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なまけたろうと登山ブログ

【奥武蔵】天覧山~子ノ権現 燃える紅葉、飯能アルプス

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県立奥武蔵自然公園の玄関として、豊かな自然と歴史が魅力の埼玉県飯能市。飯能から秩父のエリアは奥武蔵と呼ばれ、子どもから大人まで楽しめる魅力的な山々が並びます。

奥武蔵に並ぶ山の多くは標高1000m以下のいわゆる低山で、歴史探訪や四季折々の花、雪の少なさから冬でも歩ける山が多く、また都心からのアクセスが便利なため、日帰りハイキングのメッカとも言えます。

ですが、そんな奥武蔵に点在する山々を繋いだコースがあるそうな。今回は、飯能駅から続くご当地アルプス真っ赤に燃える紅葉、そして美味しいうどんのお店を目指して歩いてきた時のお話です。

 

どうも、スラ男です。

 

11月下旬、秩父の標高の高い所では紅葉も散り始めてしまう頃ですが、低山ではちょうど見頃を迎え、場所によっては紅葉祭りも開かれます。

そこで今回は、以前から気になっていた東郷公園の紅葉祭りへ。駅から近い所にある秩父御嶽神社が会場なのでアクセスも便利。しかもこの付近には魅力的な山が多いので、飯能駅から伊豆ヶ岳までを結ぶ「飯能アルプス」と呼ばれる登山ルートに目をつけました。

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低山の縦走といえど、容赦なく襲いかかるアップダウンは決して侮れない。紅葉と美味しいグルメを求めての山旅が始まるわけです。

 

■飯能アルプス(2018年11月25日) 目次

 

歴史に展望、地元に愛される天覧山

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飯能市には標高200mないにも関わらず、飯能市街地はもちろん、奥多摩や奥武蔵エリアの山々、そして富士山までもが望めるという展望自慢の山があります。それがこちら、天覧山です。

今回のスタートは、まずは飯能駅から天覧山を目指していきます。駅から登山口まで20分、そこから山頂までも20分ほどと抜群のアクセスを誇るため、11月下旬の早朝発だとちょうど山頂付近で日の出を拝める計算です。

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…だったのですが、朝起きていきなりの大失敗。

 

寝坊した!!

 

予定していた時間よりも1時間遅く起きてしまい、大慌てで支度をします。これが遠方の山だったら諦めるのですが、目的地が自宅からのアクセスが便利な場所だったのが不幸中の幸い(?)でした。

山頂から日の出~なんて期待してましたが、逆に暗い登山道を歩かずに済んだので、これはこれでよしと気持ちを切り替えます。

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天気予報は晴れだったのですが、7時20分現在、雲は多め。今朝の寝坊もあり、ザックと一緒に不安も背負ってのスタートとなります。

道中には丁寧な道標が立っているので、迷うことなく目的地へ辿り着けそう。

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向かう天覧山はハイキングコースが整備されており、子どもからお年寄りまで多くの方に親しまれている、飯能市のシンボル的な山だそうです。それは商店街を歩いていて見かけたシャッターの絵からも伺えました。

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登山口に近づくと同時に、嬉しい場所にコンビニが一軒見えてきました。よく見ると、お店の中にはどこかで見たキャラクターが…?

どうやらこちらのタイムズマートは飯能市が舞台の作品『ヤマノススメ』にも登場しており、いわゆる「聖地」となっているようです。ヤマノススメの人気はSNSを通してもわかるので、作品をよく知らないぼくでもキャラクターの名前くらいは覚えました。

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天覧山へ入る前に、麓の名刹能仁寺へ立ち寄ることをオススメします。

というのも、こちらのお寺は紅葉の名所であり、さらには2015年に放映された月9ドラマ『5➝9 ~私に恋したお坊さん~』のロケ地でもあります。

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ぼく自身ドラマは数回しか見ていませんが、主演の山下智久さんが佇む境内を見て「これどこのお寺だろうね」と妻と話していたことを思い出します。

 

 

意外と近くでした。

 

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紅葉の名所とあって、境内の紅葉は見事なものです。中でも、青々とした竹林と紅葉の風景は、日本のお寺ならではの風景美です。これは当初の予定通り、日の出前に訪れていたら見られない景色でしたね。

境内の見どころとして庭園もあるそうですが、それはまたの機会にでも。ひと通り散策したら、天覧山の由来が書かれた案内板が立つ登山口へと進みます。

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案内板によれば、元々は愛宕山と呼ばれていたこの山は、徳川綱吉の時代に羅漢像を奉納したことから羅漢山と名を変え、その後、1883年に明治天皇が登頂されたことを記念して「天覧山」と呼ばれるようになったそうです。

登山口からひと登りで、開けた場所に出ました。ここは天覧山中段です。あずま屋やきれいなトイレもありますので、ここでちょっとトイレ休憩を。

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中段から先、山頂直下の分岐は上述の羅漢像が見たかったので左側へ。羅漢像の案内板には、病に倒れた徳川綱吉を心配した母・桂昌院が、飯能出身の大名である黒田直邦のすすめで能仁寺の和尚を頼り、和尚の祈願により綱吉は回復したとあります。そして感謝の印として羅漢像を奉納したそうな。

駅から天覧山までは正味40分のハイキングですが、小さな山ながらもたっぷりと歴史が詰まっているといえます。ちなみに、徳川家に50余年仕えた黒田直邦は、お隣の多峯主山で静かに眠っています。

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羅漢像の先は岩場となっており、小さなハイキングコースとは思えないようなダイナミックさを味わえます。小さな子ども連れでも安心して登ることができるので、今度は息子と一緒に行きたくなりました。

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岩場を登りきると、本日一つ目の山頂、標高195mの天覧山に到達です。寝坊により大慌ての朝だったため、この展望をツマミに朝ご飯の予定でしたが…いかんせん雲が取れず、おにぎりを一つだけパクついて先へ進みます。

 

風情ある谷戸、伝説の残る多峯主山

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天覧山に登る際は、お隣にある多峯主山(とうのすやま)もセットで訪れる方が多いそうですが、その理由はハイキングコースの歩きやすさだけではなく、二つの山に残る歴史の充実さも魅力だからではないでしょうか。

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ぼくも今回の縦走路に点在する歴史や伝説を楽しみにしながら、まずは天覧山から続く階段でぐぐっと標高を下げていきます。

下った先の風情ある谷戸には「マムシに注意」の看板が目立ちます。マムシだけではなく、この湿原には多くの生き物が見え隠れするのでしょう。夏などに訪れて、日本の原風景にロマンを感じるのもよさそうです。

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この辺りは「飯能笹」という県指定の天然記念物が自生しているとのことですが、なにか他のササとも混生しているようなので、どれがどれだか…(;´Д`)

そんな笹も気になりますが、この見返り坂には源義経の母である常盤御前が景色の良さに見惚れて何度も振り返ったという伝説が残っています。

 

そういえば、越生町にある顔振峠も、義経が何度も振り返ったとありました。親子ともども絶景にロマンを感じるのが好きだったのでしょうか。意外な所に繋がりを感じてしまいます(笑)。

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静かな針葉樹林帯を歩きながら、山頂直下の分岐は鎖場のあるほうへ。ここの鎖場は「子ども専用」とあります。

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鎖場を超えれば多峯主山の山頂にたどり着き、天覧山と同じく市街地や奥多摩方面など文句なしの展望が待っていました。

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加えて、向かう秩父方面の展望も開けました。8時20分頃になってようやく青空が広がったので、遠くの山々がよく見えたことにひと安心。

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天覧山でかなわなかったツマミが揃ったところで、続けざまにご飯です。今日はこの後の縦走路をガシガシ歩きたいのと、終盤でうどんを楽しみにとっておきたいため、前倒しの昼食にしました。

ぼくは山に持っていくご飯として、トムヤムクンヌードルを好んで食べています。山旅の疲労に酸味がよく合うし、スープも飲みやすいのでゴミの処分にも困らないのがいいですね。タイ料理が好みという方にはオススメです。

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さて、お湯も注いで準備は整いました、が!

 

 

ハシが入ってない…

 

 

慌てたからハシを準備し忘れたんだ…朝寝坊の毒がじわりじわりと効いてきたような気がします。しかし、食べないと頑張れませんから、木の枝をよく拭いてからハシ代わりにして食べました。

気(木)のせいか、寒空の下で食べたトムヤムクンは、いつもよりややワイルドな味わいに感じられました(´・ω・`)。

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ホロリと涙が零れそうになった昼食を終え、奥多摩方面をよく見てみると富士山が望めました。まだまだ縦走は始まったばかり、富士山から元気をもらって次の山を目指します。

 

西川材の産地・奥武蔵の見事な植林

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これから向かう天覚山までの道のりは、ほぼ針葉樹に覆われた植林地帯です。季節によってその表情を変える落葉広葉樹に比べ、常緑針葉樹が立ち並ぶ植林地帯を歩くのは、多くのハイカーにとって退屈な時間かもしれません。

正直ぼくも退屈に思いますが、せっかくの山旅ですから、この乱れなく立ち並ぶ木々にスポットライトを当ててみるのも一つです。その話は後ほど。

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多峯主山から次の山へ行く前に、黒田直邦のお墓と雨乞池に立ち寄っていきます。こちらの雨乞池は今まで一度も枯れたことがなく、池の水を濁すと雨が降るという伝説などもあるそう。濁ってるように見えるけど大丈夫だよね?

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八幡神社方面へ進んでいき、こちらの分岐が見えたところで久須美坂へ。この分岐以降、道は段々と荒ぶりを見せ、これまでが整備されたハイキングコースだっただけに油断していると痛い目に。

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滑り落ちるような下りが続いたと思ったら、すぐさま急な登りへ切り替わり。こういったアップダウンが地味ながらも確実に体力を減らしていきます。

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多峯主山から30分ほどでいったん車道に出ます。車道を渡って右へ行くと左手側に登山口が見えてきました。奥まで進むと急な階段が待ち構えています。

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先ほどの多峯主山から見た住宅地がまさにここです。思ったより住宅が近いので、熊鈴の音を止めながらコソコソと歩いていきましょう。

イメージではこの辺りは熊とは無縁かと思っていましたが、飯能市のHPを見ると結構な数の熊の目撃情報があるようです。

 

飯能市の熊について

www.city.hanno.lg.jp

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暖かな陽が差し込んだ樹林帯をしばらく歩くと、ケルンの上に小さな山頂標がありました。ここは永田山というようですが、久須美ケルンとも呼ばれています。

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視界を埋め尽くすように立ち並ぶ針葉樹の間を縫うように進み、坂を登った先、小さな祠のある久須美山へたどり着きました。

しかし、歩いても歩いても針葉樹林。さすがにこれでは飽きてしまう…そんなふうに考えていた時期が、ぼくにもありました。

 

植林の多いここ入間川流域は西川林業といわれており、良質な木材である「西川材」の産地として知られています。西川材は江戸時代から続く歴史ある木材で、「江戸より西の川からくる木材」ということからその名となりました。

そんな西川材を育む山を歩いているのだと考えれば、この単調な針葉樹林の景色も別の見方ができそうです。

 

■西川材について

www.city.hanno.lg.jp

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ネットでよく見かけるクネクネ踊っているように見える道標がありました。どこかで見たなと思ったら『サタデー・ナイト・フィーバー』だこれ…

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決して軽い気持ちで来たわけではありませんが、登っては下り、また登ってはまた下りの連続に、立ち止まる回数が増えてきました。この飯能アルプスが、低山だけどハードな縦走と言われる所以がわかります。

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遠くから人の声が聞こえると思ったら、すぐ目の前にゴルフ場がありました。こちらの飯能グリーンカントリークラブの脇を歩いていくのですが、柵のないところではボールが飛んでこないかヒヤヒヤします(;´Д`)

覚醒したガウェインばりのショットでもなければ心配なさそうですが…

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下った先に車道が見えてきたら、東峠に到着です。天覚山方面に少し進めば、ひっそりと薄暗い登山口が見えてきました。ふう、疲れたー!

ちなみに、本日の行程ではここでちょうど半分くらいです。

 

 

スラ男は考えるのをやめた。

 

 

続く飯能アルプス、天覚山と大高山

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薄暗い中、シダ植物が不気味さに拍車をかける登山道は、これまでの温もりを感じる樹林帯とはまた異なった趣を見せています。

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また、きれいに黄葉した木々もちらほらと見えてきたのも嬉しいところ。

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登山口から20分ほどの登りで、緑色の山頂標が特徴的な天覚山に着きました。

 

ところで、天覚山と大高山は奥武蔵の中でも比較的地味な場所だそうですが、『ヤマノススメ』に舞台として描かれた影響からか、多くの人に歩かれていることがブログやレポートからもわかります。実際、この日もヤマノススメのTシャツを来た方とすれ違いました。

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山頂からは奥多摩方面の展望が開け、特徴的なふた山は左が大岳山、右が御前山ですね。どちらの山も山頂標が御影石のものに変わったとのことなので、また改めて行きたいところです。

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天覚山で小休止の後、大きな倒木などを跨ぎながら尾根道を歩いていくと、大高山が目の前に見えてきました。こうして切り取って見てみると、結構迫力のある山容をしています。

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数えきれないほどのアップダウンを繰り返し、着実に体力が奪われていきます。しかし、目の前には道中の見所となる大岩があったのでつい登ってしまいました。特に何が見えるわけでもなく…それより気になるのは真下にある看板の注意書き。プロとはいったい…?

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山頂手前の急登にため息を漏らしつつも、大高山にたどり着きました。この独特の山頂標は、伊豆ヶ岳でも見たような気がします。狭い山頂の南側には、葉が落ちる冬のみ展望が期待できます。

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ただ、展望は天覚山で楽しみましたので、足早に山頂を後にします。何せまだ先は長いので気が抜けません。崖とも思える急な下りを慎重に歩いていくと、再び林道にぶつかりました。

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ひと呼吸おいて、林道を挟んだ向かい側へまた登り返しです。少し道が緩やかになってきたと思ってきたところで、前坂の分岐に出ました。

ここで吾野駅に下りることもでき、現在12時ちょうど。ぼくもこの後の行程を熟考します。もともとの予定よりも一時間遅いスタートとなってしまったので、残りの行程と照らし合わせるとこの日のお楽しみであった「休暇村奥武蔵」の日帰り温泉には間に合いそうにありません。

しかし、下山後に電車で移動して温泉に入ってもいいのでは?と思いつき、ゼリー飲料でエネルギーとともにモチベーションの回復にも成功します。

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前坂から続く平坦で歩きやすい道を進んでいくと、舗装路の坂道に飛び出します。11月下旬だというのに暖かく、手持ちの水の残量が気になってきました。坂道をゆるりと登っていくと右手側に展望が開け、少しだけ爽やかな風が吹いたので、ささやかな応援と受け取ります。

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舗装路から再び登山道へ入ると、木の間から眼下に採石場が見えました。「発破実施注意」の看板に武甲山を歩いた時のことを思い出しながら、お地蔵様を目印に黙々と登っていきます。

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前坂から子ノ権現までの道のりは、「山と高原地図」では破線ルートです。どんな荒れた道かと身構えていましたが、この時季だときれいに色づいた広葉樹が気持ちのいい登山道でした。

これまでの多くが針葉樹林帯だっただけに、この区間の山の明るさは格別です。ただ、小さなアップダウンはこれまで通り続いています。

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見上げれば、燃えるように鮮やかな紅葉の天幕が目を楽しませてくれます。紅葉は終盤までお預けと思っていましたが、まさかのサプライズでした。

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ところどころに設置されている、手書きの看板を見落とさないようにしながら分岐点はスルギのほうへ。ちなみに、正面方向にある堂平山は、1月下旬に山火事が発生したときがわ町の堂平山とは別の山です。

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六ツ石の頭という小ピークで休憩していたハイカーさんを見送って、登って下りてを繰り返し、スルギの分岐にたどり着きます。

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道標を大きく左に回り込んで、あんなに明るかった広葉樹林はどこへやら。再び薄暗い針葉樹林帯へ突入していきます。ですが、ここまで来れば目的地の子ノ権現まではあと少し!

 

足腰守護の名刹・子ノ権現と、浅見茶屋の絶品うどん

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子ノ権現は正式には天龍寺というお寺で、「足腰守護の神仏」として有名です。境内にある日本一を誇る鉄わらじの迫力は凄まじく、その御利益を求めてハイカーはもちろん多くの方に親しまれています。

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ぼくは子ノ権現を訪れるのは二度目で、以前訪れた時は大した準備もせずに登山道をさまよい、酷い目にあったことを強く記憶しています。

その時にお世話になった参道のお茶屋さんで黒糖まんじゅうを購入し、ここまでの苦労を労います。疲れた時の甘いもの、最高に美味し!

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今後の山旅の安全をお祈りした後は、お目当てのお守りを探しに行きます。

以前SNSで見かけた時からずっと欲しかった、リュック型の登山守です。実物も可愛いので、息子のリュックにつけてあげようかな。

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そういえば、子ノ権現には謎の白い手があるという噂をご存じでしょうか。

その手は竹寺へ向かう道中にあり、『大乱闘スマッシュブラザーズ』をプレイしたことがある人ならマスターハンドを彷彿させる姿をしています。

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調べてみると、著名な彫刻家さんに寄贈された作品のようです。何にせよ、フォトジェニックなスポットであることは間違いありませんね。

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子ノ権現から舗装路を下っていき、途中から山道へ入り下ること15分ほどで浅見茶屋さんに到着です。何組か並んでいたので、しばし待ちます。

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安政2年に建てられたという古民家の落ち着いた雰囲気に、店内で流れるジャズがよく合います。店員さんの細やかな気遣いにほっこりしながら、一番人気の「肉汁釜揚げうどん」とご対面。まずこの趣のある見た目で心を鷲掴みにされてしまいます。

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コシのあるうどんはそのまま食べても美味しく、またしっかりした甘さを感じる肉汁が疲れた体に染み入ります。あっという間に完食してしまいました。

ネイビー、それはお風呂ではないぞ…?

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美味しいうどんはもちろんのこと、甘味にも力を入れている浅見茶屋さん。自家製のバニラアイスはシャリシャリとしており、スッキリとした甘さ。肉汁うどんの後にこの組み合わせはいいですねぇ。

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大満足のうどんを後に、いよいよ山旅のクライマックスである紅葉祭りへ。前を歩くハイカーさんが立ち止まっていると思ったら、ねこちゃんがにゃーお。

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しかし全然こっちを見てくれません(;´Д`)

 

な゛ん゛て゛に゛ゃ゛あ゛!

 

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スピードワゴンよろしくクールに去っていくねこちゃん。ミーは悲しくなんてな゛い゛に゛ゃ゛あ゛(´・ω・`)

 

燃えるような紅葉、東郷公園のもみじまつり

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毎年11月下旬の土日開催となる、秩父御嶽神社東郷公園もみじまつり。鳥居付近から既に鮮やかな紅葉が迎えてくれますが、その真骨頂は境内を奥へ奥へ進んだ先にあります。

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祭り期間中は出店が並び、紅葉に負けじと賑々しさを演出しています。二日間開催のお祭りは前夜祭と本祭に分かれ、それぞれ開催時間と内容が違います。訪れた25日の本祭は、15時過ぎに出店が撤収を始めていました。

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入山料100円(祭り期間中のみ)を支払い、迷路のような境内を進んでいきます。足腰が悲鳴を上げるような階段を上ると、公園内の見所でもある東郷平八郎が待っています。こちらの銅像は、世界で唯一の東郷元帥本人の許可を得て建てられた銅像とのことです。

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思わずエレベーターを探してしまいたくなるような、急な階段の試練を乗り越えると秩父御嶽神社が静かに境内を見守っています。山頂からは、空気が澄んでいれば東京スカイツリーも見えるようです。

日が暮れてくると紅葉はライトアップされるためか、この時間からでも続々と境内に人が吸い込まれていきました。ぼくはライトアップはなかなか見ることができないので、羨ましいです。

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鳥居を出てすぐ右側に駅まで通じるちょっとした遊歩道が設けられており、西武線を見下ろす形で歩けるので、ついついレッドアローを待ってしまいます。

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東郷公園を出た時点で15時30分過ぎだったので、やはり休暇村奥武蔵での日帰り入浴は叶わず(15時まで)。帰りは吾野駅から飯能行きの電車に乗って…

って違う!これから西武秩父へ行って温泉だった(汗)いつもはこれで家路へ…というパターンだから、自然と乗りそうになってしまいました(笑)

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西武秩父駅には11月上旬の三峯神社に行った時にも立ち寄ってますし、数えてみれば今月は3連続で西武線を利用した山旅をしていました。ここに来ると、ついお土産を買ってしまいます。主にポテくまくんグッズを。

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さてさて、お楽しみの温泉はこちら「祭の湯」です。温泉の種類が豊富で設備も整っていますので、秩父観光の締めとしてうってつけの温泉施設です。

いつのまにか「温泉むすめ」なるキャラクターのパネルが設置されていました。このキャラクターも鉄道むすめも可愛いですが、秩父イチ可愛いキャラクターはポテくまくんで決まりです。

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この日も、毎度おなじみの秩父土産であるみそぽてとチップを購入し、ポテトだけにホクホク顔で長い山旅を締めくくりました。

 

飯能アルプスの山旅、終わりに

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今回歩いたのは「飯能アルプス」と呼ばれる縦走路の3分の2ほどです。飯能アルプスは子ノ権現からさらに幾山を越えて伊豆ヶ岳までをそう呼びますが、ぼくが歩いた感想では、子ノ権現まででもアップダウンの連続に喘ぎ、非常にタフなコースといえます。

さらに、伊豆ヶ岳から武甲山までの縦走路も加えた通称“奥武蔵最強ルート”というレポートも見かけます。伊豆ヶ岳から武甲山までの縦走路は以前に歩いたことがありますから、今回歩いたルート+αを同日に歩くなんて…無理です(;´Д`)

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歩き応えのある縦走路はもちろんのこと、念願の浅見茶屋さんでうどんを食べられたことにも大満足でした。冬季限定の鍋焼きうどんも人気らしく、季節を変えて訪れたいお店です。デザートも美味しいですし(*´ω`*)

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また、山旅の終点で訪れた東郷公園もみじまつりは、噂に違わぬ紅葉でした。お祭り自体も楽しみたいですし、今度は山歩きなしでも訪れたいところですね。その際は、浅見茶屋さんも忘れずに。

 

さあ、次はどこに行こうかなぁ。