ようこそ スラ男村

なまけたろうと登山ブログ

【丹沢】塔ノ岳~鍋割山 霧氷の稜線と鍋焼きうどん

丹沢山地で人気ナンバーワンと評される塔ノ岳(とうのだけ)。春は人が多そう、夏はヤマビルが嫌、秋は行きたいところが多すぎる…そんな理由から今まで機会を得られずいました。

しかし、冬であればヤマビルは活動期外で、おまけに霧氷が期待できるというのだから行くしかありません。加えて、お隣の鍋割山(なべわりやま)まで縦走すれば、温かい鍋焼きうどんも楽しめます…!

今回は、丹沢表尾根から鍋焼きうどんを食べに行くお話です。

 

どうも、スラ男です。

 

丹沢の盟主、塔ノ岳。初めて訪れましたが、表尾根は素晴らしい稜線歩きと美しい霧氷の連続。これはリピーターが多いのも納得でした。

絶景の連続が心をつかんでやまない、魅惑の丹沢表尾根へ。

 

■塔ノ岳~鍋割山(2017年3月12日) 目次

 

霧氷が見られる人気の塔ノ岳・表尾根コース

旅の始まりは、小田急線秦野駅から。丹沢エリアの登山となると、本厚木駅から新松田駅のどこで降りるかで、どの辺に行くのかがわかるそうです。

今回は便利なフリーパスを使っちゃいます。この「丹沢・大山フリーパス」は、伊勢原の大山や塔ノ岳へ行くには大変便利。新宿から渋沢までの区間と、その区間の山へ行くバスがそれぞれフリーになります。

このヤビツ峠行きのバスの始発時間は7時35分。しかし、人気のエリアとのことなので、乗れなかった場合を考慮して1時間前待機!(笑)

後から来たおじいちゃんは「今日は天気がいいから塔ノ岳は混むよ!」とのこと。朝は曇り空ですが、これは期待です。

およそ1時間バスに揺られ、ヤビツ峠に到着しました。乗車したほとんどのお客さんが塔ノ岳か大山に向かうということですね。

20分ほど舗装路を歩いていくと、分岐点に差しかかります。かつてはここに山小屋があったそうですが、火事でなくなってしまったそう。火は本当に怖いです。

分岐を表尾根方面に進み、しばらくすると登山口が見えてきました。ここから稜線上に出るまでずっと登りが続きますので、頑張りどころです。 

振り返ると、大山の上に雲が…ほ、本当に晴れるんだろうか?

人気コースともあれば、登山者も多く見かけます。塔ノ岳へは大倉尾根を通るコースも有名ですが、そっちはどんな感じだったのでしょう? 

ガレ場まで来ると後ろを振り返ることが多くなりました。つまり、ここからは展望がよく利いているということです。どうだー!? 

んー!微妙!晴れていれば、素晴らしい展望が広がっていることでしょう。

それでも見晴らしがいいと俄然やる気が出てきます。体もちょうどいい感じに温まってきました。木の枝のアーチをくぐり抜けると、最初のチェックポイントはもうすぐです。 

二ノ塔(にのとう)に到着~!ハイシーズンならここで休憩をとる人が多くいるのでしょうが、この日は誰もいませんでした。 

奥に見えるのがこれから進む三ノ塔(さんのとう)です。面白いですね、塔ノ岳に対して二ノ塔、三ノ塔。 ん…?あの白い木は何…? 

 

もしかして…霧氷!?

 

朝の冷えた時間帯と、この曇り具合がマッチしたんですかね。さっきの登りでの疲れはどこへやら。ウキウキ気分で霧氷の中へと進んでいきます。

 

二ノ塔、三ノ塔から続く霧氷の稜線

木の枝に張り付く氷の粒。寄って見れば真っ白!というわけでもないけど、これが山肌を白くするんだから不思議です。 

心なしか曇りが薄れてきたかな?陽の光も徐々にですが感じられてきたし、これはもしや青空&霧氷の素晴らしい景色が!

振り返って先ほどまでいた二ノ塔を見てみます。あんなに真っ白… 

たろうも霧氷に興味津々のようす。

 

粉ァッ!

 

ところで、丹沢といえば木道のイメージがありませんか?初めて歩いた時は歩きにくいな~なんて不満があったけど、なるほど、ぬかるみの時は大助かりです。

程なくして、三ノ塔の山頂に到着!山頂は広く、目印の避難小屋がありました。 

稜線には薄っすらと雲がかかっていますが、どこか幻想的です。 

三ノ塔は360度展望が利いており、ここだけでも結構なインパクトがあります。相模大山(さがみおおやま)も間近に望むことができます。

ですが…やはり一等インパクトがあるのはやはり富士山でしょうか。冬らしく真っ白に冠雪した富士の姿が望めます。

塔ノ岳からはさらにインパクト大というのだから、期待も右肩上がりですよね。願わくばこのまま晴れてほしいものです… 

今回のオトモたろうと記念撮影。うん、やっぱりこういう台座があるといい!

 

今までにない、目的地までの道のりがクッキリと見える山旅。左奥にそびえる山、山頂に小屋が見えますかね?あそこが塔ノ岳です。つまり、この稜線上をず~っと歩いていくことになるのです! 

たろうで稜線を表現してみました。一ノたろう、ニノたろう、三ノたろう。スッと撮って、ス…としまいます。 

一つ困ったことをいえば、霧氷がきれいな一方で、足元は泥でグチャグチャ状態です。

 

一歩踏み出す度に、ヌチャア…

 

さらに、三ノ塔より先は急な下りとなります。こう足場の状態が悪い時は、ゆっくりと歩くしかありません。 

お地蔵様の見守る先へと進んでいきます。ぼくのすぐ後ろからは、大学教授風のおじいちゃん(以後、博士)が歩いてきています。

博士はさりげなく、「急がなくていいよ。こんなところで転んでもつまらないだろ(笑)」なんて。ぎゃー格好いい!慣れた様子で歩いていく博士に道を譲ります。は、速い…!?

こちら丹沢新人、滑らないように邪魔にならないように牛歩で進んでいきます。この博士とは追いつけ追い越せの間隔で、今後も歩いていくことになります。 

下りも終わり、今度は三角形の小屋が目印の烏尾山(からすおやま)まで登り返し。ここでまた博士と合流。 「さすがに登りは速いなあ(笑)」。後ろから来たお兄さんも、「登りは体力、下りは技術ですねえ!」

折角の景色なので、ぼくもここで小休止。博士は軽装ですが、まるで散歩しているかのように山を歩いていきます。博士の後方には、先ほどまでいた三ノ塔が見えてます。 

まだまだ塔ノ岳は遠い。いつもより美味しく感じたおかか味のおにぎりを食べ終え、ぼくも出発。

 

うへぁ…ぬかるみだぁ…

 

恐怖のぬかるみ祭りを超え、岩場が見えてきました。鎖は本日初登場! 

ちょうど中間地点となる行者ヶ岳(ぎょうじゃがたけ)に到着しましたが…あいにく山頂は狭く、休憩するならこの前の烏尾山か、この後のピークのほうがオススメです。 

ただ、この後には急下降の鎖場が控えていますので、準備はしっかりと。ハイシーズンであるならば、この鎖場が混雑するようですが、この日は前後誰もいません。滑りにだけ気をつけて、スルスルと下っていきます。 

階段で整備されている崩壊地の前に、また博士!競争のつもりはありませんが、追いつけたので嬉しい。 

序盤の二ノ塔までの登りに比べると、そんなに急な登りがないこの表尾根。道中はささやかなアップダウンと、ちょうどいい間隔で休憩ポイントが続きます。この新大日(しんだいにち)までくれば、塔ノ岳まではあと少し!のハズ。 

てる坊のおかげか天気もよくなってきていますので、このまま富士山には頭を出していてほしいものです…もう少し頑張ってくれよ、てる坊! 

 

表丹沢の盟主、大展望の塔ノ岳

新大日を出てしばらく歩いていくと、表尾根コースの最後の休憩スポットである木ノ又小屋が見えてきます。

ちょっと魅入ってしまったこの文章。まさに、山旅の醍醐味が書かれていますねぇ。 

相変わらず泥の道を歩いていくのですが、何やら登山道脇に荷物が落ちていました。不思議に思って歩いていると、なるほど木道整備の作業員の方たちのか。

今回の山旅ではこの木道のありがたみを噛み締めましたが、こうやって誰かがきれいに整備してくれていることにも感謝してみると、また違った見方ができるかもしれません。

山あり谷あり。表尾根は本当に見晴らしがいいコースです。 

塔ノ岳を調べて、何度も見たこの景色。ついに到達です!感無量です。標高は1491m。あ、富士山…ちょっと雲がかかっちゃってます。 

しかし、360度に開ける山頂からの大展望は、丹沢人気ナンバーワンも頷けます。今回の表尾根コースと、後ろにそびえる大山を振り返ります。 

時間とともに富士山が顔を出しました。雲がなければ、それは美事な富士山が望めるのだろうか。 

さて…ぼくも一息入れます。まずは尊仏山荘をバックに記念と…まだ山小屋泊はしたことないけど、いつかしてみたい。山荘の中はコーヒーやカップラーメンを片手に、山旅トークで賑わってました。 

塔ノ岳山頂からは実に多くの方面にアクセスでき、丹沢主脈や、西丹沢へも繋がっています。そういえば、ユーシン渓谷を歩いた時に塔ノ岳方面の案内があったっけ? 

それにしても、塔ノ岳山頂では思い思いの食事風景が食欲をそそります。「山とメシ」も山旅においての一つのテーマにあげられますが、ぼくはまだしばらく縁がなさそうです。ああ~…ベーコンなどの香ばしい匂いが… 

 

鍋割山山頂でいただく名物、鍋焼きうどんに舌鼓

塔ノ岳からは、お隣の鍋割山に向かいます。まずは大倉尾根を途中まで進み、金冷しという分岐点で、鍋割山稜へと入っていきます。

鍋割山へは2.2kmありますので、もし向かう場合は塔ノ岳で準備を怠らずに。

美しい霧氷と展望、そして泥んこ道が印象的だった表尾根と違い、鍋割山稜はちょっと渋めの登山道です。随所に敷かれた木道が本当にありがたい。

途中見えた山小屋は、来た道にはなかったものです。ということは、あれは大倉尾根の山小屋でしょう。

あ、ハンググライダー!!空を飛ぶってどんな感じなんでしょうか… 

泥さえなければ静かで心地よい登山道。空腹もほどほどに、お目当ての鍋焼きうどんを目指してグングン進んでいきますよ~。  

山頂直下の階段を登りきれば、お目当ての鍋割山へ到着です。表尾根に比べて渋めの区間でしたが、鍋割山からの登山者が多い印象でした。

そして、お待ちかねの鍋焼きうどん!ピーク時はうん時間待つこともあるそう。

ぼくは運良く切れ目に当たったのか、5分程度でありつけました。店内にも席が用意されておりますが、せっかくなので外の空気と一緒にいただきましょう。 

アツアツのうどんは具だくさん!カボチャの天ぷら、きのこなどの野菜、お揚げ、そして半熟の卵に甘めのおつゆが食欲を一層そそります。七味はお好みで、まずはそのまま…美味しい!!!

鍋割山に来る人のほとんどがこの鍋焼きうどんを注文していました。団体さんも多く、「鍋焼きうどん5個、7個」とドッサリ注文… 

晴れていれば富士山もきれいに見ることができます。まあ、今回はちょっと恥ずかしがっているようですが…山荘内にはきれいなお写真が飾ってありました。

満腹になり、山頂からの眺めも堪能したことだし、下山開始です。下山は大倉を目指して歩くのですが、まずは後沢乗越(うしろざわのっこし)まで単調な登山道を歩いていきます。

急斜面もあり、油断していると滑ります。行きの泥はどこへやら、この辺りはこないだの奥武蔵の乾いた登山道を彷彿させる道でした。後沢乗越の分岐が見えたら、二俣・大倉方面へ。

山頂を目指して歩いている時は、途中の景色を楽しんだり、この後の景色を期待したりとワクワク気分ですが、下山の時はまた違いますね。

山旅ももちろんなのですが、身近なこととかを考えながら歩いていることが多いです。非日常からだんだんと日常に戻っていく心理なのかも。

土色の登山道が終われば、沢に出ました。ここはミズヒ沢という場所のよう。近くにはミズヒ大滝があるそう。知っていれば見たかったなぁ。

林道の入口には、滅菌された水の入ったペットボトルが並んでいました。これらは、鍋割山の山荘で使用する水のようです。

ということは、あの美味しい鍋焼きうどんが食べられるのも、この水を運んでくれる人たちがいるからなんですね。もしかしたら、道中すれ違った人たちの中にも歩荷さんがいたのかも… 

長い長い西山林道をひたすら歩いていくと、終点のゲートが見えた!…と思いきや、まだこっからバス停まであったのかい…!!

山道の終点で、早咲きの桜が迎えてくれました。

前半は霧氷の冬景色から、下山後は一転の春景色。これはいい気分。ここから少しの町歩きになりますが、山を眺めながら歩けるので最後まで気持ちがいい。 

キャベツ畑と山並み。いつの間にか青空ですねぇ。 

10分ほど歩けば大倉バス停に到着です。嬉しいのが、ここに登山靴の洗い場が用意されており、泥まみれの靴を洗うことができます。 

いつかここを起点に大倉尾根を歩いてみるのもいいなぁ。その時は泥なしで(笑)

初めての丹沢・塔ノ岳への山旅は、大満足の内容となりました。