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なまけたろうと登山ブログ

【日光】半月山~社山 ツツジを求めて、風薫る中禅寺湖へ

5月は関東各地でツツジが見頃ということで悩ましいツツジの山ですが、夏への下見も兼ねた日光はどうか。中禅寺湖にはヤマツツジミツバツツジも、さらにはアカヤシオシロヤシオも見られるという欲張りな山があるということで。つまりそれって最強のツツジ山?

というわけで、今回は日光が舞台。半月山(はんげつやま)社山(しゃざん)のお話です。

 

 

どうも、スラ男です。

 

ゴールデウィークにツツジを見に秩父へ行ったにも関わらず、もっともっとツツジが見たい欲にかられています。

そんなツツジ欲を満たすために、日光へ。中でも、中禅寺湖と日光男体山をベストアングルで捉えられるという半月山は、今回の旅のハイライト。

果たしてツツジとの最高の出会いはあるのか…!?

 

■半月山~社山(2017年5月20日) 目次

 

ツツジが咲き乱れるという日光・半月山へ

いつも通り早起きして、始発の鈍行電車で東武日光駅へ向かいます。

 

のはずでしたが!

 

何をボーッとしていたのか、乗るはずだった電車を目の前で見送ってしまうハプニング!電車を見送った後にハッ!と気付き、慌てて時間を確認。幸い予定に大きな変更はなかったものの、30分のロスとなってしまいます。

何で動けなかったんだろう?グルドが金縛りでもかけた?

出足をくじかれましたが、今年の3月にも訪れた東武日光駅に到着です。あの時は雪を被っていた女峰山もご覧の通り。

今回も出発駅から東武日光駅の往復、そしてバスが乗り放題となる最強のフリーパス「まるごと日光 東武フリーパス」を使っちゃいます。目的地が奥日光の場合は、このフリーパスを使ったほうが絶対にお得です。 

バスで新緑のいろは坂を攻めた後、バスターミナルに到着。いろは坂ではヤマツツジが鮮やかできれいでした。まずは一つめのツツジを発見。 

中禅寺湖方面へ進むと、交差点に大きな鳥居が現れました。日光二荒山神社中宮の大鳥居。今回はここを左折します。 

目的地である半月山へは、まずは中禅寺湖のほとりを歩いていきます。新緑の湖畔歩きというのも、今回ここを選んだ理由の一つ。 

その半月山(写真左端)は湖畔から望むことができ、そこから右に下っていき一山越え、そして大きく登り返した先が社山です。この縦走路が今回のルート。

白鳥さん…正直ぼくは心配です。この縦走を無事に終えられるかどうか。登山靴がそろそろ限界かもしれません… 

湖畔ではシャクナゲが見頃を迎えていました。ツツジだけでなくシャクナゲまで、半月山はもしかしたらこの時季が最適解かもしれません。

それにしても、湖畔歩きというのはなんとも気持ちがいいですね。若い緑の香りに加えて、ほんのり磯の香りも漂います。それに涼しい!

しばらく歩くと見えてきたのは、立木観音が有名な中禅寺。ここにはぜひ寄りたいので、帰りにでも。

中禅寺を過ぎた先の分岐を右側へ。この辺りでシロヤシオが見られるとの情報がありましたが…?思いのほかツツジがありません。期待してていいんですよね!?

これか?!いや違う。シダ類はこの辺りにだけ群生してました。

イタリア大使館別荘記念公園では、ミツバツツジシャクナゲが一緒に咲いていました。ところでシロヤシオは? 

別荘地を、シャリシャリと小気味よい砂利の上を歩きながら眺めます。右手側には中禅寺湖が広がっており、ここで優雅なひと時を過ごすのも一興。 

シャクナゲを間近で見られるのはこの別荘地まででした。

大使館記念公園内をてくてく。登山口まではまだしばらくですが、このコースは緑に包まれていて飽きがきませんね!

  

ねえ、ところでシロヤシオは??

 

 

展望台より望む男体山と、空より青い中禅寺湖

公園の先からは、中禅寺湖の水際まで迫れました。この時点で既に標高1269mもあるので、空の上の浜辺?というおかしな表現になります。考えてみれば、東京スカイツリー2本分空の上に湖があるって不思議です。

下半身まで浸かっている釣り人たちが目立ちますね。中禅寺湖ヒメマスが名物で、マス好きなぼくも興味津々です!

そんな釣り人たちをよそに、遊歩道をどんどん歩いていきますよ。聞くところによると、中には朝からずっと水の中に浸かってる猛者もいるとか。

それもう伝説のフィッシャーマンじゃん。

中禅寺温泉バスターミナルから歩くことおよそ1時間。ようやく半月山登山口に到着しました。ここ狸窪(むじなくぼ)から本格的な登山道になりますが、道中は整備が行き届いており、日光というネームバリューがいかに多くの登山客を呼び寄せているかが感じられますね。

ところどころでたろう休憩を挟みます。この辺りはバイケイソウが目立ちました。

つづら折り無間地獄にあえいでいると、半月峠へ到着しました。気持ち的にはやっとという感じですが、コース全体を通すとまだほとんどスタート地点なのは内緒。

この半月峠から手前に半月山へ、或いは奥側の社山へ向かうことができます。立ち位置のせいか指導員のようにも見えるおじいちゃんとは、なんとこの先3回も出会うことになります。奥様を「おかあちゃん!」と呼ぶコミカルな口調が印象的でした。

 

おじいちゃん「今年はシロヤシオ全っ然なかったよ!

 

え、マジヤシオ?

 

去年は5月20日前後がドンピシャだったそうですが、こればかりは。ぼくの明らかな物欲センサーのせいか、開花中のシロヤシオは一つもありません。

ツツジは残念だけども、半月山展望台からの景色がそもそもの楽しみなのだから、それはそれ、これはこれの精神で己を奮い立たせます。

半月山へ至る登山道は大変狭く、人一人が通過するのがやっと…なんですけど!すごい大勢のパーティが下山してきました。これはいったん退避!

ところで左端にある花、あれがもしやのアカヤシオ?ちゃんと見なかったのが惜しまれますが、笹の斜面に一本咲く花は、大勢のパーティに負けないくらい目立っていてきれいでした。

急斜面を登った後は、稜線が彼方まで続く絶景が広がっていました。左側に見えるのは、半月山の駐車場です。そうそう、なんとこの半月山、車でもアクセスできちゃうんです。おまけに期間運行ですがバスもあるようです。

程なくして、お待ちかねの展望台が見えてきました!この展望台からの絶景が見たいがために半月山へ行ったと言っても過言ではない!

いや絶景かな!!この素晴らしい景色を、素晴らしい天気で迎えられてやったああああ!!!

中禅寺湖の東側には、関東以北最高峰の日光白根山(にっこうしらねさん)が見えています。この「関東以北最高峰」という響き、めちゃくちゃかっこいい!

さらに視線を東にずらすと、この後行く予定の社山が見えました。あそこまで登り返すということは、秩父小持山から武甲山の時のような感じ?

いつまでもこの展望台にいたいけど、ちょっと人が多くなってきました。また後で戻ってきますし、とりあえず半月山まで行くことにします。

 

満開のアカヤシオ、しかしその他のツツジは…?

お目当てのアカヤシオは、この展望台近くで一際鮮やかに咲いていました。もちろん社山までの道中で何箇所か見かけることになりますが、ここが一番花付きが良かったかもしれません。 

展望台からすぐに半月山へ到着となります。付近に駐車場があるからか、子ども連れや普段着の人もちらほら。山頂は木々に囲まれており展望は利きません。

そしてまた展望台へ戻ります。誰もいなかったので、独り占めだぜ。ご丁寧にここから見渡せる山々も書いてあるので、山座同定が楽ちんです。

おにぎりをパクつきながら、3月に歩いた戦場ヶ原を眺めます。あの時は雪原でしたが、いつかまた懐かしの木道を歩いてみたい。

眼下の八丁出島付近には、中禅寺湖を遊覧する船が見えました。ああいうのに乗ってみるのも楽しみの一つですねえ。 

展望台での小休止の後、少し名残惜しいけどまた半月峠へ。これより先は一山登った後に大きく下りが続きます。情報ではここから次の峠までが最高のツツジロードとのことだけど…?

途中にあった、中禅寺の名を冠する中禅寺山は、そのビッグネームの割には特徴のない小ピークで肩透かし。

中禅寺山から次の阿世潟峠(あぜがたとうげ)までは、開放的な急下降です。ここからがシロヤシオやらミツバツツジやらが咲いているという最高の場所のはずですが…? 

 

なにも…な゛かった…!!

 

ということで、割とあっさり阿世潟峠に到着してしまいます。当初の予定では、色とりどりのツツジを楽しんでいたはずなんですけど…

またいつか来ればいいよね。さて、ここから社山までは1.3kmかぁ…

 

度重なる偽ピーク、大展望の稜線歩きの先へ

社山まで延々と登り続けなければなりません。朝に見たあの光景が、牙を剥いて襲い掛かってきます。ここからは度重なる偽ピークとの心理戦です。

あのピークが山頂に違いない…!」と思ったら、まず違います。

道中はスミレさんに元気をもらう。小さいながらも品のある花ですねぇ。細い道の先に展望が見えてきたということは、もしかして山頂か?(錯乱)

 

違ァーー。゚(゚^∀^゚)゚。ーーう!!

 

確かにピークには違いないですが。

ただ、この展望が救いです。これから向かう先に伸びる稜線を歩くというのは、樹林帯をひたすら歩いているのとではワクワク感が全然違います。この辺りは社山から帰ってくる人たちとの中間地点のようで、だいぶ賑わっていました。 

右手に見える中禅寺湖男体山、そしてアカヤシオ。このトリオが疲れた登山者たちの心をどれほど癒やしてくれただろうか? 

進むにつれて男体山の裏側も見えてきます。背後にそびえるのは、男体・女峰山夫妻のご子息的存在の太郎山(たろうさん)。いつかたくさんのたろうを連れて、その頂に立つことを夢見ます。

 

五飛(ウーフェイ)教えてくれ…

俺はあと何回偽ピークを踏めばいい?

 

そんなこんなで、一生懸命登りようやっと念願の社山へ辿り着きました。情報によれば、このすぐ先には絶好の休憩広場があるそうです。

木々の間を抜けた先には原っぱが広がっており、登山者たちは皆思い思いの休憩で景色を楽しんでいました。 寝っ転がる人も多く、その気持ちも最高にわかります。

さあ、半月山から無事に社山までたどり着けましたが、まだ下山が残しています。たろうを眺めてひと息もいいですが、最後まで気は抜けません。

 

帰り道は新緑の湖畔歩き!中禅寺湖はどこまでも 

ところが、社山からの下山はあっという間で、登った時の苦労は一体どこへ行ってしまったんだろう?というくらいあっさりしていました。

阿世潟峠から中禅寺湖へ下るルートがあり、ここは整備が行き届いているので非常に歩きやすい。途中で白い花を見つけたのでまさかシロヤシオ?とまだ諦めずにいましが、絶対違いますよね。オオカメノキだそうです。

標高をぐっと下げれば、青葉の眩しい森歩きが始まります。

瑞々しい葉っぱを見上げた時のキラキラは…この時季だけのプレゼント。これが見たいがために森歩きをしていると言っても大げさじゃないです。

浜辺があったら下りていくしかない!波打ち際でパチャパチャ遊ぶ親子が印象的でした。

ザザー… ザザー…と、海にいるみたい(笑)

のんびりと遊歩道を進んでいると、森のほうでガサゴソ! ま、まさか…!シカ!!

シカが有名な丹沢でもなぜか未だに会えないぼくが、まさか日光でシカに会えるなんて思いませんでした。こっち向いているシカと、その右奥にもう一頭。しばらく観察して、森の中へ歩いていくシカを見送り、また歩きはじめます。

サプライズで登場したシカの後、山の中ではあまり見かけなかったミツバツツジ。次登るときはお願いだから咲いていてね。

 

初公開に誘われて、中禅寺の吉祥天

下山後のお楽しみにとっておいた中禅寺に立ち寄ります。なんと吉祥天初公開の期間中でしたので、疲れてはいましたが即決です。

歌ヶ浜駐車場側から境内へ入り、まず気になったのがこのおどろおどろしいコブ。代わりの瘤というものらしいけど、まさに自然が作り出したミラクル!どうやったらこんな風に木がボコボコになるのでしょうか。

お目当ての吉祥天前では、タイミングよくお坊さんが案内してくれました。吉祥天は意外に小さく、神々しい姿をしていました。確か、歌ヶ浜に現れた吉祥天が、その歌声で勝道上人を導いたというお話です。

吉祥天のお話を聞いた後は、立木観音のある中央のお堂へ案内されます。「立木」というのは、根を張って立ったままの木を彫刻して作られた観音様ということで、非常に珍しいものなんだそう。

立木観音の二階からは、中禅寺湖とその向こうに広がる雄大な景色を堪能できます。近くの看板にサル注意と書いてありましたが、さすが日光です。

境内にはシャクナゲがきれいに咲いていましたよ。これを山中で見られたらまた一味違ったんですけどね。もしかしたらぼくはツツジとの相性が悪いのかも。

中禅寺は坂東札所でもあり、「坂東まわられているんですか?」と聞かれました。興味はありますが、違います。今はただの観光客です。

特別公開期間中は、吉祥天の御朱印もいただけるようです。

中禅寺でお寺のお勉強をした後、中禅寺湖を眺めながらの食事で締めくくります。これも下山後のお楽しみの一つ。惜しむらくは、この近辺の日帰り温泉であった日光レークサイドホテルが改修のため休業していたことです。

名物のヒメマス料理が食べたかったのですが、所持金を言い訳に日和りました。しかしこの湯葉そば、しみるほどウマい。

たろうたちもお腹を空かせているのでしょうか。どけると少し温かくなってた…

こうして半月山・社山の山旅を堪能したぼくは、帰りは東武線の新型特急リバティを見ることができました。乗ったわけではありません。近未来的でカッコイイ!最近思うけど、帰りは贅沢に特急でもいいよなぁ。

 

半月山~社山の山旅、終わりに

今回、初の日光登山ということで半月山と社山を訪ねましたが、いつかこの男体山も、夏のニッコウキスゲを見に女峰山も、そして、たろう繋がりで太郎山も…!!登りたい山がたくさんあるエリアです。

首都圏から容易にアクセスできるのに、大自然と壮大な景色が待っている。日光・奥日光が人気なのも納得の山旅となりました。