初めて山登りをするんだけど、どこに行けばいいの?という質問は、多くのハイカーを悩ませる質問だと思います。
手軽に登ることができ、季節を問わず、誰といっても楽しめる山。関東ではまず最初に高尾山を挙げたいところですが、そこに「大展望」という要素を付け加えると、筑波山(つくばさん)こそ最適の山ではないでしょうか。
緑と奇岩と、筑波の青空へダイブ!
どうも、スラ男です。
今回は、茨城県が誇る日本百名山、筑波山へ親子でハイキングしてきた時のお話です。
筑波山は最寄駅からバスで麓まで、麓からケーブルカー、もしくはロープウェイで山頂駅までアプローチでき、お手軽に登れて絶景を堪能できるのが魅力の山です。
今回は、登りは歩いて奇岩めぐり、帰りは乗り物で楽々下山というプランで筑波の自然を満喫しちゃいましょう。
■筑波山(2021年7月18日) 目次
カエルのテーマパーク!?筑波山とガマガエル
筑波山へのアクセスは、車じゃない場合は都心から一時間弱のつくばエクスプレスが非常に便利。たくさんのおもちゃをリュックに詰めて、息子スラ坊とともにいざ電車へ。
あっという間につくば駅へ到着。ここからバスでさらに一時間で筑波山の麓に辿り着きます。
ぼくは途中で子どもが飽きないようにグミを常備しているのですが、グミイーター・スラ坊、恐るべき速さでグミを食べ尽くしてしまいます。
さらに、柱に隠れてグミをもぐもぐ!底知れない息子のグミ欲に、父はなすすべはないのか―!?今冬、映画化決定!
筑波山には登山コースが複数あり、ケーブルカーを利用する場合は筑波山神社が登山口です。ぼくたちは、ロープウェイ発着場のつつじが丘からおたつ石コースを歩いていきます。
さっそく登山口へ向かうと、何やらどデカいとガマガエルの像が。
さらに、見上げると「ガマランド」なる遊園地のような施設が!見たところ営業はしていなさそう…ここはいったい?
筑波山とガマといえば、つくば市の伝統芸能である「ガマの油売り口上」が有名ですよね。どうやらこのガマランドは、筑波山とガマの結びつきをわかりやすくアピールするために造られたものだそう。
現在ではガマ洞窟という迷路のみ営業しているようです。カエルのテーマパークみたいで可愛らしいですね。これからも大事にされてほしいです。
インパクト大の登山口から、いざ、ハイキングスタート!もちろん、無事カエルのがお約束です(笑)
おたつ石コースから圧巻の奇岩めぐり
さて、登りで利用するおたつ石コースですが、ここは中継地点となる弁慶茶屋跡まで40分ほどという、幼稚園児の遠足にも人気のコースです。さっそく取りつきますが、サンサンと照りつける日差しがキツい…!
スラ坊の持ってきた、おもちゃの恐竜たちを並べて緊急会議です。新しく仲間になったばかりのスピノサウルス、ブラキオサウルス(ともに「ジュラシック・ワールド」モデル)を中心に話が進みます。
お腹が空いたから休憩しようということに。ブラキオサウルスの好物はシダ植物類。サイズ的にもアニアとベストマッチです。
休憩はいいんだけど、炎天下にさらされているこの間、ぼくは燃え尽きそうです。
ということで、最初の登りをクリアした先にある東屋で小休止。保冷バッグに入れてきたグミで体力を回復です。今から重要なことをいいます。グミは凍らせると美味い。
もちろんスピノサウルスたちにもグミを。いい食べっぷりです。
余談ですが、スピノサウルスという恐竜は2022年現在、研究が進み水中に特化した生態であることが有力となっていますが、ぼくの心の中では永遠に映画『ジュラシック・パーク3』で登場したこの姿なんです。2001年当時、映画館でぼくにとてつもない衝撃を与えたスピノs※早口
たまらない日差しに弱々モードのぼくたち。しかし、樹林帯に入るとアラ不思議。木陰の中を歩くのはたまらなく気持ちがいい。一気に足取りが軽くなります。
「水も飲んだほうがいいよね」とスラ坊。仲間を思いやる気持ちは、登山において重要なことだと思います。
適度なアップダウンを経て、木道の脇に風格のある大木が見えてきました。アカガシです。今歩いているのとは別の白雲橋コースにあるアカガシの純林は、国内でも有数のスポットだとか。
急な階段を登り切れば、休憩適地の弁慶茶屋跡に辿り着きます。ここでザックに仕込んでおいた秘密兵器の登場です。凍らせたみかんゼリー。勝ったッ!
これにはスラ坊も大喜び。瞬く間にペロリ。夏の低山は暑いけれども、こういう工夫で少しでも楽しいと思ってもらえれば。
弁慶茶屋跡から先は、筑波山名物の奇岩めぐりが始まります。まずは、かの武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)も通行をためらったという弁慶七戻り。
巨石の下をくぐるのはなかなかにスリリング。大人の目にもド迫力なので、子どもと対比するとビグ・ザムとボールのよう。
高天原(たかまがはら)、母の胎内くぐりといった奇岩を過ぎると、鎖の取り付けられた岩場も登場します。
冒頭で乗り物利用ならお手軽な筑波山といいましたが、奇岩めぐりをする場合はそれなりの体力と岩場があるのでご注意を。
岩場を登り切った先で、スラ坊が「あ!!」とこの日一番に目を輝かせていました。何かと覗き込むと…?
おたま!!
なんと筑波山のガマガエルの生息地を発見してしまいました。スラ坊が外国人ハイカーさんたちに「オタマジャクシいるんだよ!」と教えると、その後で「ヘイ!これ見て!」と、道の先にヘビがいることを教えてもらいました。
それはともかく…おたまたちはあの水たまりで大丈夫なのだろうか?スラ坊も心配そうに何度も振り返っています。干上がる前に雨が降るといいのだけれど。
ブナの森を抜け、天空の絶景へ
奇岩の連続が落ち着いてくると、緑の天幕が気持ちいい平坦な道に。筑波山の山頂付近には多くのブナが生育しており、県も保全活動に力を入れているみたいです。
過去、筑波山を訪ねたのはいずれも冬だったため、たくましいブナの大木から眩しい緑が広がる様は、ぼくにとってこの日一番見たかった景色でもあります。
忘れたころにまた奇岩が登場します。北斗岩は中をくぐることができますが、ここで大きめのハチが!スラ坊、猛ダッシュ。
行く手を阻む石もどんどん大きくなっていきます。無理はせず、休憩しながらを心がけて、山頂まではもうひと踏ん張り。頑張ろうスラ坊!
突き刺すような日差し、迫りくる奇岩、おたま、数々の試練を乗り越えて、ついに筑波山の山頂に辿り着きました!
山頂は岩場の展望台となっており、関東平野の絶景が両手いっぱいに広がります。ただし、安全の柵などはないので注意が必要です。
スラ坊は怖がっていましたが、慣れてきたのかポーズもとってくれました。また、ぼくも筑波山から晴れた景色を見られたのは初めてだったので、感動もひとしおです。
向かいにはもう一つの山頂、男体山が。筑波山は二つの山頂を持つ双耳峰(そうじほう)で、今いるこちら側が女体山。それぞれの山頂に男女の神、つまりイザナギノミコト、イザナミノミコトをお祀りしています。
女体山から御幸ヶ原を経由して男体山へ向かうこともできますが、下山後の温泉が楽しみすぎるというスラ坊くん、今回は女体山のみで下山することに。
となれば、帰りはロープウェイを利用して一気につつじが丘駅まで。帰る前に、女体山駅でお昼ご飯を。やはり筑波山に来たならば、名物・筑波うどんは欠かせません。
ロープウェイでの下山はあっという間。天空の散歩を楽しんでいると、車内にポツンと描かれた謎のキャラクターに気がつきました。
なんだこいつ。
…あ!筑波山の双耳峰がネコミミなんだ!でもなんだろう…この哀愁漂う姿。けっこう好きです(笑)
さて、下山後は何よりも早く温泉です。筑波山の麓には日帰り温泉が楽しめる宿が複数ありますが、いずれも利用時間が短いので注意です。少し離れたところにある、つくばの湯や筑波温泉ホテルなら遅い時間まで営業しているので安心です。
今回は早めに下山できたので、つつじが丘駅からすぐの筑波山京成ホテルへ。開放感たっぷりの露天と、貸し切りでの温泉が最高でした。
温泉で汗を流した後は、帰りのバスが来るまでソフトクリームでひんやり。夏のハイキングですから、五感で夏を楽しまないと。次の夏は海とかもいいですねえ。
帰りのバスの中でスラ坊もぐっすり。つくばエクスプレスに乗り換えると、車窓からは堂々とした山容の筑波山が見事でした。
やっぱり筑波山のハイキングは面白い!スラ坊も気に入ってくれたようです。
筑波山の親子ハイキング、終わりに
体力のついてきた息子と歩いた夏の筑波山でしたが、充実の内容となりました。夏の空、不思議な奇岩、緑の森を歩いて、天空の世界へ。いやはや最高のひと言です。
富士山と肩を並べるほどの名山・筑波山。まだまだ無限の楽しみ方があるのですから、今後も歩いていきたいところです。次は関東平野の夜景、梅林、いや、春の花々か…
次はどの山に行こうかな。