山へ行くなら車か、電車か。
どちらにも利点があり、どちらでも楽しいというのが個人的見解ですが、ぼくは今のところ、主に公共交通機関を利用して山旅をしています。
そこで気になるのが、公共交通機関による出費。これは誰もが少しでも抑えたいというのが本音で、ぼくが非常にケチだということとは関係ないはずです。(笑)
今回は、公共交通機関を利用するならぜひ押さえたい、お得なきっぷについてまとめてみました。
どうも、ケチ男です。いえ、スラ男です。
公共交通機関を利用して山旅をするようになって、しばらく。ぼくもだいぶ電車の知識がついてきたような気がします。
山へ行くために電車についてあれこれ調べていると、「お得なきっぷ」という存在に気がつきます。
いわゆるフリーパスと呼ばれるそのきっぷは、鉄道会社により様々な恩恵を受けることができます。山への移動費は実は一番の出費となるので、少しでも減らしたいですよね。それでいて、何か特典があるというなら使わない手はありません。
それでは、ぼくが頻繁に利用しているお得なきっぷについてご紹介します。
■お得なきっぷまとめ
高尾エリアのお得なきっぷ
まずご紹介するのは、東京八王子にある高尾山(たかおさん)から。
高尾山は、そもそもが京王線を使えばびっくりするくらい出費を抑えてアクセスできます。新宿から高尾山口駅の往復で800円しないというのは、最早タダも同然。毎日通いたいくらいです。
しかし、高尾山を楽しむために、リフト・ケーブルカーに乗って、あれも食べてこれも食べて、温泉も入ってお土産も買って~と。気づけば尋常じゃない出費になっていることが多々あります。※個人の感想です。
そこで少しでも出費を抑えたいという方におすすめなのが、こちら「高尾山きっぷ」!
この切符は京王線、井の頭線の各駅から高尾山口駅までの往復券に加え、高尾山のケーブルカー・リフトの乗車券もついている優れもの。ケーブルカー・リフトは往復か片道か選ぶことができ、普通に購入するよりも2割ほどお得になります。
さらに、温泉まで楽しみたいという方には「高尾山湯ったりきっぷ」というものも。しかしこちらは平日限定の切符なので注意です。
■高尾エリアのお得なきっぷ
奥武蔵・秩父エリアのお得なきっぷ
次にご紹介するのは、埼玉県の奥武蔵・秩父エリア。この山域を歩く時は、池袋駅発の西武線が便利です。特急を利用してもそんなに高くはないので、ついつい贅沢してしまいます。おっと、出費を抑える話でした。(笑)
西武線沿線の山へ行くなら、ぜひ利用したいのがこちら「秩父漫遊きっぷ」!
はっきりいって、最強のフリーパスです。秩父へ行くならマストバイなこの切符は、西武線発駅から西武秩父駅までの往復券に加え、秩父エリアで利用できる特典がセットになっています。
その驚きの特典ですが、大まかに6つに分かれます。
まずは「西武秩父駅前温泉 祭の湯」で利用できるクーポン券として。その内訳は、①温泉への入館券、②フードコートで利用できる食事券、③物販でのお買い物券としての利用です。いずれも上限額はありますが、十分すぎる内容です。
次に、秩父エリアのバス利用券として。こちらは2種類に分かれます。④西武観光バス限定の2日間有効なバスのフリーパスと、⑤三峯神社行き急行バスの片道乗車券です。
注意すべきなのは、三峯神社行きの券に引き換えた場合、片道のみとなることです。それでも結構な出費なのでありがたいですが。ちなみに引換券は、駅前の観光案内所、またはバス車内で受け取れます。
最後は、⑥西武秩父駅前からのレンタカー利用の割引券として。こちらはぼくは利用したことがないので詳細は書きませんが、グループでの登山なら便利かもしれませんね。
■奥武蔵・秩父エリアのお得なきっぷ
秩父漫遊きっぷだけでもお腹いっぱいなのに、実は秩父エリアの本気はまだまだこんなもんじゃありません。秩父を走るもう一つの鉄道、秩父鉄道からもお得なきっぷが出ているのです。
秩父鉄道では、全線フリーとなる「秩父路遊々フリーきっぷ」と、寄居から三峰口駅間あフリーとなる「長瀞秩父おでかけきっぷ」が便利です。以前は御花畑~長瀞駅間のフリーパス(写真の切符)もあったのですが、こちらは2021年の改定で終了したようです。
加えて、秩父のお得なきっぷは移動だけでなく、秩父地域の協賛施設でも割引が適用されます。登山帰りに立ち寄るお店や温泉、体験などもチェックしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、秩父鉄道は今年の3月からPASMOが導入され、それに伴い期間限定で急行料金も無料になるキャンペーンが始まるようです。※2022年3月時点
丹沢・大山エリアのお得なきっぷ
神奈川県を代表する山域といえば丹沢エリア。中でも屈指の人気を誇る大山、塔ノ岳などを歩くのに便利なきっぷが小田急から出ています。
小田急のお得なきっぷ「丹沢・大山フリーパス」では、小田急線発駅から本厚木・渋沢駅までの往復券に加え、指定区間のバスの乗り降りが自由になります。
先に挙げた大山や塔ノ岳へはバス利用が一般的なので、丹沢登山の必需品といっても過言ではないでしょう。さらに、こちらの切符も協賛施設で優待券として使用できます。
また、フリーパスにはAとBとがあります。Aキップは先の内容に加え、大山ケーブルカーが乗り放題になるのです。電車、バスにケーブルカー。乗り物も楽しみたい大山観光にはマストなアイテムですね。
■丹沢・大山エリアのお得なきっぷ
丹沢山地の西側に広がる山域、西丹沢。非常に山深いため、公共交通利用では小田急線新松田駅からバスでのアプローチとなります。ここでご紹介する切符は、電車とセットではなくバス+温泉のお得なきっぷです。
新松田駅から西丹沢へ向かうバスは長距離の移動となるため、登山帰りは体のニオイが気になりますよね。ぜひ温泉に入って帰りたいところです。
そんな時に心強いのが、「西丹沢温泉セット券」です。こちらの券は、バスの往復に加え、途中にある町営温泉「中川温泉ぶなの湯」の入浴がセットになっています。往復だけで2,400円近くかかるので、実際、温泉の料金がまるまる無料になるという驚きの価格設定。信じられません……!
※写真では1,950円ですが、2022年4月時点セット券は2,400円です。加えて、ぶなの湯以外にも「かくれ湯の里 信玄館」「魚山亭やまぶき」でも使えるようになったそうです。
■西丹沢エリアのお得なきっぷ
日光エリアのお得なきっぷ
栃木県の日光エリアには、華厳の滝や男体山、戦場ヶ原など雄大な自然名所が多くあります。しかし、いわゆる“奥日光”と呼ばれるそれらのエリアにバスでアプローチする場合、それなりの出費は覚悟しなければなりません。
そんな時に便利なのが、東武鉄道から出ている「まるごと日光東武フリーパス」!
こちらの切符は、東武線の発駅からの往復と日光市内のバスが乗り放題になるという、日光観光に大変便利なアイテムです。実際に観光してみると、奥日光エリアは結構バスを乗り降りしたくなるので、これ1枚あれば安心して楽しめます。
日光は広く、東照宮周辺、中禅寺湖周辺、そして奥日光周辺と観光エリアを分けることができます。東照宮観光だけならフリーパスは不要ですが、中禅寺湖より先へ行く場合はかなりお得になるので、旅の目的に合わせたご利用をおすすめします。
ちなみに、こちらの切符も協賛施設での優待が可能です。
■日光エリアのお得なきっぷ
お得なきっぷは他にもたくさん
ここまで、ぼくが頻繁に使うお得なきっぷを紹介してきましたが、まだまだお得なきっぷはあるようです。例えば、箱根エリアでは「箱根フリーパス」、三浦半島エリアでは「三崎まぐろきっぷ」、筑波山では「筑波山きっぷ」などなど。
JRを利用して、乗り換えを最小限に抑えたいという方には「休日おでかけパス」も便利かもしれません。ただ、こちらの切符の場合は発駅次第なのと、私鉄を利用すればさらに安くなるため、使いどころが難しい切符となります。
期間限定という点では「青春18きっぷ」も有名ですよね。ただ、いずれも利用していないものに関しては今回まとめていませんので、それはまたの機会にでも。
ということで、せっかく公共交通機関を利用しているのだからと、お得なきっぷのご紹介でした。山旅の目的に合わせて、ぴったりな切符を見つけるのも山を楽しむ一つの要素だと思います。