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なまけたろうと登山ブログ

【秩父】宝登山 ロウバイと天然氷、息子と冬の長瀞へ

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秩父の花の季節は早く、長瀞町にある標高497mの宝登山(ほどさん)では1月下旬頃から山の中で花見を楽しむことができます。この時季、多くの観光客が黄色い花・ロウバイをお目当てにやってくるそう。

麓から山頂直下までのロープウェイを利用して、お手軽に花と歴史と絶景を。ロウバイから漂う甘い香りに誘われて、山頂一帯が黄色く染まる賑わいの山へ。

 

 

どうも、スラ男です。

 

 

今回は、埼玉県長瀞町にある宝登山へ、息子を連れてロープウェイを利用してハイキングしてきた時のお話です。

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宝登山は麓から山頂直下までロープウェイが通っておりますので、初心者やファミリーも気軽にハイキングを楽しむことができます。

それでいて、広い山頂からは秩父盆地と、武甲山両神山といった秩父を代表する名山を望むことができ、四季折々の花に彩られるというのですから、人気も納得の山といえます。

 

宝登山(2020年1月25日) 目次

 

お手軽!新型特急ラビューに乗って秩父

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「NEXT SEIBU」と銘打って、2019年3月にデビューした西武鉄道の新型特急Laview(ラビュー)。そのデザインコンセプトは、「いままでに見たことのない新しい車両」ということで、確かに近未来的な外見をした車両です。

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池袋から長瀞へ向かうには、東武東上線から秩父鉄道へ乗り継ぐのも一つですが、今回はこの新型特急に乗りたかったので、まずは西武秩父駅へ。

手前ではしゃぐのは、息子スラ坊。「何してんの?」と聞くと、どうやらこのポーズは「ラビューのまね」だそうです。なるほどわからん

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初めての特急に乗る時は、年齢に関係なくワクワクしてしまいます。可愛らしい黄色の座席は、どこか温かみが感じられ、座り心地も最高!

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何より、ラビュー最大の特徴といってもいいのが、この大きな窓

足元まで広がる窓から見る景色は、いつもとちょっと違ったものが見えるかも?実際、所沢付近でトトロの看板を見つけました。

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ラビューの車内に興奮しきりですが、もう一つ。駅ナカのコンビニで発見したこちらのプラレール。そう、特急レッドアロー号です。

2003年頃に販売されたレッドアローのプラレールは、2019年現在では廃盤となっていましたが、今回「小江戸」として復活を果たしたのです。

※レッドアローは2020年3月に西武池袋線を引退し、西武新宿線のみを走ることになりましたので、その記念販売でしょう。

 

当初はラビューのプラレールを買ってあげようと思っていましたが、ぼくの独断と勢いでついレッドアローを買ってしまいました。なお、スラ坊は喜んでくれたので、ヨシ!

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あっという間に西武秩父駅に到着。名残惜しいですが、ラビューとお別れし、お次は秩父鉄道に乗って長瀞へ。おっとどうしたスラ坊!?

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「ポテくまくんかわいすぎる(*´ω`*)」

 

 

わかるぅぅぅ!!!(*´∀`*)

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「これもってかえりたい(´・ω・`)」

 

 

どうも息子はポテくまくんの大ファンのようです。ポテくまくん可愛すぎるから仕方ないね。しかし、看板は持って帰ったらあかん

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西武秩父駅から歩いて5分ほどで秩父鉄道御花畑駅に到着。ここから長瀞駅までの往復の場合は、この「ながとろ満喫きっぷ」が便利です。

正味20分の秩父鉄道ですが、石炭の貨物列車やEL(電気機関車)仕様のパレオエクスプレスなどが見られて大興奮の道中でした。

 

ロープウェイを利用して、“狼”のいる奥宮へ

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長瀞駅からは、土日祝やお祭り期間中などに宝登山ロープウェイまで直通の無料シャトルバスが出ています。これに乗れば便利ですが、宝登山神社までの参道には魅力的なお店が多数ありますので、約20分の道のりを歩いていくのも一つです。ぼくたちは帰りで歩きますので、今は乗っちゃいます。

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ロウバイが見頃となるこの時季、宝登山ロープウェイの大混雑を予想していましたが、さほどでもなく安心。ちなみに、ロープウェイを往復利用するなら、先ほどの「ながとろ満喫きっぷ」を掲示すると割引が適用されますよ。

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ロープウェイは山麓から山頂駅まで、高低差約236mを一気に稼いでくれます。車内では、宝登山の観光情報や歴史などの解説があり、景色と一緒に空の旅を盛り上げてくれます。ぼくの好きな日本武尊ヤマトタケルノミコトと狼についてもちらりと。

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山頂駅に降り立つと、目の前には鋸歯状に岩稜が連なる名山・両神山(りょうかみさん)が。手前にロウバイが並んで咲きますので、タイミングが合えばロウバイ両神山のコラボレーションが期待できます。

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ロウバイの花は、漢字で書くと蝋梅。ロウ細工のような梅、という意味ですが、実は梅の花ではないようです。ウメはバラ目バラ科の植物なのに対し、ロウバイクスノキロウバイ科だそう。よく見ると確かにあまり似てないかも。

黄色く可愛らしい花ですが、その特徴に甘い芳香が漂うというのがあります。顔を近づけてみると、ほんのりと甘く優しい香りが感じられました。

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さて、ロウバイに彩られた登山道を散策しながら宝登山神社奥宮へ。

ひとたび鳥居の中に入ると、先ほどまでの朗らかな空気が一変した気がします。ちなみに、宝登山神社の御祭神は、神武天皇大山祇神オオヤマツミノカミ)、そして火産霊神ホムスビノカミ)の3柱。

この3柱をこの奥宮にお祀りしたのが、ヤマトタケルその人です。

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宝登山神社の御由緒によれば、その昔、ヤマトタケルが東征でこの地を訪れた際、山火事に見舞われたといいます。絶体絶命と思われたその時、白と黒の山犬たちが燃え盛る火を見事に消し止め、ヤマトタケルの命を救ったというのです。そして、山頂まで導いた後、影のようにどこかへ消えたそうな。

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その出来事から、ヤマトタケルは山犬をこの山の神使と見定め、める、つまり“火止山(ほとさん)”と名付けたということです。その火止山が後に霊場として栄え、宝登山(ほどさん)と改められたそう。

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奥宮の授与所で、火防や魔除けに霊験のあるオオカミの御札を見つけました。

先のヤマトタケルのエピソード通り、白と黒のオオカミが描かれています。このオオカミの御札は、各地の狼信仰の根付く神社で目にすることができるので、密かに気になっていたり。

 

日本のオオカミは絶滅したとされていますが、狼信仰は今も生き続けています。秩父の旅では、ヤマトタケルとオオカミのことを頭の片隅にいれておくと、より一層旅が味わい深くなるかもしれませんね。

 

ロウバイまつりで大賑わいの山頂

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奥宮から山頂を目指し、西ろうばい園を通っていくと、ちょうど見頃を迎えたロウバイたちが見事に咲き誇っていました。

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青空と黄色のコントラストがとても美しく、ついつい見惚れてしまいます。そんなぼくに、息子スラ坊は「おはながきれいすぎるから、おとうさんがとまっちゃう!」とご立腹のようす。怒っていても相手へのリスペクトは忘れない、これは素晴らしいお手本だぞ…!!(; ・`д・´)

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宝登山の山頂は、大勢の人で賑わっていました。その内訳は、登山者の装いの方と、普段着の方とで半分半分くらい。ロープウェイがあるおかげで手軽に楽しめるのがこの宝登山の魅力の一つです。

一方で、長瀞アルプスと呼ばれる縦走コースもあるので、初心者から経験者まで幅広く親しまれている山だということがわかります。

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山頂の展望スポットからは、秩父を代表する山々を見渡すことができます。

中でも武甲山両神山は、別格の存在感を放ちます。以前、この山頂から両神山の彼方に沈む夕日を見届けましたが、言葉にならない感動でした。

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山頂で昼食休憩を終えた後は、再びろうばい園を散策して下山へ。やはり宝登山ロウバイは見事で、度々足が止まってしまいます。

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帰りもロープウェイを利用なので、ぼくはもとより、スラ坊にしてもいつもの親子ハイキングよりも歩き足りなかったかもしれません。下山後、長瀞岩畳を見学に行くプランもありましたが、今回はいいそうです。スラ坊め、早く帰ってプラレールで遊びたいに違いない!

山麓のロープウェイ駅でいつものお土産を購入し、これでぼくもスラ坊もみんな幸せ。ポテくまくんはやはり最高だぜ…

 

長瀞観光、人気の阿左美冷蔵

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帰りはシャトルバスに乗らずに、駅まで歩いていきます。まずは麓にある宝登山神社へ。山頂にある奥宮に対し、麓にあるこちらは里宮です。ちなみに、里宮の狛犬は、オオカミではなく普通のタイプでした。

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宝登山神社は、秩父神社三峯神社と並び秩父三社と称されます。いずれの神社も、絢爛豪華な本殿の彫刻山の神様と深い関わりがあるということが共通しています。

また、それぞれの神社に関わりのある宝登山武甲山、三峰山の三山は、いずれもヤマトタケルの伝説が残っていますから、ヤマトタケルの足跡を追ううえでも見逃せないスポットです。

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さて、宝登山神社から駅方面へ歩いていくと、季節外れのかき氷の旗が見えてきます。ここは阿左美冷蔵 寶登山道店」阿左美冷蔵といえば、秩父の天然氷で有名ですよね。夏にはウン時間もの長蛇の列ができるとか。

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ですが、シーズンオフの冬場でしたら、さほどの待ち時間もなく美味しい天然氷を味わうことができるのでは?と思い、行ってみると狙い通りすんなりとお店に入ることができました。店内は暖かいので、「寒いのでは?」と心配な方もご安心です。

さすがに一人一個では多いので、スラ坊と半分こ。きなこ味のかき氷は初めて食べましたけど、絶品でした。美味しい!(*´∀`*)

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ロウバイ、かき氷と、秩父の冬を堪能した締めくくりは、やはり温泉です。西武秩父駅まで戻って、駅近の祭の湯にドボン。

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複合施設である祭の湯は、温泉はもちろん、フードコートで秩父グルメが一堂に会していますから最高です。秩父ソウルフードであるみそポテトは、一度食べたら病みつきになること必至です。

お土産も買って、美味しいものもたくさん食べて、今回の親子ハイキングもスラ坊はとても喜んでくれたようです。

 

宝登山の親子ハイキング、終わりに

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宝登山ロウバイは、西と東のろうばい園で見頃にズレがありますので、長い期間で楽しむことができます。また、ロウバイの見頃を過ぎても待ったなしで梅の花が咲き乱れ、梅の終わり頃に今度は麓の桜が見頃を迎えます。

冬から春にかけての長瀞宝登山は、いつ訪れても最高の山旅を約束してくれるに違いありません。

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また、秩父のグルメは美味しいものがたくさんありすぎて困ってしまいますが、今回食べた阿左美冷蔵のかき氷はさすがの美味しさ。かき氷は夏の風物詩ですが、冬の寒い日に食べるのも一興ですよ。

 

次の山旅はどこに行こうかなぁ。