずなのですが…

ぼくのバイブルでもある漫画『遊☆戯☆王』には、こんな名言があります。

 

 

見えるけど、見えないもの。

 

 

まさに今日の富士山のことではないでしょうか。

f:id:ta2ni:20190325163351j:plain

富士山の展望こそ叶いませんでしたが、大山のどっしりとした三角形はバッチリと見ることができました。以前に一度だけ訪れたことがある大山ですが、桜に紅葉、ケーブルカーとファミリーハイクも楽しめそうなところなので、また再訪したいですね。あと、ルーメソも(笑)

 

ヒツジに法螺貝、賑やかな里山のゴールは温泉

f:id:ta2ni:20190325163441j:plain

権現山からは団体さんに混じりながら下山していきます。元気いっぱいのスラ坊は注目の的となりますが、元気なのは今だけです。さっきまで抱っこマンでしたので。こいつめ。

f:id:ta2ni:20190325163426j:plain

階段を下り終えると、砂利の敷かれた歩きやすい平坦な道が続きます。

ここは馬場道といって、その昔農民たちが草競馬を楽しんだことに由来するそう。道の脇には桜やアジサイが見られますので、四季を通じて楽しめそうです。

この先の分岐を右側に登っていくと弘法山に着きますが、その前に少し寄り道を。

f:id:ta2ni:20190325163515j:plain

分岐を右に分け、急勾配な道を下っていくと、広々とした原っぱをもそもそと歩くヒツジたちが見えてきました。ここはめん羊の里というところで、さらに階段を下った先にレストランもあります。

f:id:ta2ni:20190325163500j:plain

人馴れしているのでしょうか、ヒツジたちは次々に近寄ってきました。

隣の子どもが草を食べさせていると、目の前のヒツジが「メ゛ェ゛ー(低音)」と何かを訴えてきます。スラ坊は驚いて隠れてしまいますが、次第に慣れたのかヒツジの真似をして喜んでいました。

f:id:ta2ni:20190325163530j:plain

こちらのレストランのジンギスカンが美味しそうですが、それはまたの機会…

f:id:ta2ni:20190325163546j:plain

山盛りのみかんが一袋200円!?安い!!しかし悲しいかな、ぼくの日帰り用ザックはプラレールという荷物を背負っていることもあり、この大量のみかんを持って帰るキャパシティがありません。

そろそろ容量の大きいザックが欲しいなぁと思う今日この頃です。

f:id:ta2ni:20190325163602j:plain

めん羊の里の階段の往復と、急坂の登り返しがスタミナをごっそり奪います。幸いこの縦走路には要所要所にトイレ(チップ制)が設置されているので、親子ハイクには嬉しい限り。小休止を挟みながら次なる目的地は弘法山です。

f:id:ta2ni:20190325163619j:plain

弘法大師が修行したことから弘法山、実にわかりやすい山名ですね。奥にある鐘を鳴らしてみたくなりますが、注意書きがあるのでやめておきます。

f:id:ta2ni:20190325163650j:plain

山頂から景色を眺めていると、背後からブォォ~~~!法螺貝の音が聞こえてきました。麓のお寺からかな?なんて思っていると、意外と近くから音が聞こえてきます。

辺りを見回してみると、すぐ近くに法螺貝を吹いている方が見えました。何でも「山の中で吹くと反響するものが多いから気持ちがいい」そうです。自作したという法螺貝を再び構え、ブォォ~~~!と気持ち良い音が響きました。

f:id:ta2ni:20190325163706j:plain

弘法山から緑の時季には気持ちよさそうな樹林帯を下っていくと、自動販売機の並んだ分岐に出ました。現在14時半、ヒツジと遊びすぎました

f:id:ta2ni:20190325163725j:plain

しばらく歩いていくと、抱っこマンがボソリ。

 

「ちょっとねてもいい?」

 

 突然の爆弾発言に震えが止まりません。思い返せば、ロマンスカーやヒツジさんなど、いつもよりもはしゃぐ回数が多かったのが原因か…!めん羊の里で引き換えしておけばよかった…

f:id:ta2ni:20190325163756j:plain

幸い、吾妻山にたどり着けば休憩場所がありますので、ここで大休止。「(おにぎりを食べたら)げんきでた!」とのことなので、もうひと休憩の後、ゴールの温泉を目指して歩き出します。

f:id:ta2ni:20190325163827j:plain

下山を終えると、トンネルに大興奮するスラ坊。そして何より温泉が楽しみなようで、「どんなお山に行きたい?」と聞くと、「おんせんがあるおやま」というくらい気に入ってるみたいです(笑)

f:id:ta2ni:20190325163846j:plain

設備の整った日帰り温泉弘法の里湯で汗を流せば疲れも吹き飛び、代わりに眠気がじわりじわりとやってきます。風呂上がりの一杯には、輝かしい実績を持つ秦野名水「丹沢の雫」をゴクリ。

f:id:ta2ni:20190325155451j:plain

鶴巻温泉駅から帰りの小田急線は鈍行です。スラ坊ももう限界かな?座席の隅っこに座ると、程なくしてコロンと寝てしまいました。

 

弘法山の親子ハイキング、終わりに

f:id:ta2ni:20190325155710j:plain

今回ファミリーハイキングで人気の弘法山へやってきましたが、寄り道の多さがじわりと響く結果となりました。それでもロマンスカーに乗ったこと、お水を汲んだこと、ヒツジさんとの触れ合いなど、息子にとっては楽しい思い出がたくさん作れたようで良かったとは思いますが。

f:id:ta2ni:20190325163741j:plain

次回はぜひとも桜の時季などに訪れたい弘法山公園。でも、その時は権現山まででもいいかなぁなんて、またコースを変えて計画したいところです。

 

さあ、次はどこに行こうかなぁ。