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なまけたろうと登山ブログ

【栃木】両崖山 紅葉と岩稜歩きが楽しい足利低名山

11月下旬、標高の高い山で紅葉のピークが落ち着く一方で、低山界隈の紅葉は最盛期を迎えます。

低山の紅葉は麓の紅葉とタイミングがほぼ一緒なので、山だけでなくまち歩きも楽しめるのが魅力のひとつ。名木の大イチョウや紅葉の谷を楽しみに、再び足利低山を訪ねます。

紅葉、岩稜、歴史と展望、秋色低山ハイク。

 

どうも、スラ男です。

 

今回は、栃木県足利市にある両崖山(りょうがいさん)へ親子でハイキングしてきた時のお話です。

両崖山は厳めしい山名の通り、短いながらも岩場が連続するプチ冒険が楽しい低山です。季節を問わず人気の山ですが、紅葉シーズンなら麓にある鑁阿寺(ばんなじ)の大イチョウは忘れずに見たいところ。最高です。

 

■両崖山(2021年11月21日) 目次

 

紅葉ハイクは黄金色の大イチョウから

目的地となる両崖山へは、JR両毛線東武線が便利です。ぼくたちは東武足利市駅からスタート!

この駅は去年の赤雪山(あかゆきやま)仙人ヶ岳(せんにんがたけ)登山でも利用した駅です。あの山旅から足利低山にハマって、こうして通っているわけです。

 

■赤雪山、仙人ヶ岳の山旅

surao.hatenablog.com

 

さて、さっそく山へ向かいたいところですが、紅葉の時季ならすぐ近くにある国宝・鑁阿寺の見学を強くおすすめします。なんてったって大イチョウがすごすぎる。

おっと、参道にある足利尊氏(あしかがたかうじ)の像も忘れずに。

「足利氏」と「足利市」。当然、関係ないわけがなく、尊氏の先祖である八幡太郎義家の孫・義兼(よしかね)がこの地を治め、“足利氏”を名乗り始めたのが足利市の起こりだそう。鑁阿寺には尊氏が寄進したとされる什器などが残っています。

そういえば、足利義兼は赤雪山の伝説で語られていますね。

山門をくぐって境内に入ると、いきなり黄金色のイチョウが目を惹きます。おや、戦国っぽいのぼりは何だろう?と思って見てみると、ドラクエウォークとのコラボじゃないですか…

けっこうフットワーク軽いんですね、国宝…

それはともかく、こちらが黄金色に輝く鑁阿寺の大イチョウです。その圧倒的な存在感たるや。神々しいですよね、もはや。

保護のために木の根元に近づくことはできませんが、規格外の大きさに柵越しでも真下にいるようです。幹の太さや木全体の大きさから、樹齢550年前後と推定されています。江戸時代にはすでに大木だったそうですよ。

イチョウのほかにも彩り鮮やかな境内をぐるり散策。広場では屋台も出ており、焼きそばのいい香りが。だがなスラ坊、ガマンだ。「えー!!(; ・`д・´)」

非常に見応えのある大イチョウ。しかし、近年では樹勢も衰えを見せているそうで、台風や大雨による被害も出ています。なんとかこの美しくたくましい姿を後世に伝えていってほしいですねぇ。

 

鮮やかな足利織姫神社ともみじ谷

鑁阿寺を後に、いよいよ両崖山登山口である足利織姫神社へ向かいましょう。織姫(おりひめ)の神社とは何とも素敵な雰囲気です。

足利市は“織物のまち”として栄え、古くは奈良時代から朝廷に献進されていました。ところが、機織りの神社がなく、そのことに気づいた当時の足利藩主が、機織りの神様を勧請したのが足利織姫神社の始まりだそう。

また、織物は2種類の糸を織りあい生地とすることから、縁結びの神社としても人気なんですって。

神社は小高い山の上にあるので、正面の階段か、脇にある七色の鳥居をくぐっても行けます。色を数えながら歩くスラ坊、途中でダンスを披露していくつまで数えたか忘れたようです(笑)

神社の右側から両崖山へのハイキングコースとなります。また、この先は織姫公園として整備され、この時季はもみじ谷で紅葉が見頃を迎えます。

公園内を歩いていくと、谷側が真っ赤に!最盛期を少し過ぎたのか、「本当はもっと鮮やかなんだけどね」と地元の方は仰っていましたが、十分見頃だと思います。

この紅葉にスラ坊も何かを感じ取ったのか、スマホでパシャパシャ写真を撮っています。おいでぇ…沼はこっちだぞぉ……

もみじ谷から続く山道をつづら折りに登っていくと、広場に出ました。ここでひと息つき、いよいよ本格的な登山道へ。ここまで長かった。

 

岩場の連続する堅固な山城と、山林火災の爪痕

さて、両崖山へ登り始めると、いきなり段差の大きい岩場が連続します。案内板によると、両崖山一帯は足利城(両崖山城とも)として、かつては山城としての役割を持っていたようです。険しい岩場はまるで天然の防御壁。堅固な城だったことが想像できます。

岩場を超えるとすぐに好展望の休憩所が見えてきました。この先、山頂近くまで休憩適地はないので、ここでお昼休憩にしましょう。

ボトルに入れてきたお湯で、カップラーメンを食べる。ごくごく日常的なことが山の上では特別になる。いいですよね、こういうの。

展望台からは、9月に歩いた大小山(だいしょうやま)方面が見られます。また歩きたい山なので、今度は縦走プランで。

休憩を終えたら再出発。待てスラ坊、そんなに急いだら食べたものがあああ!!!

案の定、「おなか…いたいかも…( ;´・-・)」ということで、いったん休憩。すぐに「だいじょうぶだった!」と歩き始めますが、ほんとかよ〜?

歩き進んでいくと、根元が黒焦げになっている木が目立ってきました。

2021年2月下旬に起きた両崖山の山火事。鎮火まで1ヶ月弱も要した大規模な山林火災は記憶に新しいと思います。東京ドーム約35個分にも及ぶ面積が炎に包まれた原因は、タバコの火の不始末ではないかと見られています。地元のハイカーさんは「すぐ目の前が燃えていて怖かったよ」と嘆いていました。

これを受けて、足利市では全国的にも例のない山林火災に特化した条例を出し、4月に施行されました。再発しないように願うばかりです。

 

■両崖山の山林火災について

www.shimotsuke.co.jp

 

両崖山の核心部ともいえる岩稜地帯に入りました。谷間に見える木のない部分、あれは西渓園(せいけいえん)という梅の名所です。冬ならここも合わせて訪ねたいところ。

登り応えのある岩場もすいすいと。いいなぁ、子どもは体が軽くて。

岩場の先には真新しい立派なベンチが。どうやらこのベンチは、先の山林火災で燃えてしまった見晴らし台を修復しようと、有志の方々が建てたものだそう。すごい!

山城の遺構でもある堀切が見られ、にわかにお城感が出てきました。この階段を上がればいよいよ山頂です。

山頂の御岳神社周囲には立入禁止のテープが張られており、火災のむごたらしい爪痕をはっきりと残しています。ここで地元のシニアハイカーご夫婦と仲良くなり、いろいろお話を聞かせてもらいました。

予定では天狗山から下山するつもりでしたが、せっかくなので織姫公園へ一緒に下山することに。

おじいちゃんから地元の美味しいお蕎麦屋さんを教えてもらい、「またぜひ登りに来てね」と歓迎されました。やっぱり足利低山は素敵な出会いがありますね!

談笑しながら公園まで戻ってきた後は、ご夫婦は谷の駐車場まで行くのでここでお別れ。素敵な出会い、どうもありがとうございました。息子もちょっと寂しそう。

足利織姫神社まで戻ってきました。登りの時はあまり見ませんでしたが、すごい見晴らしですね。毎日この神社にお参りするだけで足腰強くなりそうです。

駅に戻る途中、両毛線の線路を渡った先に気になるお店が。「喜左衛門」さんのたかうじ君焼き、かわいいですねぇ。ベビーカステラみたいですが、中はつぶあんやレアチーズなど選べます。お、美味しい!

さらに、足利名物「ポテト入り焼きそば」もありました。栃木県南部はおやつにじゃがいもをよく食べたそうで、次第にそこにソースをかけたものが定着したそうです。そういえば、南部ではいもフライも人気のB級グルメでしたね。ぼくも大好きです。

味はというと、焼きそばとソース味のポテトですね。間違いありません。ただ、出来たてというのもあってすごく美味しい。子どもは大好物ですよこれ。

こうして楽しく美味しく、ハイキングを締めくくりました。

 

両崖山の親子ハイキング、終わりに

イチョウの見頃に合わせて訪れた鑁阿寺と両崖山。短いコースながら、まち歩き、山歩きのどちらも満喫することができて良かったです。

子どもの成長に合わせて、両崖山より北にある山から縦走なんてプランもやってみたい。その時は、梅の季節に合わせて。

岩稜歩きが楽しめる憩いの山、そんな印象が強く残った両崖山。この素敵な山を残していくために、火災など

 

 

今後も気を付けて再発しないようにしたいですね。

 

次はどの山に行こうかな。