
深く沈むような青さの空、空気の透き通った12月だからこそおすすめの低山といえば、皆様はどの山を推しますか?
ぼくは、人気の名山・高尾山の奥の奥にそびえ立つ、陣馬山(じんばさん)に一票。独りでも、グループでも、ファミリーでも楽しめる懐の深い山です。
天を仰ぐ白馬の山で、温か冬グルメ。
どうも、スラ男です。
今回は、東京都八王子市と神奈川県相模原市にまたがる陣馬山を親子ハイキングしてきたときのお話です。

どの季節に行っても楽しい陣馬高尾ですが、冬の魅力は冒頭でも述べたように澄んだ空気の展望、冠雪した富士山、温まるおでんやなめこ汁などのグルメも良いですよね。
そして、この時季限定のイベントは、“氷の花”と呼ばれるシモバシラが見られること!
■陣馬山(2024年12月15日)
和田峠から陣馬山、氷の花シモバシラを見つけよう

陣馬山への登山ルートは高尾山から縦走する以外にも複数あり、公共交通機関利用であれば高尾駅発のバスで陣馬高原下バス停からか、藤野駅側に登山口があります。
―実はこの日の先週、親子で高尾駅からバスで陣馬山へ向かったのですが、そのときはバスの揺れで娘スラりんが体調を崩してしまい、登山を断念した経緯があります。
なので翌週、今度こそはと意気込んでマイカー(のんびり運転)で和田峠までやってきました。娘も今度は快適だったようです。良かった。

茶屋と駐車場がある和田峠は、実は陣馬山まで最短でアプローチが可能な立地にあります。そのぶん階段も多いので子どもたちが青ざめてあると思ったら、違う?寒い?…確かに!

山の北側にある和田峠はほとんど日光が当たらず、寒い寒い。震えながらスタートして、さっそく息子スラ坊がいい感じの棒を発見。
いいなぁという娘をおちょくるお兄ちゃん、おいケンカすんなし(笑)。

階段を登り詰めると、落葉して明るい陽だまりの尾根に出ました。これこれ、この気持ち良さが冬の低山の醍醐味です。「暑くない?(; ・`д・´)」とスラ坊はいつも忙しい。
あれ、キミさっきの棒はどこやったん?

木立の隙間から町が見えたり。人気の陣馬山ですが、こちらのルートは人通りが全くなく、穴場なのでしょうか?

しばらく歩いていると、スラ坊が「だれだよこんなとこにティッシュ捨てたの!」と憤慨。あ、本当だ。ひでーなこりゃ…ん?
ティッシュ…? 12月…? 北側斜面…?
白い紙のようなもの……? ものすごい寒さ…
は!!!

シモバシラだ!!!
スラ坊!これシモバシラだよ!!

あれか!と目を輝かせるスラ坊。自然大好きっ子なので、事前にシモバシラのことを教えてあげてたのですが、肝心のぼくが忘れてました(笑)。
それはわかったけど、シモバシラっていったい何なのさ?という話ですよね。シモバシラはシソ科の植物で、花の見ごろは夏から秋にかけて。そのあとで、枯れた茎と根は地中の水分を吸いあげて越冬するのですが、氷点下まで冷え込むと茎に入り込んだ水分が茎の表面で氷結してしまいます。それを繰り返しぐんぐん氷がのびて氷の花ができる仕組みだそうです。

こちらは一般的なシモバシラ(霜柱)。冬キャンプにいったとき、これでもかというくらい踏み歩いてたやつですな。プチプチをぷちぷちするのと似たような魅力があるんですよ。霜柱。

「きれーい(*‘ω‘ *)」と娘のスラりんも興味津々。すれ違ったおじいちゃんとシモバシラの話で盛り上がりました。スラ坊がまたおしゃべりだから話がボヨンボヨン。

神秘的なシモバシラをたっぷり観察したあとは、ていねいに取り付けられた木製階段をトントンと登っていきます。だんだん空が近くなってきたということは~?は~?

陣馬山山頂に到着!!
早ぁっ!!?
え?え?和田峠から正味30分で山頂まで着いちゃいました。これには登山歴7年のスラ坊も「え?もう着いたの???」と目を丸くしていました。


陣馬山の山頂は別名「陣馬高原」といわれるほどに草原が広がっており、360度の山並みを見渡せる眺望自慢の山です。冬であれば真っ白な富士山も見事。

しかし、陣馬山といえばやはりあまりにもシンボリックな白馬像でしょう。いななくウマを表現したという像で、陣馬山の人気にひと役買っています。
この天を衝くような白馬を奥高尾を縦走した子どもたちに見せたい…!という意地ともいえるプランがあったのですが、まあ出会えるタイミングで出会ったほうがいいです。何ごともチャンスは活かせということですね。

山頂で記念写真を撮ったり撮られたり。全方位フォトジェニックなので、ここまでたどり着いた人たちは表情が活き活きしていますね。子どもたちは~…お腹を空かせている!?
富士山を眺めながらホッとグルメを

さて、陣馬山山頂にはお茶屋さんがいくつかあります。しかし、緑のテラス席が特徴的だった富士見茶屋さんは惜しまれながらも2020年に閉業されたそう。
東洋経済オンラインに掲載された信玄茶屋さんのインタビュー記事を見てみると、かつては8軒も茶屋が乱立したこともあったんですって!ですが、度重なる苦難や後継問題を乗り越えて残ったのは今は信玄茶屋さんと清水茶屋さんの2軒のみ。
あまりにも難しい問題です…小仏城山や高尾山でさえ、茶屋の閉業をちらほら見かけます。ぼくたちハイカーにできるのは、たくさん登って利用して、その魅力を伝え続けること、でしょうか。

白馬像を目の前に、富士山を望む好立地にあった富士見茶屋さん。2020年に訪ねたときは営業されていました。え、てことは陣馬山に来るの約5年ぶりなのか…高尾山は毎年来てるんですけどね。
■2020年訪問、陣馬山

やや、しっとりと感傷に浸っているのもいいですけど、お腹ぺこぺこです。まずは清水茶屋さんで冬といえば!のグルメをば。

おでんしか勝たん。
おでんっすよ、冬は。「まちがいない(´・ω・`)」とグルメハンター・スラ坊も力強くうなづいています。地元・藤野の名産である柚子をつかったゆず坊サイダーも添えて、いただきます!

美味しさ3776m~~~!!!とでもいいましょうか、寒空の下、富士山を眺めながらいただくおでんの美味しさたるや。
スラりんはおでんをちびちびつまみ、スラ坊はゆず坊を豪快にグビグビ飲んで「プハー!」してます。それお酒じゃないよな…?

続いてこちら、野菜などの具がたっぷり入ったけんちん汁、そして陣馬高尾といえばのなめこ汁も。これが…超うまい。先週悔しい思いをした娘がめっちゃうれしそうでさ、お父さん泣くよ。


信玄茶屋さんにもお邪魔します。こちらでは柚子をトッピングしたみそ田楽、そしてコーヒーを。そういえば山頂でコーヒー飲むのって初めてかも…?

最高かよ…
みそ田楽がまぁた美味しいんだ。この茶屋ハシゴ体験、良いですね。最高。

お腹もいっぱいになったら、陣馬高原をほかの人の迷惑にならないように散策したり走ってみたり。寝っ転がると空が青いんだぁ。いいねえと息子も一緒にごろん。
最高だよ……
「みて~」と戻ってきたスラりんは、枯草だらけになっていました。
ほんと最高だよ…

山頂時間を存分に味わって、そろそろ下山しましょうか。というところで、娘が「まだ遊んでたい」と!!?そんなこといわれたの初めてです。よほど陣馬山が楽しかったのかな?うれしい……

もう少しだけ追加で遊んで、それじゃあ今度こそ下山しましょうか。来た道をピストンで戻り、和田峠を目指します。そういえばシモバシラはどうなってるだろう?溶けちゃったかな?


お、まだまだありました。「お父さん、ティッシュ」とスラ坊がニヤリ。そうね、ティッシュね(笑)。


ひとつとして同じ形はない氷の花・シモバシラ。以前の冬に高尾山を歩いたときはひとつも見られなかったので、まさかこんな形で出会えるとは。子どもたちに感謝です。

あっという間に和田峠に戻り、身支度を整えて帰途に着きました。「これから帰るよ~」と時刻はまだお昼過ぎ。この時間なら帰りの渋滞名所・小仏トンネルもスイスイです。子どももまだ余力たっぷりですが、たまにはこんな感じのライトハイクもいいんじゃない?
陣馬山の親子ハイキング、終わりに

奥高尾エリアのラスボス的な雰囲気を醸し出す陣馬山ですが、ルートを変えてお散歩ハイキング的にアプローチするとこんなにも手軽に楽しむことができるなんて。
歩行時間を短くして、その代わりに山頂時間に全振りするという采配が功を奏し、子どもたちが「絶対また来たい」といってくれるハイキングになりました。ごめん、お父さんまた泣くわ。
次はどの山に行こうかな。