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なまけたろうと登山ブログ

【奥多摩】浅間嶺 凍てつく払沢の滝と雪の浅間尾根

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2月になって、早いところでは河津桜などが開花したと春の報せもあります。一方でまだまだ寒い日が続きます。そんな厳冬期のアクティビティとして、各地の雪山が賑いを見せています。

さて、今回はそんな厳冬期の山旅へ!いわゆる雪山初心者向けといわれる場所ではなく、凍結した滝、氷瀑を求めて奥多摩へ行った時のお話です。

 

 

どうも、スラ男です。

 

1月下旬に東京でも降雪があり、最強寒波の影響で都心部は-4℃を記録しました。これは実に48年ぶりの冷え込みだったそうです。そんな中、冷え込んだのは何も気温だけじゃありません。東京の西端にある檜原村が誇る払沢の滝(ほっさわのたき)もまた、この寒波の影響で完全結氷に注目されていました。

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ぼくも毎日払沢の滝のブログを確認して結氷状況を追っていました。もし今年に完全結氷となれば、平成18年1月11日以来の12年ぶり。これは…行くしかない!

 

■浅間嶺(2018年1月27日) 目次

 

都心から一時間の大自然、氷の滝を見に行こう

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午前6時45分。降り立った駅のホームから見る朝焼けというのは、冬の山旅の楽しみの一つだと思います。

降雪直後とあって交通機関の乱れが心配でしたが、電車もバスも時間通りの運行で助かりました。

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朝日よりも早起きして向かった先は、東京都あきる野市にある武蔵五日市駅。変わった駅名なので、一度見ればなかなか忘れなさそう。

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駅構内は木の温もりに包まれており、東京の木から生まれたブランド木材「多摩産材(たまさんざい)」を活用して作られたこの空間にいれば気分は最高潮。まだ電車を降りただけなのに(笑)

そうそう、高尾山付近の国道のガードレールに使われているのも多摩産材らしいですよ。

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武蔵五日市駅は、都心からわずか一時間で大自然に出会える秋川渓谷の玄関口となっています。

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さて、数馬行きの始発バスに乗って、目的地である払沢の滝入口へ到着です。車窓から覗いた秋川渓谷はすっかりと雪化粧しており、渓谷に架かる石舟橋も一層フォトジェニックな様相でした。

このエリアには臼杵山、市道山、刈寄山からなる戸倉三山(とくらさんざん)という縦走路があり、乗っていた何人かがそこで降りていきました。ただ、雪の三山を縦走するのは厳しいようで、どうするか悩んでいました。

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バス停の目の前にあるちとせ屋さん。こちらでは美味しいお豆腐はもちろん、当日のおからを利用したうの花ドーナツも人気らしく、ぜひ立ち寄りたかったのですが開店前。

 

余談ですが、今回の山旅は、払沢の滝を最初にするか最後にするかでとても悩みました。そんなぼくの背中を押してくれたのが、登山をする女の子と山ご飯を題材にした『山と食欲と私』という漫画です。その中で、主人公の鮎美ちゃんがここを訪れる回があるのですが、話の最後に登場するあるものが気になり、今回は鮎美ちゃんが歩いた道をなぞって行くことにしました。

ということで、今回のお話ではちょいちょい漫画の内容を挟みますのでご容赦ください。

 

完全結氷!?凍てつく名瀑、払沢の滝

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さすがに朝イチとあって冷えますね。連れてきたオトモのふらみも寒そう。

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一歩足を踏み入れた途端、モノトーンの景色に一変しました。普段雪を見る機会が少ないため、この白黒の空間にいるだけでも…鳥肌ものです。

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払沢の滝へ続く遊歩道の入口にギャラリー喫茶やまびこさんが見えました。陶芸家の方が経営するお店とのことで、お店の器も全てご自身の作品なんだそう。また、コーヒーも払沢の滝の水でたてたとか。ぜひぜひ立ち寄りたかった場所ですが、またいつか。

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お目当ての滝は、遊歩道の最深部にあります。道はところどころで凍結しているので、油断していると滑ります。驚いたのは、雪景色の中を歩く外国人とシベリアンハスキーの組み合わせ。超カッコいい。

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巨大な氷柱のアーチもありました。ただし、こちらは人工的に発生させた氷柱ですが、見ごたえは抜群です。

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あれだ…!!お待ちかねの払沢の滝とご対面です。早く目の前まで!という気持ちを抑えて、じわりじわりと滝の目の前まで。興奮して急いだりすると滑って転ぶし、なんたって足場が狭い。

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これが払沢の滝…!!

 

 

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払沢の滝、下から撮るか横から撮るか。皆さん思い思いのアングルで撮影していますが、三脚を使用するカメラマンも多いので、ぶつからないように注意しながら。

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混雑の中、ようやっと動くことができたので、滝を下のアングルから捉えます。これが氷瀑…なんという凄まじさ。呼吸すら忘れる圧巻の景色。息を呑む美しさとはこのことでしょうか。

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ぶさいく、ふらみもド迫力の氷瀑に出会えて大満足のご様子です。

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少し離れて見ると、滝壺が神秘的ですね。何というか…言葉が足りませんが。スゴイぞー!カッコいいぞー!!あまりの凄さに、何だか結氷率とかどうでもよくなってきました(笑)

だって、これだけすごい景色に出会えたんだから、こまけえこたぁいいんだよ!という気持ちです。

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ちなみに、前日の結氷率は95%でした。そしたらもう翌朝は100%!という確信がぼくの中にはあったッ!

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さあ、答え合わせの時間です。本日の結氷率は…ダララララ♪

 

98%!!!

 

ということで、ぼくは12年ぶりの完全結氷には出会えませんでした(笑)でもいいんです。むしろ、100%だった翌日は曇り空でしたから、快晴のこの日で本当に良かったなと思っています。悔しくなんかないんだからねっ! 

 

雪の集落を歩いて、抜群の眺望の峠の茶屋へ

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帰り道でおじいさんに「滝はどうだった?」と聞かれました。「俺は毎日来てるけど、朝からあんな車の数見たことない」と笑っていました。おそらく地元の方でしょうか、やっぱり今年は来訪者が多いってことですよね。

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ぎょえええ!!こ、公共交通機関で来てよかった~!

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さて、滝の見物を終えた後は、いよいよ浅間嶺(せんげんれい)を目指します。

ここは北秋川渓谷と南秋川渓谷のちょうど真ん中にある尾根で、かつては物流などで使われていた道だったようです。また、南側に丹沢山塊、北側に御前山、大岳山といった奥多摩の名峰がズラリと見えるのも魅力です。

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たろうで遊びながら、ゆっくりと登っていこう。だっていつもとは勝手が違う雪道だもの。

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駐車場より先の林道を少し歩くと左側に登山口が見えますので、まずは道標にある時坂峠(とっさかとうげ)を目指します。

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雪化粧をした集落を眼下に、モフモフとした雪道を登っていきます。

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林道、ショートカットの山道、林道といった具合のコースです。林道をず~っと登っていくことも可能ですが、それじゃあちょっと…

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「なんて気持ちのいい朝だろう」と、漫画の中で鮎美ちゃんは道中の景色を表現しています。季節は違えどまさに今、ぼくも同じことを感じています。

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アイスのチョコチップにも見える雪に覆われた山肌が見えました。

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誰もいない静かな朝を独り占め…と思いきや、下から登山者が一人。思えば峠の茶屋までの道中で出会ったのはこの人だけだったかな?

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一箇所登山道を見落としてしまい、林道をそのまま突き進むことに。途中、見晴らしのいい場所からは都心部も望めました。登山道は凍結箇所もありそうだったし、結果林道でよかったのかも。

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林道をぐるり周って来た先、この奥が先ほどの登山道から時坂峠へつながる道ですね。バリケードもあるし、やっぱり林道で正解でした。

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ところで、奥多摩の山に来ると木の香りを意識しませんか?大岳山や青梅の丘陵地など、多摩地域の森林事業のおかげでどんどん山が整備されているそうです。前は展望がなかった場所も、いつの間にか開けていたなんてのはそういうことだったんですね。

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引き続き林道を歩いていくと、峠の茶屋が見えてきます。歴史ある場所なんですねえ。さて、こちらの峠の茶屋さんですが、御前山方面が開けており、抜群の展望スポットです。

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丸太のベンチもあるので、道中最初の休憩にはもってこい。この日はカップヌードルを用意しているので、ここで御前山・大岳山を見ながら…なんて予定でしたが、ようやく体も温まってきたところ、昼食はもう少し後で。

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たろうたちの見ている先、去年の夏に行った大岳山は濃霧に見舞われたので、また晴れた時にその展望を楽しみたいところですね。

 

雪の音、木の温もり、奥多摩の名峰を望む浅間嶺

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さてさて、小休止の後は道標に従い浅間嶺を目指します。この甲州古道から先、本格的な登山道へ。

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進んだ先には、峠の茶屋本家であるそば処みちこさんが見えてきました。

建物は築400年以上と歴史あるこちらのお店は、2010年の『出没!アド街ック天国檜原村』でも紹介されたそう。かなり気になっていたお店ですが、冬季は休業中のため、近いうちに再訪したいところです。

※2018年に閉店しましたが、2020年にご家族らにより「瀬戸沢」として再開されたそうです。

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お店の先は沢沿いを登っていきます。冬場の水のスーンとした香り、雪を踏む音、そして木々から感じられる温もりが気持ちいいですね。奥多摩を歩いている!という気がします。まだ言うほど歩いたことないけど。

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道中はずっと御前山を見ながら歩くことができます。登るならカタクリの時季か、紅葉の時季か…冬もいい。 

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カタクリのことを思っていたらカタクリの群生地が出てきました。ただ、雪に埋もれて何が何やら。

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雪の中を進むぶさいく。頑張れー!!

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これは…アブラチャン????乗っかっているのは、フラミチャン。調べたら油を多く含んだクスノキ科の木みたいです。へ~おもしろい名前。

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雪道をモフモフと進んでいき、浅間嶺まであとわずか。道標の展望台方面へ。

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浅間嶺を目指して気持ちのよい雪の尾根道を進んでいきます。お腹も減ってきたし、展望台が待ち遠しい!

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あの青い空の向こう!!間違いない、展望台だーッ!!!

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辿り着いた浅間嶺からは、富士山はもちろん、北側に奥多摩の山々がズラリと並んだ景色が一望できます。

その様子は『山と食欲と私』にも描かれており、鮎美ちゃんはこれから登る雲取山(くもとりやまの偵察のために訪れていましたが、ぼくは自分の歩いた石尾根を眺め、振り返るためにやってきました。

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さて、それではぼくも山座同定をば。眼前にそびえるのは大岳山(おおだけさん)。去年の夏、海沢探勝路(うなざわたんしょうろ)からアプローチし濃霧となったため、あまり印象に残らなかった大岳山ではありますが…こうやって遠くから見ると、ゴツゴツしていて格好いい山容です。

昨今の漫画・アニメ業界では、何でもかんでもすぐ擬人化する流行りがありますが、大岳山を擬人化する際はぜひとも渋めの厳ついオッサンでお願いします。

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続いては道中ずっと見守っていてくれた御前山です。大岳山もそうですが、このように覗き穴が用意されているので見てみましょうか。

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お、邪魔ゥー!!!

 

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こちらが御前山(ごぜんやま)です。未踏の山ですが、その山容は大岳山とくらべて柔らかなイメージです。奥多摩湖からアプローチする大ブナ尾根が、新緑・紅葉ともに美しいとのことなので、ぜひぜひそこを狙って訪れたい。

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御前山から左に目線を流すと、右側に鷹ノ巣山(たかのすやま)が飛び出ており、石尾根縦走路を経て左奥にそびえる雲取山へ続いております。

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そして、左端には東京・山梨の県境にそびえる三頭山(みとうさん)が頭を出しています。この三頭山は都民の森という森林散策コースが設けられており、手軽に大自然を満喫できるのも魅力の一つです。

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奥多摩方面の眺望を満喫したら、山頂標の背後から富士山が覗きます。よく考えたら、丹沢・道志山塊も見えていたはずなのですが、奥多摩に酔いしれて確認し忘れていました。

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さて、それではお昼ご飯としますか。今日は…コレ!以前大失敗したカップヌードル!!風が寒いけど、トムヤムクン美味しッ!!!

ちなみに、下山後にもご飯を食べる予定です。ヤマメパーティーの準備が着々と進められています。

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ところで、地図をよく見てみると、浅間嶺の山頂は今いた場所とは別にあるようです。確かに先ほどの場所は山頂標こそあったものの、展望台ですもんね。

展望台を下りた先の休憩広場から分岐する先に、小岩浅間(こいわせんげん)として本当の山頂があるみたいです。でもこの雪だし…わざわざ行かなくてもいいか。

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モフモフの雪道をひたすら先へ。すれ違うシニアハイカーさんが「数馬まで行くの?皆行き先は同じなんだね」というので、おそらく先行の青ハイカーさんも同じルートだったようです。

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道標の左側からやってきて振り返ると、どうやらこの右側に続いている尾根道の先が小岩浅間、浅間嶺の本当の山頂のようです。

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景色はコロコロ変わります。樹林帯を歩いていたと思ったら解放感溢れる景色へ。奥多摩の山々をひとしきり歩いた後に浅間嶺を訪れれば、より感慨深いかも。

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しばらく歩くと、人里(へんぼり)との分岐に辿り着きました。普通に読んだら「ひとざと」ですよね。人里にもバス停があるので、そこから登ってくるハイカーも多いみたいです。

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美しく一直線に伸びた木々の中を歩いていると、トリックアートを見ているような錯覚に陥ります。

アップダウンは少なく、なだらかな道が続きますのでのんびり歩けるのがいいですね。ただ、途中にはロープが設置された急斜面もあり、この雪もあってヒヤリしました。冷たい雪だけに

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ところで、地図上に書かれている一本杉(一本松)はどこだろう?なんて思っていると、道標が現れました。それっぽい木は見当たりませんが…?

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おや、よく見てみると秘密の案内が書かれていましたよ。これは…ちょっと行ってみます!

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道標の裏から続く斜面を登っていくと、一本松の山頂がありました。本日の浅間嶺コースにおいて、ここが最高点ですね。特に何があったぞー!というわけじゃありませんが、ボーナスステージを見つけたみたいで嬉しい。

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半分埋もれた三角点もありました。おしりが冷たい…

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コースを戻り、右手に御前山を望みながら歩き続けます。この日は最後まで御前山に見守られながらの山行でした。

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大きな岩が見えてきたら、おお、これがサル石か。なんでもどこかにサルの手形がついているとのことだけど~…?

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看板を注視していたら不意打ちです(笑)本当その通り!

ちなみに、この落書きの上に「⇨」と書いてあるのがヒントで、この矢印の差す方向に手形があるそうです。矢印に気づいたので見ましたが…どれ?

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サル石の先にある数馬分岐からは、浅間尾根登山口までのラストスパートです。この登山口にあるお店、「浅間坂 木庵」での食事を楽しみに、ルンルン気分で下山します。

俺、ここを無事に出たらヤマメ食べるんだ…!

 

お楽しみの秘湯、蛇の湯温泉

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一度林道を挟み、浅間湯という看板のあるところを下りていきます。

案内の通り、これから向かうお店は食事のほかに宿泊も可能で、お風呂まで入れちゃうんです。檜原村特産のジャガイモや、コンニャクにも力を入れているとのことなので、お蕎麦とヤマメと一緒に楽しみにしていました。

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民家の裏を抜けながら坂道を下りて、浅間坂へ到着です。お店の前に湧水もあり、よしよしと期待がグングン高まってきました!

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……え?

 

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…………

 

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……大丈夫、まだ温泉があるから。

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ま、まあ!こういう場合も考慮して浅間嶺で昼食は多めにとってありますからね!また来る楽しみは増えたと思います!(強がり)

この後は最終地点である、蛇の湯温泉を目指して檜原街道まで下ります。この後も浅間坂の看板が出てきて、精神的ダメージを与えていくのは内緒です。

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蛇の湯温泉を目指して歩いていると、その前に数馬の湯が見えてきました。

ここは三頭山の山旅帰りに利用しましたが、きれいでいい温泉でした。実はその時にも蛇の湯温泉は気になっていたんですけど、入る勇気がありませんでした。

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数馬の湯を見送って、「蛇の湯温泉 たから荘」に到着。いいですね~、多摩に残る名湯!そしてこの外観!

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実は、冒頭のルート選びでぼくの背中を押してくれたあるものというのが、この蛇の湯温泉なのです。その昔、大蛇が傷を癒やしたという言い伝えのある、歴史を感じる温泉なんですけど、それ以上に「秘湯」という単語に魅力を感じました。

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秘湯の定義って何だろうと考えると、う~ん…山奥にあって、岩風呂で…というイメージ。でも、そこに多くの人が訪れるようになって、賑わいだしてしまったら全然秘密じゃない?

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快く迎え入れてくれた従業員の方、窓から見える雪景色、軋む床の音…そのどれもが旅情を感じさせ、秘湯への期待は一層高まります。

脱衣所からお風呂場へ、カラカラと戸を開けるとモワモワと湯気がたちのぼる、内湯と洗い場だけのシンプルなお風呂。え、最高。

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風呂上がり、楽しみにしていた食事を頼もうとメニューを見てみると、ラストオーダーは14時まで!!嫌な予感!現時刻は…13時58分!!

幸いビールは注文可能なようで、お兄さんが快く対応してくださいました。まだポカポカした体が早く早くと急かしてくるけど、まずはこのビールについて。「秘湯ビール」…何ですかその魅力的な響きは!?これこそ、鮎美ちゃんが蛇の湯温泉あがりに美味しそうに飲んでいたものであり、今回の旅路のフィナーレを飾るものです。

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お風呂上がりに牛乳ではなく、ビールが飲みたい!と思うなんて…これを楽しみにここまで雪の中を歩いてきたのですから、その美味しさも格別ですよね。さらに、食べたかったコンニャクをサービスで頂きました!美味しっ!!!

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至福のひと時を得た蛇の湯温泉を後に、バスで武蔵五日市駅まで戻ります。ビールの効果でしょうか、ものすごく眠い。山旅の後にビールを飲みたくなる気持ちが今わかりました。これは極楽…

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帰りのホリデー快速あきがわに乗って新宿まで揺られる車中、今日の温泉は気持ちよかったなぁと振り返ります。東京にいながらまさか秘湯に出会えるとは、不思議なものですねえ。

 

浅間嶺の山旅、終わりに

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大迫力の氷瀑から雪の浅間尾根、奥多摩の山々を望みながら惜しくも休業中だったお店を見送り、山奥に佇む秘湯に癒やされる。そんな『山と食欲と私』に倣った山旅は、大満足で幕を閉じたのでした。

 

さあ、次はどこに行こうかなぁ。