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なまけたろうと登山ブログ

【奥多摩】鷹ノ巣山~雲取山 酉年と2017年記念、東京都最高峰へ至る絶景と失敗の山旅

世界で一番高いところといえばエベレスト、日本で一番高いところといえば富士山。では、「東京都で一番高いところって?」という質問をされたら、なんて答えるでしょうか。一昔前ならば東京タワー?最近であるならば東京スカイツリー?いやいや、東京にも高尾山などの山があるわけだし、そっちじゃないの?なんて。

ちなみに、世界で一番高い(宇宙に近い)のはチンボラソだ!なんて変化球は、ひとまず質問の脇に置いておきましょう。今回は標高の話。そんな「東京都最高峰」である場所を求めて、今回の話は始まるわけです。

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どうも、スラ男です。

そもそも東京都で一番高いところなんてのにさほど興味もなく、知りもしなかった以前の俺。しかし、そんなクールな俺も変わるもんだ。今ではどこどこの一番だったり、なになにの百選なんてのにどっぷりハマってしまっているのだから。

さて、2017年も残すは12月のみとなり、俺の山旅計画の大トリをどうするか。そうだなぁ、冬の透き通った空を見るなら稜線歩きもいいよなぁ。でもなぁ、この「酉年」の「2017年」に、どうしてもやってみたかった計画が俺にはあった。それが、酉年にちなんだ「鷹ノ巣山」と、2017年記念の山である「雲取山」への挑戦だ。そして、この標高2017mの雲取山こそが、東京都の最高峰なのだ。

しかし、欲をかきすぎた結果なのか、結論から言ってしまうと今回の山旅は失敗談です。今回のこの鷹ノ巣山から雲取山へ至り鴨沢へ下りる日帰りルートは絶対にオススメできません。もう二度としません。次の酉年が来ても絶対に計画しません。というのも、日本百名山深田久弥さんも啓発している通り、ただでさえ雲取山は日帰りが厳しく、冬場に至っては日が暮れるのも早いため、終盤のバスが16時と18時にしかない公共交通を利用して挑む場合は時間的余裕がほとんどない山行となってしまうのです。

鷹ノ巣山雲取山 概要

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いつものように早朝の電車に揺られて目的地の奥多摩駅へ。前日の夜は一つの大きな挑戦への緊張なのか、なかなか寝付けなかった。しかし乗り換えが非常に多く、移動中に睡眠をとることはできない。オマケに12月の奥多摩ともなると、電車移動中に朝焼けを迎えるため、目がパッチリと覚めてしまう。朝焼けはイイものだ…

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奥多摩駅名物?ともいえる、駅に到着&ダッシュ。さすがにコミックマーケットの始発ダッシュには敵わないが、初見では圧倒されること間違いないだろう。奥多摩駅からはバス利用の登山がほとんどなので、そりゃ座りたいよね。俺も小走りで先頭組に仲間入りを果たした!

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奥多摩駅から雲取山へ行く場合は、駅向かいのバス停に並んで、登山口のある鴨沢ないし駅への着時間次第では手前の留浦(とずら)で降りるのが主だろう。

しかし、俺は東日原行きのバスに乗り込んで、まずは鷹ノ巣山を目指すのだ。この東日原行きのバスには、奥多摩で人気の山の一つ、川苔山へ向かう人が大勢乗り込むとのことで、確かに満席のバスの半分ほどが川乗橋で降りていった。

後で調べたら、来年3月末まで川乗橋から百尋の滝へ至る林道は落石のため通行止めみたいだけど…降りてった人たちはどうなったんだろ?

奥多摩三大急登の一つ、稲村岩尾根へ

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バスに揺られて30分程度、東日原に到着だ。ここにはトイレもあるので、ありがたく使わせてもらおう。今回計画した鷹ノ巣山から雲取山への道のりは非常に長く、使えるものは全部使う勢いで臨みたい。

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この時は机上の計算など全くアテにはならない厳しい現実が待っているとも知らずに、俺はいそいそと準備をしていた…

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平日であれば東日原より先へもバスで行けるとのことだが、休日は東日原が終点。中日原付近から、前方に巨大な岩山が見えてきた。これが稲村岩というやつか…!難所ではあるが岩に登れるらしく、そこからは絶景が見えるとのことだ。

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道中にあった「萬寿の水」なる場所。名水探訪もしている身としては、立ち止まらざるを得ない。奥多摩は水も豊富なので、水メインで訪れたい場所でもあるな。

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車道をしばらく進むと、左方の狭まった場所に道標が見えてきた。この道標と後方の稲村岩が登山口の目印だ。それよりも…何!?この辺りにも熊が出るとな!

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熊鈴を付けて準備はバッチリ。今日のオトモは10年の付き合いとなるネイビー。ネイビーも今回のルートが困難を極めることを理解しているのだろう、厳しい表情だ。

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登山道下の沢で何やら賑やかな声が。場所が場所なので、事故?!とも思ったが、笑い声だったので違うようだ。それより何を背負ってるのだろう?

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極細の登山道の先、巳の戸橋に到着。しっかりと作られた橋の上、油断した頃に不意打ちの揺れが来た。おわっ!?

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一呼吸するには早いが、紅葉と川の絵がきれいだ。紅葉の渓谷めぐりもしたいよなぁ。頭の中ではもう来年の紅葉時期のハイキング計画を練っている(笑)

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今回連れてきているたろうは一匹のため出し入れも楽。写真も多めです。しかし、ポケットにしまっているため若干縦に縮むネイビー。ただでさえ座高低いのに…

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橋より先、予告もなしにえげつねえ急登が始まります。稲村岩尾根は標高差1100mの急勾配で非常に厳しいコースとのことだけど、先は長い!落ち着いて~…と言い聞かせて登ろう。

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えげつねえ急登は続き、一気に山深いところまで。これ、真夏に登ったら汗の池ができるな…

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序盤は沢沿いを歩きます。晩秋のこの時季、僅かに残った紅葉と無限落ち葉の登山道となりますので、景色はきれいだが道が不明瞭という一長一短。フカフカしていて足に気持ちいいんですけどね。

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先月の秩父は土混じりのにおいがしたけども、奥多摩は水気が強い草木のにおいだと思う。水の豊かな森という証拠ですかね。

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ドバドバと流れる滝の前で一呼吸。ガツガツ登ってきてはいるけど、まだまだ先は長いのよね…

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実はいつ行こうか非常に迷っていた鷹ノ巣山。新緑やツツジの咲く春か、涼しくなる秋かと思っていたけど、こんな形で来ることになるとは。奥多摩ではかなり標高の高い部類にあるのでハイキング気分では痛い目を見るけど、しっかり準備した俺も痛い目を見たとはこれいかに。

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沢沿いを歩けるのもこの辺までで、これより先はひたすら登りが続きます。無限落ち葉に無限急登。しかしめげない、しょげない、泣いちゃだめ。いけいけ!ガry

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そうだ落ち着け…苔を撮って落ち着くんだ…ッ!この先にいかなる急登が待っていようと、『覚悟』があるから『幸福』なんだッ!と、プッチ神父ばりに気合を入れるが、その覚悟は通用するのか。

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じっくりと、しかし確実に登っていきます。途中では倒木も見えました。倒木って結構見かけるけど、実際に木が倒れる瞬間に出くわしたら…そら怖いだろうな。

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も、もう稲村岩尾根終わった?!と思える頃に、「稲村岩とのコル」に到達しました。山岳用語には謎めいたものが多く、コルってなんぞ?と思うのも当然。コルというのはつまり鞍部のことで、尾根上の谷間のことですね。

それよりも気になるのは、道標の左側、「稲村岩」が張り紙で隠されていること。冒頭で絶景の見える場所と紹介しましたが、張り紙の通り死亡事故が発生しているとのことで注意喚起されていました。立ち寄るつもりも時間もなかったので、俺はスルーします。

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この先が稲村岩です。絶景は気になるが、クライミングの技術もないし事故りたくないので行く予定はありません。俺が向かうのは、反対側の稲村岩尾根(石尾根縦走路)だ。

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んん~~?!稲村岩と見た目変わらなくない~~???なるほど、これは確かに急登だ。いや、ここいらはまだ序の口で、稲村岩尾根の急登というのはまた別の話だと気づくのはこの後だ。

急登の果て、雲を見下ろす鷹ノ巣山

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どの雑誌、どのブログの情報を見ても、この稲村岩尾根に苦難・辟易することは想像に難くない。だからこそ、急がず焦らずじっくりと進んでいくつもりではある。先ほどの鞍部からまだまだ余裕といった感じだが…?

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徐々に奥多摩三大急登の片鱗を見せ始める稲村岩尾根。ピークを目指して登って、また登ってをひたすら繰り返すという苦行。景色もさほど変化はなく、気持ちの切り替えは自分でするしかない。ちなみに、奥多摩三大急登の明確は定義はないが、この稲村岩尾根は必ず名前が挙がるとのこと。つまりそれほどに急登だということだ。ネイビーはキュートだ。

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それでも季節柄か、気持ちよく登ることができたと思う。今日も青空にいろはすで乾杯。外気によってキンキンに冷えたいろはすの美味さは筆舌に尽くしがたい。

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木々の間から遠望がきくのも冬の特権だ。手前が向かう鷹ノ巣山か?

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登りきった~!と思ったら、また登り。もちろん知っている。心に刻みつけるのだ、これは偽ピークだと。それが心を折られないための鉄則だと思って黙々と登り続ける。

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一体いくつの登りをこなしただろう?ネイビーの指し示す先は、また変わらない景色だろうか。いや…

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なるほど、左右で異なる木々の風景だ。しかしこのことに気がつくのは登っている時ではなく、終わって写真を見返している時というのがネックだ。登っている時は何しているかって?無我夢中さ!(;´Д`)

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段々と登り一辺倒ではなくなってきたのがわかる。フラットな道を足を休めながらあるき続けると、ドボルベルクの尻尾のようなコブが見えた。どうなったらこんなのできるんだろうか。

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根本からまた新たな草木が生えている、根っこごと倒れた巨木も印象的だった。そろそろ空腹信号が点滅しそうな頃合いだが、この先の鞍部まで間に合わせるように歩いていく。

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時には雲一つない真っ青な空を見つめ、きっとこの時季で正解だったのだろうと自分を鼓舞し続ける。そしてこの青空なら、鷹ノ巣山山頂からの約束された絶景を見ることができるという褒美を楽しみにして。

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登山口に入ってから2時間。ようやっと「ヒルメシクイノタワ」に到達です。これまた珍妙な名前でして…タワというのは鞍部のことで、つまりコルと同意義ですね。鞍部、コル、タワ、はたまた峠や乗越など、一体いくつ名前があるんだお前は!ウーパールーパーか!

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過去の情報を参考にすると、この「午飯喰(ヒルメシクイ)のタワ」という看板は新しく取り付けられたようだ。なるほど、昼メシクイタイワ~。

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ということで、ここで小休止。今回は疲労も多いことが予想されるので、甘みが強い食糧をたくさん持ってきた。この大福みたいなホイップあんぱんは本当に美味い。マックスバリュで売っているのでぜひ。

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ヒルメシクイノタワから見える景色は、奥多摩北部の天祖山や長沢背稜だろうか。その向こうに三峰があるんだろうと思うと、胸が躍る。いつか歩きたい場所だ。

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さて…鞍部ということは、つまり登り返しがあるということ。小持山から武甲山へ至る時も登り返したが、その時を思い出して一気に攻略してしまいたいところだ。

■思えば武甲山への道のりも長かった…

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ヒルメシクイノタワのからはあとちょっと…!という気持ちで登ってしまったためずいぶん長く感じたが、もう確信している。あの先だ、あの先が山頂なのだと。

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この時この瞬間を、俺は一生忘れないだろう。どこまでも続く急登の果て、眩しい陽光と透き通る青空、そして山頂標のシルエットが迎えてくれたこの景色を。

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一面に広がる雲海と山々、そして遠くにそびえる富士山。まさに鳥になった気分だ。

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東日原からスタートして10時20分。標高1736.6mの鷹ノ巣山に、ついに到達した瞬間であった。酉年に鳥にちなんだ鷹ノ巣山へ来られた達成感よりも、山頂からの絶景に言葉を失ってしまった。

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タイミングよく富士山もよく見ることができた。「登山って楽しいの?辛いだけじゃない?」という問いかけに対して、鷹ノ巣山こそその辛さ(急登)に耐えた者のみが得られる絶景を秘めた山なのかもしれない。まだ見ぬ山々にも同じことが言え、こうして山登りの楽しさに目覚めていくのだろう。

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鷹ノ巣山登山に難色を示していたネイビーも、山頂ではこの表情。あまりの眺望に言葉を失っているようだ。

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山頂に人は少なく、しばしの間この絶景を静かに堪能できた。あの立派な山頂標は最近できたものらしいな。昔から登っている人たちは、こうした山の変化も目のあたりにできて羨ましい。俺にとって劇的な山の変化といえば、高尾山がそれだ。

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富士山を眺める全身を青色でコーディネートしたグフのような男性。この方に追い越し追い越されて一緒に稲村岩尾根を一緒に登ってきた。正直、あのような単調な道での他の登山者というのは心強い味方に思える。ちなみに、俺は夏場は全身緑、冬場は赤いザクⅡのようなコーディネートになるので、やはり味方で間違いないかもしれない。

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鷹ノ巣山山頂で休憩中、しばらくすると富士山は隠れてしまった。タイミングというのは大事で、コースタイムを巻いてここまで頑張ってきた自分への格別のご褒美だったに違いない。

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こんなにも素敵な景色が見られる鷹ノ巣山を離れるのはもったいないが、目指すのは雲取山だ。ここまでのコースタイム次第では六ツ石山を経て奥多摩駅へ戻るコースに変更しようと思っていたが、目指す雲取山へ13時~半までにつけば何とか行けそうだ。

果てなき展望の稜線、石尾根縦走路

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鷹ノ巣山から雲取山へはこの石尾根縦走路を通っていく。石尾根縦走路は奥多摩駅から雲取山まで続いている縦走路で、鷹ノ巣山から先は非常に良好な展望の稜線歩きが堪能できた。

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さらば鷹ノ巣山、ありがとう奥多摩。できればもう稲村岩尾根は登りたくないが…(笑)

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石尾根縦走路へ入ると、これまでのキツい登りが嘘のような開放感溢れる稜線歩きが待っていた。これは気持ちがいい。去年の小金沢連嶺のようだ。

■去年の小金沢山からハマイバ丸までの記事です。

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目指す先が見える。あんな遠くに…と絶望するもよし、ワクワクするもよし。頑張るしかないんだぁぁぁ!!!(錯乱)

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石尾根ではトレランする人や、雲取山方面から向かってくる人も多く見えました。この時間に雲取山方面から来るということは、山荘で一泊した人でしょうか。いいなぁ。

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ああ、なんて気持ちがいいんだろう石尾根。片側に富士山と山々。もう片側に奥武蔵の山々と、このコースを選んで本当によかった。

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しばらく歩いていくと、開けた休憩所に到着した。それよりも、こんなところまでマウンテンバイクで!?すげえなあ。

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ここは鷹ノ巣山避難小屋。近くに水場とトイレもあり、休憩にはもってこいですね。鷹ノ巣山で体力を回復した俺は、先へ進みます。これなら石尾根でだいぶ巻けそうだ。

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と思ったのも束の間、徐々にしつこい登りが牙を剥いてきました。さすがに雲取山までの道のりは甘くはないか。

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しかしこの展望が俺に力をくれる。スタミナは確実に減っていても、気力だけはどんどん上がっていきます。富士山、俺に力を分けてくれーー!!

 

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眼下には奥多摩湖も見えてきた。奥多摩湖も紅葉の名所で、いつか御前山辺りからその紅葉風景を見てみたい場所である。

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これはマルバダケブキでしょうか。遠方の雲海とセットで絵になりますねぇ。

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草木の眠る冬の山ですが、この寂しげな様子が遠くまで青さが突き抜ける冬空によく合います。雪山に登ることはできないけど、冬の楽しみ方はまだまだありそう。

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黙々と石尾根を歩いてしばらく。フラットな道が続くなぁと思ったら結構なアップダウンがあって正直疲労も溜まっています。ネイビー教えてくれ、俺はあとどれだけ歩けばいい?

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背中で語るネイビーは何も教えてくれません。そうか、先に進めばいいんだな?

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正直この日が曇天で、景色も何も見えなかったら俺は石尾根へは来なかっただろう。いい景色を見るためには、それなりの苦労をしなければならない。そう、等価交換だ。

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木々の連なりと青空、歩いている時は気持ちいいなぁ~なんて思っていたけど、こうして書き起こしてみると道中長えなぁ(笑)

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この辺りのピーク、日陰名栗山という場所だと思うんですけど…特に山頂標とかは見当たりませんでした。日陰と冠していますが日向ですね。

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さあ!また下るぞ~~!!(下るなァァァァァ!!!!)

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稜線がこう幾重にも交差して、遠くに見える大きな稜線は大菩薩嶺でしょうか。たまらない風景です。おや…右奥に見えるのは…

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あ、アルプス…!!!今はまだ遠い、遠い存在の山たち。いつか。

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先ほどからパラパラと何か降ってきているのが気になっていましたが、なるほど霧氷か。おいおい…霧氷はいいけど、道中凍ったりしてないだろうな?積雪・凍結情報はなかったはずだけど…

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思わず呆然としてしまったこの急登。アンビリーバブルや…奥多摩三大急登にもう一つこの急登を加えてください。頼むッ!登りきった後に振り返ると、いやもう崖だろこれ…

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急登の先、高丸山へ辿り着きました。稲村岩から雲取山までの道中で、ちょうど半分くらいの位置になるのかな。絶望した瞬間であった。

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何にせよ、七ッ石山まで行ってみないことには行くも帰るもできないから、そこまでのコースタイム次第ですな。斜めに傾く山頂標と、これまでの疲労にくたびれるネイビー。ちなみに、この高丸山付近でも熊の出没情報があったらしく、緊張の道中でした。

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高丸山より先の極細の稜線。これまでの疲労でクラッときたら一巻の終わり…集中力を途切れさせるわけにはいかない。

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よし…フラットな道だ。ここは軽快に行くしかな…んッ!?

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黒い影?!熊…!!!?と思ったら、トレランの人でした。びびったーーー!!!

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それにしても…なあ、これって暗雲っていうんじゃないですか?不吉…まさか雲取山へ行くなという警告か?こんなに曇りなら引き返したほうがいいか…?

七ツ石山と、雲取山へ至る賑わいのブナ坂

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なんだかしばらくぶりに道標を見ました。石尾根縦走路もいよいよ終盤、これより先は七ツ石山と、雲取山へと続く賑わいの道を通っていきます。この辺りから段々と人とのすれ違いも多くなってきました。

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ところで七ツ石山とは変わった名前ですね。こんな感じの大きな岩が七つあるとか?せっかくだから数えておこう。1、2…

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案内板を読んでいる時間が惜しいので、撮って帰ってじっくりと。歴史を繋ぐ山旅なんてのもいいかもしれませんねぇ。

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ありゃ、この七つの巨石が七ツ石山の由来のようでした。

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すっかり曇り空となってしまいましたが、待望の七ツ石山に到達です。開けた山頂なので、休憩にも適していますね。六ツ石山にも巨石が六つあるのだろうか…?

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鷹ノ巣山で見た山頂標と同じく新しいタイプ。素朴な山頂標も味があっていいですが、立派な山頂標だと到達した時の達成感もより強い。

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あのハゲた部分に多くの登山者が見えます。というか…すんげえ下るんですねえ(白目)。

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七ツ石山からの尋常じゃない下り。これを帰り道で絶対に歩きたくない!という方に朗報です。ここいら辺は巻道が多くあるので、帰りはそちらへ。

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四方向へと続く交差路がブナ坂の始まりです。左側に展望が広がり、情報誌などでもよく見る場所ですね。

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やっぱり雲取山メインの鴨沢ルートからの続きとあって、一気に登山者が増えました。テントを背負った重装備の人や、軽装の人は小屋泊でしょうか。2017年記念の山とあって登山者は急増し賑わう一方で、決して簡単な山ではないため注意喚起の声も多く聞こえます。

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もし俺がまた雲取山へ行くなら、三峯神社から雲取山を目指し山頂で一泊し、石尾根縦走路で奥多摩へ下りる…なんてルートを計画します。雲取山をしっかりと堪能したいのなら、どこかで一泊するのが最適解なのかもしれません。

テン泊さんが撮っている向こう、雲取山から西に伸びる秩父縦走路も魅力的ですが、こちらも何泊かが必須の縦走路となっています。いつか…いつか…(´;ω;`)

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ブナ坂の名物となっているこちらの変な木は「ダンシングツリー」と呼ばれているようです。確かにくねくねと踊っているように見えますね(笑)

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開けた場所に出ると、ここはヘリポートのようです。これより先は幕営地となり、早くもいくつかのテントが見えました。

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カラフルなテントの連なりと多くの登山者が行き交うのを見ると、先ほどまでの静かな登山道が嘘のように思えます。いいなぁ、テント泊。

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テン場の先に奥多摩小屋が見えてきました。付近には水場もあるみたい。カメラに表示された時間を見てみると、ここまでで12時2分!?これは早いぞ、めちゃくちゃ稼げたじゃんか!

あの雲を目指して、東京都最高峰の雲取山

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ブナ坂や奥多摩小屋を見送って、もうそろそろ雲取山かな?というにはちと気が早い。もうちょっとだけ登るんじゃ!何箇所かピーク回避の巻道がありますが、やる気のスラ男、巻かずに参る。

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巻いときゃよかったぁぁぁ~~~!!しかしここまで稼げたコースタイムが俺を支えてくれる。足取りはどっしりとしているが、気持ち軽め。

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この急坂を振り返ると、これまでの稜線を点々とテントが彩ります。雲がなければよりいい眺めなのだろうが…まさか雲取山で雲に乗っ取られるとは。「雲乗取山」か?

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このピークが「小雲取山」かと思ったけど、違うみたい。小雲取山はもう少し先のわかりにくいところにあるようです。どうりで小雲取から雲取まで長く感じたわけだ。

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ここで後ろを歩くグループで手練感のある男性が「ここを登れば雲取までちょっとだよ」と嬉しい一言。しかし、「ちょっと」というのは人によって大きく異なる表現です。ましてや、歩き慣れた人とそうでない人の「ちょっと」は全然違いますよね…どちらかというと、ちょっとじゃないれす…(;´Д`)ゲッソリ

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登れど登れど続く坂道。おいやめろ、これは稲村岩尾根で懲りている。この後帰ることを思うと、口を酸っぱくして言うけどやはり一泊が望ましい。

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向かう先、雲は流れ青空と山頂にある小屋が見えている。やった!やった!だが目の錯覚だろうか?まだ登るんですね…(´;ω;`)

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秩父方面も雲は流れ、まるでこの日の挑戦者たちを歓迎しているかのようなムード。そう思えた。ここで時計を確認するまでは…

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雲取山避難小屋付近、時刻、13時37分

…ん?おかしくないか?奥多摩小屋で12時だったのに???俺は全身から氷のような冷たい汗が流れるのを感じた。まずい。嘘だろ?12時…02分……あ。

 

12.02.って…今日の日付だ…

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カメラをチラ見しての確認だったからか、集中力の途切れか、いずれにせよ俺は時間の確認ミスにより大きくコースタイムを修正しなければならなくなった。とにかく、一旦体力を回復させなければならないため、雲取山山頂に到達する。大きな達成感はあるものの、胸中は穏やかではない。

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雲取山の山頂は確かに東京都最高峰ではあるが、埼玉県、山梨県との県境にあり、この山梨百名山の山頂標があるのが山梨県側の山頂となる。ここで甘いものとおにぎりを食べて休憩だ。

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あの果てしないとさえ思った稜線を歩いてきたんだ。往路では何箇所かあった登りも、復路では下りと巻道を利用すればいくらかコースタイムを稼げるはず…18時のバスでいいやというのは危険だ。

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ご飯を食べながら辺りを見回すと、例のきれいな山頂標と2017年記念の山頂標が見当たらない。なるほど、左方に伸びる道の先が、東京都最高地点のようだ。

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こんな時間でも絶えず登山者たちは山頂へやってくる。みんないるから大丈夫なのだろうと惑わされてはダメだ。テン泊、小屋泊、あるいはマイカー登山者たちに違いない。他の人のペースが参考にならないのも不安要素につながる。

しかし、もう覚悟を決めた。コースタイムが何であろうと、16時のバスに間に合わせるには2時間で鴨沢まで下山するしかないのだ。どこかで鴨沢ルートは距離が長くコースタイムを巻くのはやはり難しいなんて書いてあったのを見たっけな。それでも!とバナージのごとく諦めずに頑張るしかない。

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東京側の山頂はご覧の賑わいだ。予想ではもっと大混雑かと思ったけど、ちょうどいい具合でした。12月2日を選んだのは「秩父夜祭」の開催日のため、人が多少なりバラけるかもという狙いもあったんだ。

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これがウワサの2017年記念の山頂標か。とりあえず、ここまで来られて本当によかった。

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雲を取る山と読んで字のごとくの雲取山。東京都最高峰から見上げた空は、本当に雲に届くような景色だったなぁ。心に刻みます。

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ところでこの雲取山には変わった歴史的価値のある物があるそうで。それがこちらの「原三角点」(原三角測点)である。いつも見る三角点よりも、どっしりとした形で、まさに雲取山という奥多摩のボス的存在に相応しい。

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あの記念山頂標の先に富士山も見えるため、周囲に撮影目的の人が途切れることはなさそうだ。雲が多いのもいいが、もっと雄大に見える時も見てみたいものだ。

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さあ、短い間ではあったが、さらば雲取山。ありがとう奥多摩

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山梨側の山頂を見送り、トレランモードに気持ちを切り替えていく。もはや普通に歩いたならほぼほぼ間に合わないため、危険の少ない箇所で走っていくしかないのだ。

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テン場もだいぶ賑やかになってきた。往路で追い越した何人かとすれ違い、徐々に加速していく。この辺りは道幅も広いため稼ぎどころ。俺は早い、俺は稲妻、俺は…ライトニング・マックィーンだ!

…最近「カーズ/クロスロード」を家で見ています。あのシリーズは本当に丁寧にストーリーやキャラクターが作られていて、本当に面白い作品だと思います。

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雲取山からブナ坂までの区間を20分ほど巻けたため、希望が見え始めた。この先の鴨沢ルートが単調な道というのが返って助かった。ただ下ることだけに集中できるからだ。

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止まるんじゃねえぞ…

スラ男ォ!何やってんだよ…!?

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復路はひたすら巻道を歩き、足を止めることなく進み続ける。

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行きたかった七ツ石小屋も巻いて、いよいよ鴨沢の登り尾根へと入っていく。時季柄だろうか、本当に単調な道だなぁ。花でもあれば景色に変化がつくのだろうが、これを登りで延々とは辛いだろうな。あ、でも稲村岩尾根のがヤバイっすね。

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駆け下りた先、堂所とよばれる場所に着いた。15時10分。タイムリミットまではあと50分。標準コースタイムは一時間半…!界王拳3倍ッ!!

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スギの樹林帯に入ると道が急に暗くなってしまい、石尾根の暗雲を思い出した。だが止まるわけにはいかない。俺が進む先に…鴨沢バス停はあるぞォッ!

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15時50分、記念看板のある鴨沢登山口にたどり着いた。間に…合った??いや、まだ油断ならない。ここからバス停まで標準20分を巻かなきゃアウトだ。

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俺は止まらねえからよ…!

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ここんとこの山旅では、キツいと思う場面ではオルガの言葉を胸に刻みながら歩いています。良くも悪くもインターネットミームを起こし、あわや流行語か?とさえ思われた団長のありがたいお言葉だ。ちなみに俺は「鉄血のオルフェンズ」は最近のガンダムではかなり面白かった作品だと思っている。ツッコミどころは多いが。

さて、登山者用の駐車場に出れば、後は脇にある鴨沢近道という山道を進んでいけばバス停だ。

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こちらも単調な山道なので、巻いて巻いて突き進む。

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晩秋の奥多摩…次来た時は、今とは違う景色に見えるだろうか。

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山道を出たら車道沿いにバス停へと下っていく。

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何とか無事にバス停にたどり着くことができたが、こんなボロボロの体では到底今回の山旅は成功とはいえない。楽しくもあるが危険も伴う山登りにあって、これではいけない。すでに多くの登山者が並ぶ鴨沢でバスに乗り込み、奥多摩湖を眺めながら今回の山旅を振り返る。

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酉年と2017年記念の山旅」というテーマだった今回の山旅。個々のシーンを切り取れば、厳しい急登ではあるが大展望の鷹ノ巣山と石尾根、そして達成感溢れる雲取山と非常に素晴らしい景色の連続でした。しかし、それら全てをつなげて下山して帰るまでが山旅だと思っていますので、その点では日帰り計画として大失敗。苦い思い出となりました。

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帰りは「ホリデー快速おくたま」で新宿まで早いもんです。

また天気の良い日に鷹ノ巣山へ、そして縦走をするなら一泊プランで雲取山へそれぞれ行ってみたいです。今回は不十分な計画のため痛い目を見ましたが、また来年に向けて、しっかりと計画を練って今後も色んなところに行きたいですね。

2017年の山として注目を浴びる雲取山。まだまだ年末に向けて駆け込み需要があるようですが、くれぐれも無茶な計画では臨まないほうがいいですよ!ということを、体験談からご報告させていただきます。

 

コースタイム

2017年12月2日(土)晴 ※下山は駆け足のため参考外です

東日原バス停(7:50)⇨稲村岩とのコル(8:40)⇨ヒルメシクイノタワ(9:55)⇨鷹ノ巣山(10:20)⇨鷹ノ巣山避難小屋(10:45)⇨高丸山(11:35)⇨七ツ石山⇨(12:20)⇨奥多摩小屋(12:50)⇨雲取山(13:35)⇨※これより駆け足⇨ブナ坂 (14:20)⇨堂所(15:00)⇨鴨沢登山口(15:45)⇨鴨沢バス停(16:00)