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なまけたろうと登山ブログ

【秩父】鐘撞堂山 桜と展望の里山ハイキング

4月に入ると、いよいよ桜(ソメイヨシノ)が見頃を迎えます。近年の温暖化により開花期がどんどん早くなっているそうで、慌てて桜が見られる山を探してみると、秩父にある鐘撞堂山(かねつきどうやま)が目に留まりました。

その名の通り、山頂で鐘を撞くことができる山という前情報でしたが、調べてみると山頂の桜、明るい広葉樹林、周辺にはカタクリの群生地など、春に歩きたい要素が満載。

息子と二人、春のお花見ハイク。

 

どうも、スラ男です。

 

今回は、埼玉県寄居町の北側にある鐘撞堂山を親子でハイキングしてきた時のお話です。

鐘撞堂山は標高330mのいわゆる「低山」で、長閑な山村風景と季節の花が楽しめる親しみある里山です。周辺の歴史スポットを辿れば、戦国時代の風景を偲ぶことができるかも。

また、寄居駅から登山口まで歩いていけるので、アプローチも容易なのが嬉しいところ。桜と水辺、山頂からの景色を楽しみにレッツ登山!

 

■鐘撞堂山(2022年4月2日) 目次

 

春の寄居町大正池を目指して

桜を仰ぐときは青空がいい。そんな願いにばっちりの天気で迎えたハイキング当日。初めて寄居駅を訪ねた時は、秩父鉄道への乗り換えでICカードが使えず困惑したっけなぁ。

東武東上線を利用して寄居駅に着くと、駅のホームがにわかに慌ただしくなります。これはもしや?と思っていたら、近くにいたおじさんが「SLが来るよ」と教えてくれました。

息子スラ坊とともに秩父鉄道のSLパレオエクスプレスを見送ります。いいか息子よ、蒸気機関車はロマンなんだ。大人になってもこの心を忘れるんじゃないぞ。

SLの汽笛を合図に、本日はここ寄居駅から登山スタート。まずは鐘撞堂山の登山口である大正池を目指しましょう。

国道140号(彩甲斐街道)に出たら右折し、天沼陸橋入口の交差点まで進みます。

交差点を左折すると、用水路沿いに延びる春の風景に目が覚めました。いいぞ~、山頂の桜にも期待大。

桜だけでなく、鮮やかなミツバツツジも目を楽しませてくれます。でもツツジはね…また別の山で予定しているのでほどほどに。

駅から30分ほどで大正池に到着です。大きな農業用ため池で、昔は養鯉池だったそうな。

新緑の盛り、もしくは秋の景色も見てみたくなりますね。そういえば、地図を見てみると鐘撞堂山の周辺ってため池が多い印象。北側には円筒分水もあるみたいで、調べておけばよかった。

大正池に設置されたトイレで身支度を整え、いよいよ登山口へ。

 

桜咲く展望台が素晴らしい鐘撞堂山

登山口へ入ると道は舗装路から林道に代わり、にわかに山の雰囲気が漂います。日常的風景から非日常へと切り変わるこの感じが好き。

足元にはタンポポ、見慣れた花でも山で見つけると嬉しい春の便りです。こういう季節の変化に敏感になったのは、登山をやっていて良かったと思えることのひとつかな。

林道途中には立派な桜が。これは見事。

道標に従っていくと、やがてよく整備された登山道へ。ぬかるみや根っこもなく、とても歩きやすい。これなら子ども連れでも安心して歩けますね。

開けた場所に出ると、建物と一本桜がありました。素敵な風景だけど、ここは一体なんでしょうか?調べてみると馬騎ノ内(まきのうち)と呼ばれる廃村だとか。

その名称から戦国時代の名残かと思いましたが、詳しくはわかりませんでした。それでも雰囲気のあるいいスポットだと思います。

小さな花を愛でながら、スラ坊に花の名前を教えていきます。オオイヌノフグリは覚えやすい花ですよね。しかし別名は「星の瞳」と大変おしゃれ。名付けた人は責任とってよね!

山頂手前で階段が待ち構えていました。さあもうひと頑張り!とはいっても、ここまでの道のりは非常にゆるやか。だから気に入った。

山頂付近に咲く桜の下をぐるりと回り、お待ちかねの山頂へ。

着いたー!鐘撞堂山、山頂です。この山は戦国時代には見張り場であったらしく、その名残で敵の襲来を伝える鐘がシンボルになっています。

現代では登頂を報せる鐘とでもいいますか、スラ坊も鳴らしt「ガンガンッ!」

 

うるさっ!!

 

見張り場としてのステータスはそのままに、とてもいい眺めが広がります。さらにさらに、山頂には展望台まであるんです。

桜に囲まれながらこの景色。エモすぎる。

東屋もあるので、時間をたっぷり使って楽しみたいですね。昼食にも最適です。

花見ハイクのオトモといえば、これ。お団子ですよやっぱり。ぼくは黒ごま、スラ坊はみたらしで最&高。これぞ春低山の魅力!

 

カタクリの群生地に向けて下山、ところが…?

さて、山頂を満喫したらいよいよ下山となるわけですが、ここ鐘撞堂山は下山ルートも様々あります。

桜をメインにするなら円良田湖(つぶらたこ)へ下山し、湖畔の花見。歴史をもう少しというなら、羅漢山(らかんやま)もセットで登るのも良さそう。

ですが、ぼくは円良田西部の虎ヶ岡城址(とらがおかじょうし)にあるというカタクリの群生地が気になっていました。今回はそちらへ向かいます。

鐘撞堂山北部の尾根では、待ちきれないとカタクリがちらほら。テンションのあがる父をよそに、ひと気が一気になくなったためテンションの下がるスラ坊。すまない息子よ…

分岐をあんずの里方面へ進み、しばらく。依然、人とは出会わず。しまった…大人しく円良田湖方面へ行けばよかった~~~!!!

虎ヶ岡城址の入口まで下りてきました。目安時間は33分。分刻みって珍しいですね。

それでは目的のカタクリ群生地へ~!

 

なにぃぃぃぃ~~~~!!?

 

どうやら2019年台風の影響で道が崩落しているそうで…調べが足りなかった。しかし虎ヶ岡コースなら歩けるとのことなので、車道を歩くのもなんだし、このまま波久礼駅を目指していきますか。ごめんねスラ坊。

「いいよ!それより温泉が楽しみ!(^▽^)」

めっちゃポジやん…

カタクリ群生は見られなかったけど、ツツジがちらほらと。明るい色の花はいいですね、励まされます。頑張って歩いてくれてる息子に報いたい。

 

せめて温泉だけは!

 

尾根コースを下山して辿り着いたのは、こちらかんぽの宿 寄居」※さん。とろとろ天然温泉と展望が自慢で、寄居駅まで無料送迎もしてくれるナイスな施設です。

※2022年7月時点で「亀の井ホテル 長瀞寄居」にリブランドされたそうです。

玄関口の立派な桜を見ながら、受付へ声をかけると…

「申し訳ございません。本日はもう日帰りのご利用は……」

こちらのホテルの日帰り利用受付時間は14時まで。現在、14時30分過ぎ。

 

しまったぁぁぁぁ~~~!!!

 

「うう~~…(´;ω;`)」あまりの悲しみに涙を流すスラ坊。ごめんねえええええええええええええええええ!!!!(ノД`)・゜・。

そうだ父親(スラ男)。お前が、泣かせた。

とりあえず、送迎バスを利用して寄居駅まで戻ってきました。スラ坊に合わせる顔がありません。

「温泉はざんねんだったけど、おうち帰ったら入りにいけばいいじゃん!(^▽^)」

えぇ…めっちゃポジやん…

 

そんなこんなで、息子のバイタリティに励まされながら帰途へ。帰宅後、温泉のことをすっかり忘れてゲームで盛り上がりました。

 

鐘撞堂山の親子ハイキング、終わりに

低山でお花見!というテーマで歩いた鐘撞堂山でしたが、予想以上に素敵な山で、また訪れたくなりました。その時は円良田湖方面へ下山して、温泉の時間もしっかりと把握しなくては。

また、スタートを寄居隣の桜沢駅にして尾根コースを辿れば、明るい広葉樹の道となるので紅葉シーズンも楽しそう。鉢形城(はちがたじょう)など寄居南側の歴史スポットと合わせるのも良さそうだし、今後も注目の低山でした。

 

次はどの山に行こうかな。