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なまけたろうと登山ブログ

【奥武蔵】天覧山~多峯主山 親子で低山縦走と渓谷ハイク

怒涛のゴールデンウィークも終わり、遠征登山や高山縦走など様々なチャレンジをした方々もほっとひと息。けれど体はまだまだ山気分な方も多いのでは?

そんな時こそ近場の低山!なかでも飯能のシンボルである天覧山(てんらんざん)の周辺は、低山の縦走に加え渓谷めぐりも楽しむことができます。

新緑の親子ハイキングにぴったりな飯能ゴールデンコースへ。

 

どうも、スラ男です。

 

今回は、埼玉県飯能市にある天覧山と隣の多峯主山(とうのすやま)を親子ハイキングしてきた時のお話です。

この天覧山多峯主山のプチ縦走コースは、市街地との近さの割に豊かな自然が楽しめるのが特徴です。それでいて難しい箇所もなく非常に歩きやすいという、まさに初心者や親子ハイカーにもってこいのフィールドなのです。

下山後には季節に合わせた“遊び”を満喫できるのも嬉しいところ。緑眩しい春にはぜひ吾妻峡(あずまきょう)の散策をおすすめします。

 

天覧山多峯主山(2022年6月4日)

 

まち歩きから楽しむ魅力いっぱいの天覧山

登山のスタートは登山口からですが、できれば駅から登山口までの行程も楽しみたいというのがぼくのスタンス。バスやマイカーは便利ですが、歩きの醍醐味はなんといっても「寄り道」できるところ。

子どもと一緒だとその寄り道がついつい長くなってしまいがちですが、それも楽しんでもらえれば。まずは駅から商店街へ向かって歩いていきます。

登山中のおやつや昼食は事前に用意するものですが、道中で手に入れるというのも楽しみ方のひとつだと思います。商店街にあるパン屋、英国屋さんで本日のおやつを調達。まちのパン屋さんって、なんかこういいですよね…

続いてこちら、夢彩菓すずきさんにて名物の「極上バーム」を。ぼくは言わずと知れたバウマー(バウムクーヘンマニア)。美味しいバウムの調査は欠かせません。

駅から天覧山への道のりで好きなポイントのひとつ。それがこちらのシャッターの絵。これから向かう山が地元から愛されているのがよくわかる一枚です。

さて、天覧山の登り口に到着しました。ここから天覧山までは30分もあれば登れてしまいますが、じっくり楽しみながら登りたいと思います。息子スラ坊、娘スラりんともにやる気は十分。

「みてみて~」とお気に入りのモミジ探しが始まりました。葉っぱやらどんぐりやら、山に落ちているものってなんでこう拾いたくなるんでしょうね?笑

急坂の舗装路を登りきると、休憩所とトイレが設けられた広場、天覧山中段です。木陰は気持ち良いのですが、思った以上に厳しい日差し。ここで先ほど購入したパンでおやつ休憩をはさみます。

景色を見ながら、散歩している人とお話しながら地元への理解を深めていく。ぼくはこういう地元に寄り添った山歩きが好きだなぁ。今度はおすすめのお店とかを聞いてみようかな。

休憩を終えたらいよいよ山頂へ向けて出発。といっても10分くらいで着きますが。石仏の並ぶ岩壁が見えてきたら道はアスレチックの雰囲気に。

前にスラ坊とは来たことがありますが、スラりんは今回が初めて。経験値のあるお兄ちゃんははりきって妹をリードしてくれています。あの抱っこマンがこんなにも頼もしく…ホロリ。

登山口から30分強で天覧山山頂へ。絵に描いたようなきれいな風景。子どもたちも「おおー!」と歓声。ここに住んでいたら間違いなく毎日登りたい、そんな山です天覧山は。

 

美しい自然と山の楽しさが凝縮された多峯主山

山から山へ繋げて歩くことを「縦走」と言いますが、この天覧山から多峯主山へのコースは子どもの初めての縦走にぴったり。ほどよい距離でいて見どころも多く、トイレもあるので安心です。

天覧山に登った分の標高を全て消費していったん谷底へ。この谷戸(やと)の湿地帯には希少な動植物が生息しており、保護活動が進めらているそうです。

そんな話を子どもたちにすると、目を輝かせながら「いきものさがしたい~」ってそうなるよね。けどそんな簡単には出てこないんだな~これが。

谷戸から続く長~い階段は手を繋いで。この道は「見返り坂」と呼ばれ、源義経の母・常盤御前(ときわごぜん)があまりの風景の良さに何度も振り返ったという伝説が残ります。

なお、現代では振り返るとご覧の風景。当時はどんな様子だったのか、ひとり思いを馳せていたら子どもたちに置いていかれました。「お父さんはやくー!」

森林浴という言葉がぴったりのなだらかなトレイルを歩いていくと、山頂手前の階段&鎖場が登場。さあもうひと踏ん張りだ!

落ち葉に足を取られないように、しっかりと登っていきます。

鎖場を登りきると、本日ふた山めの多峯主山です。標高300m未満ですが、その展望の良さに驚かされます。天気が良ければ富士山だって見えるんですよ。

奥多摩方面には左側の特徴的な山容の大岳山(おおだけさん)と、右側の均整のとれた御前山(ごぜんやま)がばっちり。

広めの山頂は休憩にも好適で、ぼくたちもひと休み。するとスラ坊の帽子にアゲハチョウが!スティッチーーーー!!!笑

生き物が見たいという子どもたちへのプレゼントでしょうか。なおスラ坊は直接は見ていません。笑

 

驚きの渓谷美を見せる吾妻峡

天覧山多峯主山と登った後は市街地へ下山するのですが、その道中で何か所か見どころがあるので忘れずに。まずは多峯主山直下にある雨乞池へ。

「お父さんすごいよ!」というのでのぞいてみると…?

 

 

※両生類が苦手な方はご注意です。

 

 

 

これ全部オタマ!!!

 

おびただしい数のオタマジャクシがぴちぴちと泳いでいるじゃありませんか。これはさすがに大興奮。よく見ると足が生えている個体もいます。いったいどれほどのカエルがケロケロするのか楽しみです…!

しかし自然とは厳しく非情なもの。池の端にはヒキガエルを好んで捕食するヤマカガシが潜んでいました。ヤマカガシは有毒ヘビなので子どもたちを避難させ、オタマの無事を祈りながらその場をあとにしました。

途中で見えてくる御嶽八幡神社の鎮座する大岩壁は見応え抜群。

再び湿原のような雰囲気の道になると、前を歩いていた方の叫び声が。聞くとマムシを見かけたそう。なんとスラ坊も見たというから、この日の生き物運は強かったようです。

お花畑に下山するも、今度はスズメバチがいるかも…?とビビるスラ坊。「おみずのみた~い」と手を伸ばす妹のほうが強そう。

季節を先取りするアジサイも咲いていました。アジサイ山も行きたいよな~。

さて、下山後はバスに乗って飯能駅まで戻ることもできますが、春は入間川沿いに美しい渓谷風景を見せる吾妻峡を歩くコースがマスト。

道標に従って歩いて行くと、ドレミファ橋という有名なスポットが見えてきました。ぴょんぴょんとジャンプしていくアトラクションのような橋で面白い。

ここからは川沿いに景観を楽しみながら自由散策です。子どもたちはひたすら生き物探しと石集め。

吾妻峡には遊歩道が整備されており、この兎岩などの奇岩を眺めながらゆっくり30分ほどの渓谷めぐりが楽しめます。散策のほかにも、イスを持ってきてチェアリングとか最高かもしれません。とにかく自然が心地よい。

吾妻峡のハイライト、汽車淵では軽めの鎖を伝って登る箇所も。子ども目線ではなかなか登り応えがあるのではないだろうか。

しばらくすると、中平河原というバーベキュー広場に出ました。渓谷めぐりもここでおしまい、いやあ楽しかった。

中平河原でトイレ休憩を済ませ、飯能河原方面へ最後の歩き。この歩きで得た疲労感こそ、この後で入るお風呂に欠かせない最高のスパイスなのです。

本日のゴール、奥むさし旅館さんにお世話になります。温泉ではありませんが川遊びの帰りなどにも便利な立地で、こちらの日帰り入浴でさっぱりと汗を流し帰途へ。

子どもたちもたくさん歩いてくれて、今回も楽しい親子ハイキングになりました。

 

天覧山多峯主山の親子ハイキング、終わりに

娘の体力テストも兼ねた今回のプチ縦走。娘が思った以上歩けるし、商店街や吾妻峡など飯能の魅力を新たに知ることができて大収穫でした。息子も自分で冒険していく楽しみを覚えたのか、妹を引っ張ってくれて頼りになりました。

親子ハイキングのコースとしても、季節に合わせた散策コースとしても非常に楽しめた今回の山旅でした。

 

次はどの山に行こうかな。