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なまけたろうと登山ブログ

【名水探訪】 落合川と南沢湧水群、東久留米を潤す名水を追って

時折ガラス窓を強く叩きつける音が響き、晴れ空の中にもその存在感を主張している台風一過の今日。まさか2週続けての週末台風となったが、これでお騒がせの元凶も、ようやく終末となったようだ。

今回の台風により、10月に予定していた紅葉の山旅は全て流れ、意気込んでいた両神山も遠のいてしまった。まあ、まだ時機ではなかったと納得させるしかないよね。

 

さて、そんな慌ただしい10月でしたが、唯一28日(土)の午前中だけ曇り予報となっていたので、そのタイミングでどこかに出かけられないかと考える。

高尾山近辺なら、朝イチで登って午前中に帰宅することは十分に可能だ。それか、この機会に石老山に行くのもイイかも…なんてアレコレ調べたけど、万が一があるといけないし、そもそもハイキングは止めよう。これはレビル将軍並の英断であると自分に言い聞かせる。

それではどうするか…?ハッ!そうだ!!

いつか、いつかと思っていた「名水めぐり」、そのチャンスがついに来たのである。

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どうも、スラ男です。

ここんとこずっと外出ができなかったので疎かにしていたブログですが、ようやっと更新できたことにマジ感謝。

今回は、山旅と合わせて続けていきたいジャンルの一つ、「名水」をめぐる旅です。 

 

 

名水探訪、東京都の名水を求めて

「名水」と一口に言っても、それはそれは種類のあることで…俺が今回狙いをつけたのは、「平成の名水百選」というジャンルだ。この百選は、環境省が以下の内容により定めたものである。

 『平成の名水百選』は平成20年6月5日、全国各地の湧水、河川、用水、地下水の中から100ヵ所選ばれました。(選定基準)
 昭和60年に『名水百選』が選定され、この言わば「昭和の名水百選」から20年以上が経過していることから、周辺の状況が変化している可能性があります。環境省では社会情勢の変化も踏まえ、水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、地域の生活に溶け込んでいる清澄な水の水環境のなかで、特に、地域住民等による主体的かつ持続的な水環境の保全活動が行われているものを、現在の「名水百選」(昭和の名水百選)に加え、「平成の名水百選」として選定を行い、併せて200選となりました。

引用元:環境省選定 平成の名水百選/インフォメーション

昭和に定められた「名水百選」もめぐりたいが、アクセスの都合もあるのでまずはこちらから。近いところで埼玉の「妙音沢」と迷ったが、今回は東京都から唯一選ばれた、東久留米市の「合川と南沢湧水群」へ行ってみましょう。

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まだ夜明け前の駅前。いつも山旅へ向かうのと同じ時間で、池袋駅から西武線に乗って着いた東久留米駅

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仕事の関係でよく目にする地名なのだが、こうして降り立つのは初めて。

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こちらの東久留米駅は「関東の駅百選」に選ばれており、さらに、駅2階のテラスは「関東の富士見百景」に選ばれているという、結構スゴイ駅なのだ。

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電車の通過する音や階段を下りるカツカツという足音ばかり目立つ、静かな駅のテラス…俺はこんな朝早く一人で何やってんだろ?ということは置いておいてだ。

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東京の西側で駅から富士山が見られるのか…と驚きを隠せないが、曇り空のこの日、果たして富士山は見えるのか?!

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見えないんだよなぁ…(´・ω・`)

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冬至の前後の夕方には、ここから「ダイヤモンド富士」が見られるという。が、この日見えたのは富士山カラーのたろうだ。ということで、今日は名水にかけて、水色のたろうをオトモに持ってきた。

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東久留米駅だけでも見どころは多いが、目的は平成の名水だ。この東久留米市にある「落合川と南沢湧水群」に触れていくには、近隣にある公園や施設と一緒にめぐるとより一層楽しめるだろう。市で散策用のガイドマップも用意されているので、俺もそれを参考にしました。

東久留米市公式ホームページ

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 まずは落合川を目指して、駅の西口から南下していきます。静かな住宅地を抜けた先に一つ目の橋が見えてきた。この落合川沿いには遊歩道が設けられているので、早朝散歩に勤しむ方が多く見られたのはよく見る風景だが、こんな朝早くに「ぬい撮り」に勤しむヤツはなかなかいないだろうな。

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パシャッ!(*´ω`*)

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まだ日の出前なので、薄っすらと青みがかった川面はどこか幻想的。透明な水の中にびっしりと生えている水草もアクセントになっている。駅から歩いて5分の距離にして、名水に触れられるとは、なんとも気持ちのいいものだ。

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このまま川沿いの遊歩道を歩くのではなく、さらに南に歩いていき、目指すは竹林公園という場所。俺は水だけが好きなんだてやんでい!という方も、ぜひより道をオススメしますよ。それにしても、街中でこういう散歩コースの案内を見るのは珍しく思える。

 

静かな住宅地に現れる、非日常的な空間の竹林公園

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などとのんきに歩いていたら、突如目の前に怪しい一帯が!日中なら緑溢れる公園なのだろうが、この時間帯は怪しすぎるぞ(笑)

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ここがお目当ての竹林公園。あまりの薄暗さに入るのを躊躇うも、好奇心はせっせと足を前へ前へと誘導していく。

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鬱蒼とした公園の中にはベンチがあり、日中であればぜひここで静かに休憩したいところだが…小鳥の声すら聞こえてこない(;´Д`)

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しかし、竹林の中というのはなぜこんなにも魅力的なのだろうか?公園内には至るところに「たけのこをとらないでください」と注意書きがあり、またそれも魅力ゆえなのかもしれないが…たけのこ、とらないであげてください。撮るなら写真だけとは、山でよく見る名言である。

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実はこの竹林公園も、東京都が選定した「新東京百景」の一つだというのだから、今回のこのコースは名所ぞろいといえるだろう。そんな中、誰もいない怪しい竹林でたろうとじろうと戯れる俺は、不審者ではありません。何とぞ温かい目で。

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思わず何か動物がいないか探ってしまう。山ではないのに、気分は山の中だ。

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悪天によって山の中へ行けなくて残念がっていた昨日までの自分にさようなら。スラ男ー!!東久留米はいいところだぞー!!

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さて、実はこの竹林公園も名水の一部なのだ。東京都内のみに範囲をしぼって選定された「東京の名湧水57選」に、ここ竹林公園とこれから向かう場所が選ばれているというからには、さすがに東久留米バンザイというしかあるまい。

深閑とした森の中で、唯一この川だけが切り取られたように動いている風景は、ちょっとゾクゾクしてしまう。

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さらに公園内を歩いて行く。この辺りも竹製の柵など見事だ。さすが竹林公園。

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川の流れる音が心地よい。ヒーリングスポットというのは、こういう場所をいうのだろう。

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公園の出口付近、そこに湧水点があった。夏など暑い時季であれば、ここいらで遊ぶ子どももいるのだろうな。いいなぁ。

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春や夏など、生き物が活発に動く時季であれば、この湧水点も違った景色なのかもしれないが、寒い季節と加えて早朝ともなれば、水面はアメンボが作る波紋のみが広がる静かな景色を見せてくれた。

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平成の名水百選を見に来たが、既に色んな~選に出会ってしまった。都内の57選であれば、気軽に訪れることができそうだ。百選は全国だからね(;^ω^)

 

清冽な流れ、落合川に沿って

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公園を出た後は、再び落合川の遊歩道を目指して北上します。途中、クリの木があって、秋を感じさせる風景に出会いました。マリモみてえ。

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竹林の中にいたからわからなかったけど、いつの間にか日の出を迎えていたようだ。ここから落合川に沿って、どんどん歩いていきますよ。

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遊歩道の途中、川辺に迫れる場所がありましたよ。いいねえこういうの。

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昔はよく川遊びをしたけど、最近はどんどん汚くなっているからとても…だから、こういうきれいな川が近所にあるっていいですよね。川遊び、好きですよ。

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黄色い花がいい感じ。時刻は6時半。この時間になってくると、遊歩道を散歩する人も増えてきた。

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辺りも秋はまだかまだかと準備中。近所のイチョウはきれいに黄葉しています。

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あ、カモ発見!!やっぱり水辺の生き物がいないと寂しいですよね。ちなみにこのカモ、進行方向と逆にスイ~と流されていました(笑)

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点々と花も見られたけど、やっぱり春にもう一度訪れたいな。

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合川より南沢湧水群へと向かう前にある毘沙門橋付近では、豪快な流れが見えます。歩いていて不思議に思ったのは、ドバドバと音を立てる場所からしばらく歩くと、突然流れの音が消えること。川って常に水の流れる音がするもんだと思っていたけど、音のしない場所もあるんですねぇ。

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毘沙門橋から、これまで歩いてきた遊歩道と落合川を眺めます。若干ではあるが秋色に染まる風景、春や夏の景色も楽しみです。

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相変わらずこの水草は健在です(笑)個人的にはかなり好きですけどね。

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「川をきれいに美しく」本当にその通り。

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南沢湧水群へ向かおうと毘沙門橋からすぐのところに、落合川の湧水点がありました。こういう案内って、見つけるところから既に楽しみだよな。

 

水と緑と触れ合える、南沢湧水群

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これより南沢湧水群のエリアへ向かっていきます。まずは南沢水辺公園。ここは市民ボランティアが中心となって、その自然環境が整備されているようです。

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ちょいとひと休み。

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公園を抜けた先に、神社が見えてきた。そういえばここ最近神社に行ってないなぁ。

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こういう森を抜けた先のお社っていうアングルが好きなんだよな。宝登山神社で同じようなアングルを見た。

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まだ早朝ということもあって、境内を掃き掃除している音以外はシーンとしている。しかし、ここいらが散歩コースなこともあって、参拝者は多かった。

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この手水も、南沢湧水群から汲み上げられているのだろうか?

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神社の目の前に見えてきたのが、「南沢緑地保全地域」。この緑地内に、南沢湧水が点々とあるというのだ。東京都内、しかも住宅街の一角だが、まるで山奥まで冒険に来たかのような気分なのが面白い。

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まずは緑地を左側に進み、竹林の泉という湧水点を目指す。この辺り、やたらとクモが多いのが気になるな。しかもどれもサイズがデカい(;´Д`)

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まずは南沢湧水群の一つ目を発見。竹林の中にできた大きな水たまりのようだ。湧水点より先は行き止まりなので、神社前まで引き返し、神社に向かって左側へ。

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途中、何箇所か「下りてきてごらん?」といわんばかりのスポットがあった。水際まで迫り、写真奥の橋が先ほどいた場所である。

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魚とかサワガニを探したけど、この日は見当たらず…やはり時季か?

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水に触れてみると、意外と冷たすぎることはなく、滑らかな水だった。なお、平成の名水百選だからといって、その全てが飲用水であるということではない。それでも飲んでみてえ!という勇気は俺にはない。「平成の“飲用”名水百選」を作るしかないなッ!

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緑地の奥へ奥へと進んでいくと、ここにも例の看板が!そう、ここ南沢湧水群は平成の名水百選であると同時に、東京の名湧水57選でもあるのだ。すごい!

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緑地を抜けた先には、浄水場がドドンと構えていた。ここで水を汲み上げ、市内の水道水として利用しているとのことだ。ちなみに、この浄水所内部にも2ヶ所の湧水点があるらしいが、残念ながら立入禁止のため、見学はできない。

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緑地に入る手前、轟々と音を立てる先がそうなのだろう。ということで、この風景を湧水点(仮)とする。これはこれで絵になるしな。

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浄水場の道路向かいには、ちょっとした森もあった。せっかくだから入ろ。特に何があるというわけではないが、アスファルトを歩くよりも気持ちがいいのは確かだ。

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さて、緑地と浄水場見学が終わったら、ぐるりと浄水場を周り込んで、また落合川を目指して歩いて行く。市街地には柿の木がたわわに実っていた。

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橋を越えたすぐ目の前に、「落合川水生公園」が見えてきた。しかし…ご覧の通り、水はほとんどなく、パンフレットに見る本来の姿には遠い。

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公園内にシラサギがいたので、おっ!と思い近づくと、バサバサッ!!

後ろで犬の散歩中のおばあちゃんの笑い声が響いた。「逃げられちゃいました(笑)」

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果てはあんなところに。この後も水辺で見かけましたが、また逃げられる。おのれお前は伝説のポケモンか。

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水こそ枯れていたが、園内に咲く花はきれいでした。これにはじろうもこの表情。

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この後は毘沙門橋まで戻り、来た道と向かい側の遊歩道を歩き、駅へ戻る。

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ちなみに、まだ7時半である。早起きは三文の徳というが、本当にそのとおりだ。

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名水めぐりということで、最近気に入っている天然水で乾杯しようじゃない。西沢渓谷でも飲んだこの「晴れと水」。柔らかい口当たりが美味しい水です。

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東京の市街地にいながら、まるで山の中を流れる水のような透明度。おったまげ。

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押すなよ、押すなよ~?びしゃっ。

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草むらにあった案内板。ここはうっかり見落としてしまいそう。この辺りは「いこいの水辺」として、さまざまなイベントが行われるようです。いいなー川遊び。

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「ねえ川の流れ早くない?さっき流されちゃってさあ(笑)」

カモほど水辺の似合う鳥はいるだろうか?いや、いない。

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こうして最初の美鳥橋まで戻ってきて、日の出前とはまた違う景色を前に一人満足。たった一時間半ほどの散歩でしたが、まるで一つの山旅を終えたかのような充実感がありました。※個人の感想です。個人の感想です。大事なのでry

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駅までの途中にある公園でちょっと一休み。

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このパン、マジでうまい。だって、大福×ホイップ×あんぱん(無敵)というステータスですよ?昨今のラノベにありがちなチート系主人公かな?

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帰りの東久留米駅からも覗いてみたけど、やっぱり富士山は見られず…次回へ持ち越しですね。

 

いや、本当に楽しかったと思いますよ、名水めぐり。水源だけを訪れるのではなく、関連施設やその水を使ったグルメ、歴史など、様々なものと絡めればなお面白い。ただ、頻繁に遠出はできないので、しばらくは都内ないし関東の名水めぐりかなぁ。