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なまけたろうと登山ブログ

【山梨】西沢渓谷 大自然に癒やされて、景勝地・西沢渓谷へ

長雨のせいで暑さよりも湿度との戦いが多かった今夏。ここ数日はすっかり秋の気配がただよい、朝晩は涼しい風が感じられます。

そんな中で、避暑後・紅葉前という穴場的な季節を狙って、奥秩父の人気スポットでもある西沢渓谷(にしざわけいこく)へ行ってきました。

 

どうも、スラ男です。

 

以前からいつか行きたいと計画していた奥秩父の西沢渓谷。ルートは?温泉は?その他の観光は?といろいろとプランを練ってはいたものの、実際に歩いてみると移動距離もあって全部賄うのは困難を極めました。さすがに遠かったよ…

そして気になるのが、西沢渓谷の名物というよもぎ。これはよもぎ餅愛好家としては黙っちゃいられません。

ということで、今回の旅は山梨県塩山駅(えんざんえき)からスタートです。

 

■西沢渓谷(2017年9月9日) 目次

 

清涼感溢れる渓谷美を求めて

駅前のロータリーには、始発時間だというのにもう登山者の列ができていました。ちなみに今回は独り歩きではなく、姉と姉の友人と一緒のパーティ登山です。

この日のオトモたろう。ちょっと綿が少なめの脱力系です。

たまには皆でワイワイハイキングということで選んだ西沢渓谷だったけど、結果として、こないだ歩いた大多摩ウォーキングトレイルよりもググっとアドベンチャー感が溢れる山旅となりました。

山梨交通バスに乗って、終点の西沢渓谷入口を目指します。バスは増便され2台出ていたので、おかげでぎゅうぎゅう詰めもなく快適な乗り心地でした。

途中、武田信玄菩提寺となる恵林寺や、山頂直下の鎖場が有名な乾徳山(けんとくさん)を見送り、約1時間で渓谷入口に到着します。

さて、西沢渓谷へ向かう前に、ここドライブイン不動小屋で物資調達が可能です。ぼくはこちらのよもぎが食べたくて、事前に調べてきました。天然よもぎ100%ということで、いい行動食になりそう。二つほど購入し、一つをポケットに忍ばせました。

さっそく一つ!!

 

うおお!!ヨモギィィィィィ!!

 

ぼくは今回の山旅の大満足を確信しました。まだ1時間バスに乗って、よもぎ餅を食べただけにも関わらずです。

茶番もほどほどに、キツネの道標に見送られ、いざ渓谷の中へ。

バス停からすぐに西沢渓谷ではなく、まずは舗装路を20分程度歩きます。工事車両が止まっているゲートの横をくぐってGOです。

おやおや?変わったスズメですねぇ。どう見てもたろうです。本当にありry

8月下旬から9月上旬にかけては、残暑が厳しいざんしょなんて涼しげなギャグをかましても暑い!というのに、ここ西沢渓谷はとても涼しい。沢の音、清涼感、そして緑色の風景がその全てがCOOL!です。

西沢渓谷では10箇所以上もの滝を見ることができ、中でも最深部にある七ツ釜五段の滝が有名だそうで。歩きはじめてしばらくすると、最初に見えてくるのがなれいの滝

奥まった位置を流れているので、橋からはギリ見えるくらい。しかし、山深いところから聞こえる音は、これから始まる渓谷歩きの壮大なイメージを膨らませてくれるには申し分ありません。

おや?コロボックルかな??手前眩しいんですケド?

なれいの滝から程なくして奇妙な建物が見えてきたら、ねとりインフォメーションの広場に到着しました。あの建物は、登山者にはうれしいトイレなのです。

思わずジッと見てしまうこちらは、西沢渓谷の鳥瞰図。自宅のトイレに飾っておきたいです。そしたら小一時間は出てこなくなるぞ(笑)

トイレもあるし、西沢渓谷へ向かう際、この広場でじっくりと準備ができます。せっかくなので、ウッドチップの敷かれた東屋でハチ?と密会。

インフォメーションから先は、鶏冠山(とさかやま)日本百名山の一つである、甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)への登山道につながっております。行ってみたい…!

 

眩しい青、深まる緑、色とりどりの渓谷歩き 

沢沿いを歩いているとどうしても沢に下りてみたくなるというもの。うっひゃ~~!!この冷たさ、透明度はいいぞ~!奥多摩よりも西丹沢の雰囲気に似ている気がします。

おお…なんというか…もうずっと歩いていたくなりまする…!

しばらくすると、現在は廃業となっている西沢山荘が見えてきました。こうした廃業となった施設はいつまでもこのままなのだろうか?

山荘近くにある、田部重治文学碑を読んでみる。最近になって読書欲が出てきたのは喜ぶべきか、旅をしている人の本を読んでみたいですね。その人がその景色を見て何をどう感じたのか…などなど。

歩きやすい平坦な道が続きます。難病である「アチコチキニナール」を発症してしまった一行は、牛歩で参ります。

二俣吊り橋を渡れば、いよいよ西沢渓谷の入口です。見た目しっかりしているけども、さすがに吊り橋。グラッグラ揺れます!

グラグラ橋からは、山の谷間にそびえ立つように独特の山容が見えてきました。あれこそ「ニワトリのトサカ」のような形をした鶏冠山です。

この先で鶏冠山への登山口につながりますが、向かっていく人は見ませんね…

秩父多摩甲斐国立公園・西沢渓谷!!ドドン!いいですね、いいですねぇ~。

階段を登った先、草木の隙間を流れる大久保の滝が見えます。

滝を見ると乾杯したくなりませんか?ということで、マイブームじゃないけど滝を見ながら水を飲むのがちょっとした楽しみ。今回持ってきたのは珍しい「晴れと水」という商品。

よもぎパワーと水パワーを得たぼくは、まさに鬼に金棒、水を得た魚。ズンズンと歩いていくと、突如眼下に青色のきらめきが見えた!? 

まるで水の芸術、森の宝石、とんでもなく美しい景色が飛び込んできた!テンションは最高潮!え?ここがゴールですか?と言ってもいいくらいだぜ。 

さらに、滝見台もあるというので、興奮冷めやらぬうちに行ってみましょう。 眼下の滝に目を奪われながら、左上の滝見台を目指します。「すごいすごい!」と、気分は初めて遊園地にきた子どもだろうか。 

滝見台から見えるこの流れが、三重の滝です。いい眺めだねぇ~。あの釜部分がいいんだよねぇ。 い~い場所です。ずっとここにいてもいいくらい。 

先ほどの「滝見台」の道標まで戻り、渓谷を進んでいきます。ここより先はアドベンチャー感溢れるワイルドな道となりますので…気を引き締めましょう! 

それにしても水がきれいで…ついつい足が止まってしまいます。 前日まで雨が続いていたからか、水量も申し分なし。快晴の日だったけど、渓谷内はヒンヤリと気持ちがいい。これこれ、こういうのを待っていたのです。

 

あ!ちょっと待って!!

 

 

 

カエルさん……///

 

尊みを感じる一瞬に出会えました。

俄然盛り上がりを増した一行は、緑の増していく渓谷の奥へと進んでいきます。渓谷歩きは楽しいな♪…なんて頭の中で思いながら、そういえばぼくってずっと森の中を歩いている気がするなぁ、と振り返ってみる。それはそれでいいんだけど、そろそろ稜線からの大展望が恋しくなってきました。

 

名水探訪、西沢渓谷

この西沢渓谷のすごいところは、その称号の数だけでもわかります。

森林セラピー基地」「21世紀に残したい日本の自然100選」「平成の名水百選」「森林浴の森100選」「水源の森100選」「新日本観光地100選」「日本の滝100選」など、挙げればキリがありません。ちょっと贅沢すぎない? 

しかし、そんな数多くの称号も納得の素晴らしい景勝地です。ここらの山域では5~6月のシャクナゲが有名みたいですが、この季節でも結構花が咲いていましたね。 

花も滝も見られる中で、さらには川の侵食が生み出した奇岩も楽しませてくれます。ホイッスルのようにも見えますが、「フグ岩」とのこと。右側が頭かな? 

ひょろひょろとですがアジサイもまだ咲いており、5月の新緑からこの季節までずっと楽しめそうですね。この後には紅葉も待ち構えているんだからやっぱりすごいや西沢渓谷。 

ドバドバ~!と勢い良く流れる滝のそばには、ちょっと足を止めてしまうスポットが。 それがこちらの「人面洞」。青緑色の水を湛える洞の奥が顔に見えるそう…?うーむ、こういうのっていつもわからないんだよなぁ。

のんびり歩いていると、だんだんと後続のパーティが追い上げてきます。朝イチでは人もポツポツだったけど、人気の場所ですもんね。 

ちょいちょい見かけたこのお花。なんだっけなぁー…全然思い出せません。花の勉強もしておかねば。

ちょっと足元に視線を移せば、この透明度!!!これを見にきた。かつての上州屋のCMを思い出します。「水は、地球の、命です」(至言) 

 

そう、命とは水なんだ…!!

   

だんだんと山深くなっていきます。思っていたよりアップダウンも多く、歩き応えも十分です。急な岩場は、鎖の補助を受けて登ったほうが安全かも。

そろそろ滝かな~という絶妙なタイミングで滝がお出迎えしてくれます。これまた迫力ある滝ですね?なんて滝でしょうか。現場のたろうさん! 

竜神の滝というようですね。ここいらで最深部の七ツ釜五段の滝まであと半分を切ったというところでしょうか。楽しみがどんどん増えていきます。 

竜神の滝の先、か細い流れの情緒ある恋糸の滝を見送って、お次に見えてきたのは貞泉の滝。こちらの滝は登山道のすぐ近くを流れているため、間近に迫れます。 

効果音は「ダァァァァァァァ!」って感じですね。元気ですかーッ?!

興奮度に比例してか、登山道はワイルドさを増していきます。水辺の岩の上を歩くわけだから、西沢渓谷の注意書きにもある通り、足回りだけでもある程度の備えがあると安全度が増しますね。

ところで、写真は載せませんが、ここで大変奇妙なモノを発見。葉っぱにくっついた枯れ葉のような…いや、これは何だろう?凝視してみると…動いた!?イモムシ??!

頭部付近の触覚(手?)、反り返った尻尾部分。何だコイツは初めて見るぞ。その正体は、後で調べたらシャチホコの幼虫ということがわかりました。うへぇぇ~~~…ほとんどエイリアンです。

しかし、先のヒキガエルもそうですが、珍しい生き物に出会えて一行のテンションは上がっています。苔から滴る水も素晴らしい!ぼくは虫より苔のほうが好きだな。

ほどなくして母胎淵と呼ばれるスポットに到達しました。いったい何がどうなったらあんな空間ができるんでしょうか。侵食とは不思議です。というか、見る場所見る場所で本当に水がきれい!

緑だって負けていられない!陰り具合いといい思わず魅入ってしまいました。

この透明度を見ると、西丹沢の景色を思い出します…するとアラ不思議、今すぐにでも西丹沢に行きたくな~る…危険です。

渓谷入口から道中に休憩できるようなポイントはほとんどありませんが、唯一この河原で休憩が可能のようです。清流をBGMにしたランチもいいな~。

おや?あの真ん中に見える不思議な岩はなんでしょう?あ!あれがカエル岩だ!そうそう、これも見たかったスポットなのです。

 

おっ、邪魔ゥーーー!!!

 

前回の奥多摩で出番の少なかったたろうも、今回は爆裂出番でうれしそうです。

このカエル岩の先、橋を渡った先に今回のハイライト、七ツ釜五段の滝が待っています。その手前にある急な登りを攻略し、いよいよ…!

 

風光明媚な七ツ釜五段の滝

方丈橋を渡った先に待ち構えるのは、これまでにない程急な登り。といっても、距離も短くすぐ終わるのでびっくりすることはありません。 

道標の先、激しい飛沫の音とともに見えてきたの七ツ釜五段の滝。その名の通り、七つの釜と五段の滝が連なっており、スケールの大きさに痺れます。

緑色の眩しい風景で訪れたけども、これが紅葉ならどうなる…?これはまた季節を変えて来たくなりますね~。 

この七ツ釜五段の滝は、この階段の上で正面から眺めることができます。混雑期ならここが人とカメラでびっしり埋まるのでしょうが、幸運なことに空いていました。 想像以上の滝に、しばし見惚れながらも先へ向かいます。 

滝の周りをクルリと進んでいくと、なるほど!今度は横からのアングルで再びの七ツ釜五段の滝!!いや、これはいいぞ。いいサプライズだ。 

縦にも横にも奥深いこの滝に、すっかりと惚れてしまいました。やっぱ滝めぐりはいいなぁ~。今冬は氷瀑を見に行きたいな。

さらに進んでいくと、たっぷりと水を湛える釜部分にキラキラと落ち葉が光って見えた。これって…紅葉時季に来たらもっと風情があるのでは…?でも混むよなぁ~! 

この日一番の見応えがあった七ツ釜五段の滝に後ろ髪を引かれつつ、一行は渓谷の頂上部分を目指して進んでいきます。 

すると見えてきたのは、おそらく頂上までの標高稼ぎと思しき階段と、シャクナゲ群生地と書かれた看板。ここら一帯がシャクナゲで囲まれており、見頃にはそれは美しい光景を想像してしまいます。

なだらかな道から最後階段ラッシュというのは、高尾山の稲荷山コースを思い出します。観光で来ている軽装の方々は、ここで苦戦していました。無事に登りきればここが休憩広場となるので、とりあえずお疲れさまです!

頂上には休憩スペース他、トイレも設置されている安心設計。やっぱり観光地は隅々までサービスが行き届いていますね。さてさて、ぼくたちもここでランチタイムといきましょう。

さぁて、ザックからおにぎりを取り出して~と。おっと間違えた。これはたろうちゃんだった。 

休憩広場からは、左側に独特な山容の鶏冠山、そして右に木賊(とくさやま)が望めます。ということは、あの木賊山の奥に甲武信ヶ岳があるんだ…! 

奥秩父山塊への思いは募る一方です。この気持ち、まさしく恋だッ!!

奥多摩ではスヤスヤと眠っていたと思われるてる坊も、今回は大活躍。そういえばこいつ、左頭部に「富士山」のヘアピンをしていたのだが、スラ坊に食いちぎられました(笑)

さてさて、休憩を終えたあとの帰り道は旧森林軌道を歩いていきます。かつて使われていたロッコの名残に沿っていきますよー。 

この旧森林軌道は平坦で単調な道が続きますが、途中にはいくつかの橋やシャクナゲの大群落がありますので、時季を合わせれば見応えは十分。そして、終盤に待っていたのがこの大展望台!!

やっぱりここからも鶏冠山と木賊山。「とさか」と「とくさ」、親戚かな?

お!これはトロッコ本体か!?トロッコというとどうしてもボンバーマンドンキーコング星のカービィで登場する箱型のイメージが強いですが。

それにしても、レールが斜面ギリギリまで迫っているということは、昔はこの道は今よりもっと広かったってことでしょうか…?

ほぼ枯れているカワズ池を見送り、林道に合流します。 

どうやらたろうも奥秩父が気に入ってくれたようです。

ほどなくして、最後にねとり大橋を渡ればねとりインフォメーションに到着です。いやぁ、初めての西沢渓谷、大満足の内容でした!! 

帰りのバスは、臨時便だったのか時間よりも早く出発してくれました。しかし…このバス一時間が誘う眠気は…や、ヤバイ……ぐぅ~。

塩山駅に戻ってきたら、山梨といえばのブドウにちなんだお土産を購入。買ってきたぶどうジュースを、スラ坊が「おいしー」とゴクゴク飲んでくれました。やったぜ! 

帰りは新宿でお疲れ様会。ハイキング後でも飲み会で使う元気は別腹なのです。その元気も、西沢渓谷あってのもの。今回の感想を一言で言うなら…

 

間違いありませんね。 西沢渓谷、本当に素晴らしい場所でした。

 

次はどこへ行こうかな。