厳しい冬の寒さによって生まれる芸術的な風景が見たい!美味しいフルーツが食べたい!なんなら軽くハイキングもしたい!そんなわがままなお願いを、いっぺんに叶えてくれる場所が秩父にあるといいます。
今回は、都心からほど近い秩父・芦ヶ久保で見られる氷の芸術、「あしがくぼの氷柱(ひょうちゅう)」へ親子でハイキングした時のお話です。
どうも、スラ男です。
氷柱(つらら)というと、先っぽの尖った今にも落ちてきそうなものをイメージします。ぼくもアクションゲームの雪ステージのやりすぎでしょうか、100%そのイメージです(笑)
しかし、秩父の冬の名物「秩父路三大氷柱」の一つ、あしがくぼの氷柱はそのイメージを見事にひっくり返してくれました。
■あしがくぼの氷柱(2018年1月13日) 目次
秩父の冬が生み出す氷の芸術、あしがくぼの氷柱
冬の芦ヶ久保駅の魅力はなんといっても氷柱なのですが、ハイキングの拠点となる道の駅や、フルーツ狩りの楽しめる果樹公園と、他にもたくさんの魅力があります。そんな芦ヶ久保へ、今回は家族と一緒に電車利用で行ってきました。
飯能駅で一度乗り換えます。スラ坊は行きの電車ではめったに寝ないので、こういう時は乗り換えが多いほうが助かるんですけどね(笑)
芦ヶ久保駅に到着すると、この時季はもう氷柱押し一色です。この駅はハイキングの拠点としても優秀で、駅直下に道の駅があるため駐車場、飲食、物販、トイレなどなど、何の心配もありません。
山の上の駅に立つと、いつもの秩父の土の香りに包まれます。この香りがたまらなく好きで、帰ってきたなという感じがするんですよね~。
奥多摩の木の香り、西丹沢の水の香りも好きですけど、やっぱり秩父がホーム感あります。住んではいませんが。
さて、氷柱の会場へ行くには、のぼりが立ち並ぶ方へと進みますが…氷柱観光の方は間違ってもこの魅力的なトンネルをくぐらないように。
この先は映画『千と千尋の神隠し』の湯屋に通ずる…ではなく、登山道となっており、熊の目撃情報も多発しています。
氷柱の会場へはちょっとした山道を登って行きます。やっぱり氷柱の冷気が流れてきていますね、思った以上に冷え込んでます。受付にて環境整備協力金を支払い、はしゃぐスラ坊をブンブン振り回しながらてくてく進んでいくと…
おお~~!!見事な氷柱にご対面です。天井から下に向かって尖った氷柱ではなく、地面からニョキニョキと伸びる氷柱や、草木を覆う氷柱があたり一面に見られます。
苦しい登山道を経て、山頂に到達した時のカタルシスってスゴイですよね。それと同じ気持ちが今まさに解き放たれています。駅からたった10分なのに。
あしがくぼの氷柱は、凍りついた山の中を歩けるように通路が設けられており、まるで氷の迷路を歩いているように思えます。こういった意味でも、ぜひぜひ子どもに見せて触れさせておきたい景色ですね。
スラ坊は手前の氷を見て「きょうりゅうさん!」といっていました。なるほど、確かに左向きのティラノサウルスの上顎とキバっぽい。
事前情報では、まだ雪が降っていなかったからきれいな氷柱が見えるとのことだったので、とても楽しみにしていました。快晴にも間に合い、青みがかった美しい氷柱に大満足です。
氷柱の隙間からは先ほどまで乗っていた西武鉄道の線路が見えるので、電車を絡めた撮影も人気となっています。また、この先にも撮影スポットがあり、そこにはご丁寧に電車の時刻表まで設置してあります。
先に進むと触ったり乗ったりできるスペースがあり、大人も子どもも皆さんつるつる滑っていました。それにしても、子ども目線だと氷柱というより氷壁のようですね。
ロープも凍っていたので、手ぶくろも持たせて正解でした。
そして、おそらくメインスポットであるこちらの広場。今までも十分でしたが、一面に広がる氷柱に圧倒されてしまいます。夜になれば氷柱はライトアップされ、よりムーディーな空間が演出されます。
一部だけ凍りつく山の光景は、雪山とはまた違った趣がありますね。何だかゲームの世界にいるかのよう。
何だかわからないけど、モリモリ凍っているところもありますよ。氷柱が形成されていく様子とかも倍速で見てみたい。
そしてここが例の電車の撮影スポット。やっぱり撮りたいのは特急レッドアローとの構図ですよね。しかし、すでに行った後でした…
氷柱会場の山頂広場に着くと、ボランティアの方々による甘酒または横瀬産紅茶の無料サービスや、焚き火などの温かいおもてなしが待っていました。
横瀬町のゆるキャラ、ブコーさんと、氷柱の顔出しパネルが設置されており、スラ坊が気に入ったようで何回も顔を出していました。氷漬けになったスラ坊はちょっとシュールでしたね。(笑)
山頂広場直下に氷柱を間近に見られる場所があり、ボランティアのおじさんも「この下もぜひ見てってね!」とのこと。まるで氷の洞窟みたいです…!
いやはや、あしがくぼの氷柱、自分が思っていたよりも何十倍も素晴らしかった。30分くらいで見終わるかなと思っていたけど、とんでもなかった。
芦ヶ久保でいちご狩りと、秩父グルメを堪能
さて、本日のメインイベントであるあしがくぼの氷柱を見終えた後、じゃあもう帰るんですか?ってそんなことはありません。
冬の秩父は、氷柱のほかにもいちご狩りが賑わいを見せています。
いちご狩りができる農園は芦ヶ久保に何箇所かありますが、道の駅からほど近いこちら、「めんや 木の子茶屋」さんに行ってみることにします。店内の食べ物も非常に魅力的ですが、まずはいちごを…
こちらのお店ですが、実は芦ヶ久保から続くハイキングコース上にも同名のお店があるようです。そちらには行っていないので詳細はわかりませんが、ぼくたちが訪れたのは「めんや 木の子茶屋」さんです。
詳細情報が得られなかったため、事前予約は入れずにその場で受付をするという半ばギャンブルでしたが、すんなりと入ることができました。
ビニールハウスの中はぼくたちのほかに一組いるだけで、ほぼ貸し切りで楽しむことができました。大粒のいちごは酸味が少なくしっとりと甘味があり、受付のおじいちゃんに聞くと、品種は「やよいひめ」だそうです。
30分間のいちご狩りを存分に楽しんだ後は、すぐ隣のこちら「道の駅 果樹公園あしがくぼ」で大休憩といきましょう。
この道の駅の名物は、こちらのずりあげうどん。聞きなれない名前ですが、釜揚げうどんのようなイメージかと思い調べてみると、下記のようにありました。
秩父地方に古くから親しまれてきた食べ方で、麺を茹でるときに硬めに茹でて、茹で汁としょう油・ネギ・ゴマ油等の薬味を使ってずりずりと麺をひき上げながら食べます。
さっそく食べてみようと店前の券売機を見ると、なんと全て売り切れ!?繁忙期でこの寒さとあっては、午前中で売り切れは必至かもしれませんね。
いくらたくさん食べたといっても、いちごはおやつのようなものなので、そろそろぼくたちも昼ごはんにします。はたらくくるまをじ~っと見つめるスラ坊を連れて行くのに苦労しました。
けどな…わかるぞスラ坊、ショベルカーはあまりにも魅力的だ。
秩父に行ったら食べてみたいものナンバー1決定戦があったら、間違いなくこれに一票いれますね。それがみそポテトです。
この道の駅には気になる施設がもう一つ。それが、焼きたてパンです。パン屋に入った時の香りって最高ですよね…いつでも大好きな香りです。
そんなパン屋ですが、手前にあるチョコ&ミルクのパンがめちゃ美味しい!食べる時、フワ~っとケーキ屋さんの香りがするんです!※個人の感想です。
さて…お待ちかねのみそポテトです。初めてのみそポテトにドキドキです…
カリッホクッ、甘辛でうまいッッ!!
そして、みそポテトと一緒に秩父グルメの一つわらじカツ丼も注文。こちらも甘辛い味付けでご飯が止まらなくなる味です。ここで一つわかったのが、ぼくは秩父の甘辛い味付けが大好きだということですね。
もう全部うまいッッ!!
ハイキングもできる芦ヶ久保、今回は…?
氷柱鑑賞、いちご狩り、そして秩父グルメと芦ヶ久保を堪能し、もう帰ってもいいんじゃないかなぁと思ってきた頃。
しかし、まだまだ遊びがたりませんよ。それではこの後ハイキングへ…?
いえ、無理にハイキングで山頂を目指すのではなく、中腹にある公園を目指します。写真の道標にもある農村公園。ここには長~いローラーすべり台があるとのことなので、気になりますよねぇ。
急勾配の車道をえっちらおっちら登っていきます。ローラーすべり台を滑りたいがために頑張る妻と、ちょっと歩いては抱っこを要求するスラ坊。お前高尾山での歩きっぷりはどうしたんだい?振り返れば武甲山に見守られ、公園を目指します。
山道に入って歩いた先に…お目当てのものが見えてきました!あ、あれはァー!!
これが横瀬町で一番長いというローラーすべり台です。この農村公園はアジサイの名所でもあるとのことで、それはそれで魅力的ですね。
また、ここには菖蒲田や池もあるのですが、冬なのでご覧の通り。パリーンと凍結した池を見て、スラ坊は不思議そうにしていました。
さてさて、ローラーすべり台ほど心躍る遊具って他にあるでしょうか?いや、ありません。素晴らしいことに、ここにはマットやら段ボールやらが置いてあるので、ローラーすべり台の魅力を存分に楽しむことができます。
では…いざああぁぁぁぁ!ゴォォォォ!!!!
大喜びの嫁とスラ坊、計6往復ほど滑り台を楽しみました。お尻腫れた絶対。
日没前に余裕をもって駅へと引き返します。ダイヤモンド武甲山とはなりませんが、神々しい武甲山に感謝です。二人のリアクションを見ると、この公園まで来て良かったかなと思います。
秩父観光の締めは、西武秩父駅前温泉で
軽ハイキングも終えて、さすがに疲れました。帰りの電車くらいゆったりしたい。とくれば、終点の西武秩父駅まで行って祭の湯に入って特急で帰るというのはいかがでしょう。ここなら温泉にも入れますし、夜ご飯も食べられ、なおかつ特急で池袋までぐっすり寝られます。
ということで、今回はあらかじめ「秩父漫遊きっぷ」を用意しています。秩父観光にお得なフリーきっぷで、なおかつこの祭の湯に入るならもはや必須アイテムです。
■秩父観光にお得なフリーきっぷ
去年の4月にできたばかりの「西武秩父駅前温泉 祭の湯」は、温泉はもちろん秩父土産や秩父グルメ、ありとあらゆる秩父に触れられる施設です。
初めて秩父観光をするならば、まず行ってみて間違いないと思います。秩父グルメを食べるにしても、まずはここでどんなものかを知って、気に入ったグルメの本店などへ…なんていうのが手軽でいいのではないでしょうか。
祭の湯はオープンしてからちょっとドタバタしていましたが、楽しみにしていたというのもあり、高尾山温泉のようにきれいでいい温泉でした。
さて、お楽しみの夕食ですが、やっぱりここは秩父グルメでしょう。味噌豚丼でしっかりとエネルギーを補給したいと思います。果たしてお味は…?
やっぱり全部うまいッッ!!!
後はもう帰るだけです。特急レッドアロー号に乗って、夢の世界へ…行く前に!!この時季のみの重要なお知らせがありました。
帰り道の芦ヶ久保を通る際に、なんと氷柱の前でアナウンスが入り、ライトアップされた氷柱の景色を見ることができます。
どうか、その幻想的な光景を車窓から見るまでは我慢してくれッ!見終わった後はどうぞ夢の中へ…さすがにヘトヘトだったのでしょうね、二人ともぐっすりでした。
こうして無事に楽しんだ秩父・芦ヶ久保観光。他の氷柱も気になるところですが、初めての氷柱を芦ヶ久保にして良かったと思います。なんてったって駅から近いし、いちご狩りとの合わせ技も魅力ですから。