お寒うございます。季節は冬になり、ガッツリ登る方は待ちに待った雪山シーズンですが、しばしの間、登山はお休みという方も多いのではないでしょうか?
実は冬は低山の歩きやすいシーズンでもあります。寒さに負けず山を歩いて、山麓で湯けむりを立ちのぼらせる温泉をお目当てにすれば最高の山旅になること間違いなし!
今回は、冬の低山×温泉と題して、おすすめのスポットをご紹介します。
どうも、スラ男です。
冬の温泉、たまりませんよね~!!冷たい空気の低山の中を歩いて、展望や歴史にどっぷりと浸った後は、ゆったりと温泉に浸かり心身を癒やしたいものです。
今回のまとめでは高尾山や筑波山など王道の温泉ハイクスポットではなく、ちょっとの移動や縦走を組み合わせて、ようやく辿り着いた感のあるコースをピックアップしました。関東圏のみとなりますが、おすすめの低山×温泉ハイキングをご紹介します。
■冬の低山×温泉まとめ
- 【東京】冬の奥多摩と秘湯 浅間嶺×蛇の湯温泉
- 【東京】絶景低山と梅まつり 赤ぼっこ×河辺温泉
- 【東京・神奈川】富士山と白馬の絶景 陣馬山×陣谷温泉
- 【埼玉】大展望と秩父古湯 丸山×新木鉱泉
- 【埼玉】山岳信仰と百名山を偲ぶ 秩父御岳山×大滝温泉
- 【埼玉】セツブンソウと鎖場を愛でる 四阿屋山×両神温泉
- 【山梨】秀麗富嶽と静寂の縦走 秋山山稜×秋山温泉
【東京】冬の奥多摩と秘湯 浅間嶺×蛇の湯温泉
東京都西部、檜原村にある標高903mの浅間嶺(せんげんれい)は、山頂近くの展望台から富士山と奥多摩方面の山々が広がる豊かな展望の山です。ハイキングコースはレベルに合わせ様々あり、道中にあるかつての交易路や山村集落を歩いて歴史を偲ぶこともできます。
麓には東京都が誇る名瀑・払沢の滝もあり、厳冬期であれば滝が氷結する「氷瀑」も期待できます。また、古民家を改装したカフェなどもあるのが嬉しい限りです。
さて、浅間嶺の下山後にはバスとの接続が便利な数馬の湯がメジャースポットですが、今回はもう少し歩いて「蛇の湯温泉 たから荘」へ。歴史を感じる茅葺き屋根の佇まいが印象的で、それこそ降雪後には日本昔ばなしのような風景に。
東京の秘境で秘湯に浸かり、しばし時間の流れを忘れてみては。あ、帰りのバスの時間は忘れないで(笑)。
■参考コース
【東京】絶景低山と梅まつり 赤ぼっこ×河辺温泉
山頂にぽつんと立派なヒノキが立つこの山の名前は、赤ぼっこ。標高409mながら、伐採された山頂からは驚きの展望が広がる隠れた名低山です。その不思議な山名は関東大震災にちなむものであり、いずれにせよ一度唱えたら忘れられない名前です。
この地域らしいスギやヒノキの植林されたハイキングコースはやや単調に思えますが、道中にはまっくろくろすけを模したオブジェが点々とありにぎやか。
最近のレポートを見ていると、まっくろくろすけが少なくなっているように思えますが、地元の方々の作品なのでしょうか。
赤ぼっこの麓にある梅の公園は、かつては吉野梅郷として名所となっていましたが、木の病気により全てが伐採されます。その後また植栽され、復活に向けて再発進しました。
そんな梅の名所とかけまして、下山後は青梅線沿線にある駅チカ温泉の「河辺温泉 梅の湯」へ。露天の種類も豊富ですが、源泉掛け流しの内湯がイチオシ。トロトロのアルカリ性温泉が冬の空気で冷えた体を芯から温めます。
■参考コース
【東京・神奈川】富士山と白馬の絶景 陣馬山×陣谷温泉
高尾山から続く、いわゆる奥高尾縦走路。その最奥に待ち構えるのが白馬の立つ陣馬山(じんばさん)。標高855mの山頂は広々とした高原のようで、澄んだ空気の冬には360度のパノラマが広がります。
山頂には三つの茶屋があり、それぞれ魅力的な山ごはんを楽しむことができます。展望を眺めながらアツアツのおでん、具だくさんのけんちん汁。奥高尾縦走路にある各茶屋のなめこ汁を食べ比べるのも面白いでしょう。
陣馬山から高尾山に下る場合は高尾山温泉がマストですが、陣馬山の麓にも「陣谷温泉」があります。賑やかで派手な高尾山温泉に比べるとこじんまりしていますが、その分秘湯っぽさはばっちり。大きな窓に映し出された自然と、ヒノキの香りが心地よい温泉は格別です。
■参考コース
【埼玉】大展望と秩父古湯 丸山×新木鉱泉
埼玉県奥武蔵エリアからは、山頂の大展望が好ましい丸山(まるやま)をピックアップ。起点となる芦ヶ久保駅のすぐ近くには道の駅もあり、駅からハイキングが楽しめるのもこの山の魅力です。途中の大野峠にはパラグライダー発着場があり、ここも展望がすごい!
山頂に造られた展望台からは、秩父の盟主である武甲山や百名山の両神山など、奥武蔵・秩父地域の名だたる山が見渡せます。奥武蔵に通い詰めた後で見るこの景色は感慨もひとしお。なんたって武甲山が格好よすぎます!
丸山から秩父札所である金昌寺まで巡礼の古道を辿って下山し、「秩父七湯」といわれる古湯「御代の湯 新木鉱泉」へ。江戸時代に選定されたという七つの湯も、現存するお湯は半分を切っています。広々とした内湯にゆったりと浸かりながら、歴史の湯を肌に馴染ませました。
■参考コース
【埼玉】山岳信仰と百名山を偲ぶ 秩父御岳山×大滝温泉
秩父鉄道三峰口駅からアプローチが可能な秩父御岳山(ちちぶおんたけさん)は、木曽御嶽山の王滝口を開山した普寛上人にゆかりのある山です。標高1080mの頂きからは奥秩父の山並みがよく見渡せます。
特に両神山の眺めは素晴らしく、この特異な姿を見ると多くの畏れを集めたのも納得します。まさに埼玉を代表する日本百名山といえましょう。
そうそう、秩父御岳山に隣接する猪狩山には狼信仰にまつわる習俗が残っており、その歴史を訪ねるのも面白いですよ。
下山は岩稜地帯のアスレチックコースを歩いて「大滝温泉 遊湯館」へ。道の駅でもあるこの施設では温泉のほかに資料館や食事処なども充実しており、三峯エリアの観光拠点にもなっています。
温泉はフロアで分かれており、上の階は大きな窓から荒川を眺めながらのびのびと寛げます。下の階は岩風呂風の半露天になっており、冬のシンとした空気が鼻を通り抜けます。あ、ご当地グルメの中津川いもも忘れずに。美味しいですよ。
■参考コース
【埼玉】セツブンソウと鎖場を愛でる 四阿屋山×両神温泉
埼玉県西部、小鹿野町にある四阿屋山(あずまやさん)は花の低山として有名です。フクジュソウやロウバイ、紅白梅といった早春の花々が共演し、中でも麓の堂上(どうじょう)のセツブンソウ自生地は日本最大級の規模を誇ります。
そんな花咲き山だからのんびりと楽しめるかと思いきや、向かった登山道は鎖場岩場のフィジカルトレイル。もちろん迂回ルートもありますのでご安心を。ただ、岩場の多い秩父地域の山を肌で感じるには、この岩場もまた味わい深いものです。
たくさんの花を愛でて下山した先には、またまた道の駅に併設された温泉「両神温泉 薬師の湯」が。2024年3月にリニューアルされたとのことですが、窓が大きく日当たりのよい内湯にじっくりと浸かっていたことを思い出します。
食堂でいただける名水・毘沙門水を使ったかき氷「毘沙門氷」もいつか食べてみたいですねえ。お帰りは複数のバスが出ていますので、乗り込むバスを間違えないように。
■参考コース
【山梨】秀麗富嶽と静寂の縦走 秋山山稜×秋山温泉
山梨県からは中央線沿線に横たわる秋山山稜を。大月市が定めた富士山の展望に秀でた「秀麗富嶽十二景」というエリアを含んだこの地域は、抜きんでた派手さはないものの、味わい深い旅情を感じる山々が隠れています。
冬のよく晴れた日に富士山が見たいと思い、高畑山(たかはたやま)と倉岳山(くらたけやま)を目指します。
どちらの山の山頂からもきれいな富士山が望めました。それだけでなく、峠道に残る伝説や民話、かつてここで暮らしていたという仙人の話なども織り交ぜながら歩くトレイルは、どこか物寂しくも陽だまりが気持ちいい。
上記のふた山だけでは温泉に辿り着くことはできないので、秋山山稜を縦走し、集落の先にある「新湯治場 秋山温泉」でゴール。ここまで決して楽な道のりではないけれど、温泉に浸かってとろけるように疲れが消えていくのを思うと、ここまで歩いてきた甲斐はありました。
後ですね、こちらの食事処のビール&おつまみセットがこれまた美味しい!!湯上がりのビール!これがしたいから温泉ハイクをするという方にぜひおすすめです。ほろ酔いでもご安心、毎週火~土曜限定で駅まで送迎バスが出ているんです。日曜ハイカーの方は…すみません。
■参考コース
ということで、寒くなってきたので低山ハイキングと温泉を絡めた山々のご紹介でした。温泉は日本が誇る文化ですから、登山やハイキングと合わせていつまでも大切にしていきたいものです。
駅チカ温泉+お手軽ハイキングという題や、夏こそ温泉!汗だくハイキングという題でもまたご紹介できそうなので、季節を変えてまた。