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なまけたろうと登山ブログ

【茨城】宝篋山 滝と奇岩と大展望の里山ハイキング

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真夏でも親子でハイキングがしたい!となれば、乗り物を利用して高山を訪ねる方が多いと思います。しかし、遠出が厳しく近場の低山がメインフィールドとなる場合は…?

キーワードは、暑さをしのげる豊富な水、気分爽快な大展望、冒険心をくすぐる奇岩!ということは、また茨城の筑波山?いえ、その近くにピッタリの低山がありました。

沢と奇岩を愛でる、筑波山を望む特等席へ。

 

どうも、スラ男です。

 

今回は、茨城県つくば市にある宝篋山(ほうきょうさん)へ親子でハイキングしてきた時のお話です。

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宝篋山は標高461mと、低山ながら関東平野のパノラマや霞ヶ浦鹿島灘が一望できます。四季折々の風景は登山者を飽きさせず、歴史文化財を訪ねるのも面白い。地元の方に愛される山です。

数あるハイキングコースから、真夏の低山ということで沢沿いを歩き、大展望の山頂を目指していきましょう。

 

■宝篋山(2021年8月29日) 目次

 

初めての宝篋山は、沢沿いの極楽寺コースから

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前回の筑波山の時にも思いましたが、つくばエクスプレスからバス利用の茨城ハイキングは、アプローチが短いので非常に便利。どうして今まで気がつかなかったでしょう?

相棒の息子・スラ坊は柱の影でおやつのグミをもぐもぐ…後の「グミ柱」である。

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つくば駅発のつくバスに乗り、最寄りの小田東部バス停までは40分程度。車窓からは、山頂から突き出たアンテナが特徴的な宝篋山を眺めながら。

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バス停から登山口までは歩くこと10分弱。すでに駐車場にたくさんの車が停められており、宝篋山の人気ぶりが伺えます。真夏の低山なのに。

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そもそも、“真夏の低山”ってどうなの?というところですよね。正直、大人でもおすすめされることは多くなく、トレーニング目的やこだわりがない限りはデメリットが目立ちます。

ですが、沢や滝があれば暑さは軽減できますし、たっぷり汗をかいても温泉があればむしろご褒美。真夏の低山も工夫次第で楽しみ方は無限大ということです。

ちなみに今回、下山後に温泉はありません。すでにツラい。

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間もなく9月という時季だから田園風景も見応えばっちり。金色の稲穂が一面に。

奥に見えるアンテナのある山が、目指す宝篋山です。アンテナの他、山頂に宝篋印塔(ほうきょういんとう)が建つことが山名の由来だそう。

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田園地帯からは、極楽寺コースと常願寺コースに分かれます。どちらも沢沿い、滝、奇岩を愛でながらのコースです。ぼくたちは極楽寺コースへ。

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登山道へは、イノシシ除けの扉を通ってから…おっと!!デカいバッタが!調べるとヤブキリというキリギリス寄りの昆虫かな?

昆虫やカエルなど、いろいろな里山の生き物に出会えるのもこの時季の低山の旨味。親子ハイキングならぜひ取り入れたい要素ですね。や、スズメバチだけは勘弁…

 

滝と奇岩が織りなす沢沿いの冒険

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極楽寺コースへ入っていくと、せせらぎが心地よい豊かな緑に迎えられます。この時点で暑さは全く感じられなくなり、気持ちのよいハイキングの入りです。

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本コースではたくさんの滝が見られます。さっそく第一の慈悲の滝が。

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無慈悲……ッ!

 

「滝ないね(´・ω・)」スラ坊の言葉が突き刺さる…!しかし滝はまだまだ続きます。

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コース途中にはハートの石が。「小さいのもあるね」とスラ坊。よく見ると石の上にも小さなハート石が!

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最初はちょろちょろと頼りなかった沢も、だんだんと気持ちの良い水量へ。丸太橋を渡って冒険感もたっぷり。あとは草むらからポケモンでも出てくれば完璧です。

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沢が間近なので、水遊びがはかどるはかどる。

おっと!TKB(つくば)開催落ち葉レースが始まりましたッ!一番人気はヤマノナカオチバ。軽量でしなやかなレース運びが注目です。二番人気はベテランのシダオイシゲール。粘り強い走りが魅力です。

……スラ坊、そろそろ先に行こう。

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おーーっと!!カエルチャン!!!!

 

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さて、話をハイキングに戻します。登山道を進んでいくと、目の前におそらく五条の滝とパックマンのような大岩が。あれは近くまで行って遊びたいですよねえ。

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下から見るとパックマンでしたが、近づくと全然そんなことありませんね(笑)

ただ、ここでは「νガンダムは伊達じゃない」ごっこができます。頼むぅー!スラ坊、やってくれ!やってみる価値はありますぜ!え?ダメ!?

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さらに歩いていくと、ザクっと切れ落ちた岩を流れる白滝が。この滝がコース内で一番見応えがありました。

沢も終盤というところで、休憩所が見えてきました。ここで小休止。近くにいたシニアハイカーご夫婦と仲良くなり、一緒に山頂を目指すことに。

 

地元愛を感じる、大展望の山頂

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ここが地元だというご夫婦。宝篋山の良さや、隣にある小野小町(おののこまち)の伝説が残るという低山、小町山(こまちやま)についても教えてくれました。そこはぜひ歩きたいですねえ…!

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山桜の森へ入っていくと、宝篋山の大岩群が現れます。この辺りには富士岩という巨岩もあり、奇岩の山・宝篋山のハイライト。ただ、看板のない奇岩もあるので、全部は見られなかったことが悔やまれます。

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ヤマザクラ、コブシが群生する森の中央には、立派なテーブル、ベンチが整備された休憩適地が。花の時季はここで休憩したいですねえ。

休憩地から先のトイレ休憩を済ませ、山頂までもうひと踏ん張り。

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巨大アンテナの建つ宝篋山山頂が見えました。スラ坊とハイタッチ。

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アンテナの脇には山名由来の宝篋印塔も。現代では巨大アンテナのほうが目立っていますが、昔はこの塔が麓から見えたのだろうか?

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さて!気になる宝篋山の山頂ですが、ぐるり一周大展望なのに加え、何がすごいかってテーブル、ベンチ等の設備です。

実は、宝篋山は十数年前までは荒れた山だったそう。それを地元ボランティアの方々が道を拓いて整備し、今日、多くの方に愛される人気スポットとなったようです。なるほど合点がいきました。それで随所に立派なベンチがあったんですね。

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そんなありがたいベンチに座らせてもらい、ぼくたちも昼食を。日清のカップヌードルはフタのシールを撤廃し、ダブルタブ仕様に。

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このダブルタブ、裏側を見るとなんと…ニャー!ネコがいました。調べると、いないことも多いそう。稀にネコじゃないのも?

あ、ネコといえば。

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立派なネコミミ筑波山(つくばさん)が目の前に!!

そう、宝篋山からは筑波山の立派な山容がド迫力で望めます。また、大パノラマが得られることから、初日の出も人気とのこと。今回は夏でしたが、空気の澄んだ冬も間違いないですね宝篋山。

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食後のデザートに凍らせたみかんゼリーをつついていると、山頂から少し下のほうに気になる旗が見えました。ま、まさか、あれはかき氷屋さん!?

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いやはや、山頂でかき氷がいただけるとは思いもしませんでした。話を聞くと、夏の間だけお店を出しているとのこと。

山盛りのかき氷に好きなシロップをかけまくるスラ坊。今日一番楽しそうです。よかったね。ところで、ライトアップされた鍾乳洞みたいだ…!

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ラーメンも、かき氷も、そして絶景も堪能。名残惜しいですが、そろそろ下山せねば。ここまで一緒に歩いたご夫婦に挨拶して、帰りは小田城コースから一気に下山します。

 

帰りも大展望、楽しみ方無限大の宝篋山

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宝篋山の山頂は全てのコースにつながるので、高尾山や筑波山並みにコース選びが悩ましい。今回は一気に下山するので、淡々と歩けそうな小田城コースへ。

歴史好きなら、鎌倉時代から常陸南部を治めた小田氏の居城・小田城を訪ねるのも面白そう。

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あれほど賑やかだった極楽寺コースに比べ、小田城コースですれ違った人は2~3人ほど。ここで歴史散策も何か違うなと思うので、足早に下山。しかしでっかいキノコに足が止まる!これはすごい!

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途中、浅間神社が祀られた巨岩からは、山頂に匹敵する大展望が。これにはクールに下山していたスラ坊も「すっげえええええ(; ・`д・´)」と、目を輝かせていました。

うわーーー!スラ坊、今すっごい絵になってるよぉぉぉ!!パシャパシャ!

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大展望の後は純平歩道と合流し、ひたすら下っていきます。山頂から一時間とちょっとで無事に下山しました。

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下山後は小田城跡でも見学しようかと思っていましたが、下界の暑さで断念。そういえば、夏だということを忘れていました。行きと同じバス停まで戻って、あとはつくば駅までぐっすり。

この日は涼をとるために、沢の極楽寺コースからスピード下山の山行となりました。しかし、季節とコースの組み合わせで無限の楽しみ方ができる宝篋山。また訪ねたい素敵な低山が見つかりました。

 

宝篋山の親子ハイキング、終わりに

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真夏の暑さは大丈夫かなぁ。あまり行かない山域だけど大丈夫かなぁ。そんな不安がこっそりとあった今回の親子ハイキング。結果、期待をいい意味で裏切る最高のハイキングとなりました。何より真夏の低山でも涼しかったのは大きい!

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特に、山頂の居心地の良さは筆舌に尽くしがたいものがあります。ここはぜひ訪れて、思い思いの楽しみ方を見つけるのに最適の場所だと思います。

後は、麓に温泉があるということなしなのですが…(笑)

 

次はどの山に行こうかな。