ようこそ スラ男村

なまけたろうと登山ブログ

【茨城】筑波山 早春の筑波嶺は麓から

昔から西の富士、東の筑波と称され、万葉集の歌でも詠まれている筑波山(つくばさん)。低山ながら日本百名山にも認定されていたりと、そのネームバリューは揺るぎないものがあります。登山が趣味でない方でも、高尾山と筑波山、富士山には登ったことある、という話をしばしば耳にします。

ということで、本日は茨城県つくば市のシンボルでもある筑波山のお話です。


どうも、スラ男です。

 

筑波山は、多方面からアクセスするバス、タクシー、山頂付近まで延びるケーブルカーとロープウェイ。さらには売店や温泉まで完備の観光地化された人気の山です。

東京で一番人気の山が高尾山だとすれば、茨城はまず間違いなくこの筑波山です。

 

筑波山(2017年1月29日) 目次

 

早春の筑波山、いざ初の百名山

都心からつくばエクスプレスを利用して、あっという間の30分。近代的風景のつくば駅に到着し、バスターミナルへ。もちろん早朝のため、冬の朝はまだ薄暗い。

筑波山まで直通バスの始発は8時。では、つくば駅に早めに着いてしまった方は筑波山までのバスをどうするか。

その場合には、直通バスとは別に、つくバス北部シャトルがあります。このつくバスを使えば早朝7時につくば駅を出発できます。

40分ほどバスに揺られて到着したのが、この筑波山口バス停

ここで注意してほしいのですが、ここは筑波山への直接の登山口ではありません。先の直通バスの行き先である「筑波山神社入り口」とは違う場所で、たまに外国人観光客が間違えてしまうこともあるそう。

つくバスは出発時間が早く料金が安いのが強みですが、筑波山の麓である筑波山口が終点となるため、ここから少し歩くことになるのがデメリットと言えます。では何故利用したのか?

直通バスを利用して神社に直行した場合と、始発のつくバスで筑波山口に着き、そこから歩いて神社に着いた場合を計算してみます。

すると、つくバス利用のほうが神社に30分だけ早く着くことになります。高尾山や筑波山のような観光地化された山では、その30分で混み合いにはっきりと差が出ます

というわけで、筑波山口から神社まで向かう登山道へ。しばらく歩けば道標が見えてくるので、ここまで来ればあとは道標のとおりに進めば神社に着きます。

静かな林道と違って、車道ではさながら『頭文字D』のような勢いで車が行き交っています。

男女橋(みなのはし)。筑波山といえば「筑波嶺(つくばね)の~」の歌で男女川(みなのがわ)の名前があがりますよね。ということは、ここが男女川!?

住宅地の先で、かわいいスイセンを発見。この先に群生地がありました。

梅の花と、奥にあるのは…みかんかな?もう春がここまで来ているんですね。

坂を登りきり、後ろを振り返るとこの眺め。雲が多いのが気になりますが。

近道を通った先、神社に到着です。バス停から予想20分、実測30分でした。さあ、このコースタイム短縮がどう出るか…?

 

筑波山神社から、静かな御幸ヶ原コースへ

神社の入り口には、筑波山のブランド牛紫峰牛(しほうぎゅう)という牛の石像がありました。意外にも2014年と最近に、肥育舎らよって奉納されたようです。

神社と牛というと、天神信仰の牛のように撫でたくなります。

山門には「年越祭」の看板がついていました。もうすぐ節分だったんですね。

お祭りに当たるのもいいですけど、それはそれで混雑必至だし、ゆったりするには合間の時季もいいよね、ピンク。

早朝の神社では面白い光景が見られます。そう、神社の朝支度の様子です。以前、同じく早朝に訪れた秩父宝登山神社でも見ましたが、なかなか不思議な感じがしますよ。

あ、新しい御朱印帳出たんだ…「山の日制定記念」だって。

まだ社務所は開いていないので参拝だけ。まずは山頂まで一気に登り、9時始発のケーブルカーを利用する人たちが押し寄せる前に景色を堪能したいところです。

神社にお参りしてから、左へ進むと御幸ヶ原コースの登山口が見えてきます。左側がケーブルカー、右側の鳥居が登山道なのですが、前を進む人たちの服装に注目です。ケーブルカー利用とハイキングの人では、服装が明らかに違いますね。

ここから売店や展望台などが並ぶ御幸ヶ原(みゆきがはら)までは、およそ2km。序盤は樹林帯を歩くので、ちょうどいいウォームアップになるでしょうか。ぼくは麓からの歩きで体は既に温まっており、足取りも軽やか。

御幸ヶ原コースは木の階段、石の階段、木の階段…と交互に階段が続きます。石の階段というよりも、ゴロゴロした大粒の石を登っていきます。

それにしても気持ちのよい登山道です。やはり木に覆われた道はどの季節でもいいものですね。ここで風とともにシャワシャワシャワ…と漫画表現のような音が響きます。

程なくして、広場に出ました。どうやらここは中ノ茶屋跡という、ケーブルカーの撮影スポットみたいです。

しかし、まだケーブルカーの運転前。観光地化された山の早朝発は、こういう面では勿体ないとも言えますね。

チョロチョロと流れている水を発見。これはもしや、男女川の源流という場所では?うーむ…しかし辺りに看板がありません。後で調べたら、その場所は御幸ヶ原から女体山への道中にあるようです。

アップダウンが続き、木の階段ラッシュが見えてきたらラストスパート!

途中、おばちゃんグループと「木の階段ばっかりで嫌になっちゃいますねぇ」と談笑し、山頂を目指していきます。

 

双耳峰の筑波山男体山から女体山へ

9時頃に到着した御幸ヶ原は、やはり早朝だからか閑散としていました。昼前には観光客でごった返す高尾山の山頂も、早朝着ではこんな感じです。

ということで、つくバス利用の早朝発が功を奏した、という結果になりました。

ここからの景色はそれはもうよかった。山の上から山の景色を見るのも、市街地の景色を見るのもまた違った味わいがあると思います。筑波山だったら、夕日や夜景も見てみたい。

さて、まずは御幸ヶ原から男体山(なんたいさん)を目指しましょう。道中、多少の雪が残っていました。特に岩場は注意です。

この日の岩場は全てツルツルしており、普段着の人は「危ない!」なんてシーンも。特に下りは人の行き交いも多く、危険地帯でした。

山頂には筑波山神社男体山御本殿が鎮座しています。また、社務所もあり、開いていればここでもお守りや御朱印をいただけるようです。

男体山からも展望があり、雲に覆われた街並みを一望できます。

 

あれ?さっき青空だったよね?

 

ところで、筑波山深田久弥さんの『日本百名山』に選出されている風格のある山ですが、百ある山の中では一番標高が低い山なのです。深田さんは、この筑波山の歴史と美しい山容を加味して、あえて低山ながらも選出したそうです。

男体山から反対側を望むと…あらら、雲がかかっている!あえて曇りの天気でも決行した今回の筑波山は、もしかすると雲を突き抜けて雲海なんか見られるんじゃないかな?という期待があったからなのですが…

とりあえず女体山(にょたいさん)へ向かいましょう。とその前に、もう御幸ヶ原へは戻ってこないので、ちょいと休憩をば…

美味しそうなソフトクリームのポスターにつられてついつい買ってしまいます。

これは美味しい!牧場で食べるソフトクリームのように、味が濃くてアイスにもコクがあります。山頂で食べるというのも隠し味の一つ。隣のベンチでは、道中追い越したおばちゃんたちが「ひえ~!こんな寒いのにアイス!やっぱり若いわねえ!」なんて(笑)

…と、のんきにアイスを食べていたら、しまった!ケーブルカー勢が続々とやってきました!まるでディズニーランドの開園ラッシュのよう。

ぼくも慌てて女体山へ向かいます。しかし、かたくりの里の前で足が止まります。そういえば、去年の同じ時季にカタクリの情報を見て、筑波山に行こうと思っていたことを思い出します。春に向けて今か今かと開花を待っているのでしょう。

営業前のせきれい茶屋近くには、セキレイがありました。男女の道を教えるとは、ずいぶん悟りを開いていらっしゃる…鳥だけに

セキレイ石から少し歩けば、名物・ガマ石のお出ましです。名前のとおり、まるでカエルが石化したような見た目で、口内に石が入るとうんぬん。

山ガールたちが楽しそうにチャレンジしていたので、続いてぼくも小石を投じます。小石はきれいな放物線を画いて、ガマにかすりもせず落下していきました。

すると、後ろの方で「どんまい~( ´>ω<`)」と声が聞こえました。


恥ずかしさでぼくも石化!

 

男体山と対になる、女体山山頂に到着しました。こちらのほうが若干標高が高く、筑波山標高877mというと、こちらを指します。

この先の岩場の上に立てば、関東平野を一望できるというのですが、足元に気をつけてどーんと飛び込んでみましょう!!

 

うわすごい…

 

しかし分厚い雲が不気味です…御幸ヶ原の青空はどこ行った?

岩場の右手側には、先ほどまでいた男体山とその先の市街地が見えています。

岩場のギリギリまで立つことはできますが、滑落の危険もあるので、もし立つのでしたらカラッカラに晴れた日に限ります。雨の日なんてとんでもない。

この日も雪解け水で岩場が濡れており、これがまたいやらしく滑ります。濡れてると困ることといえば、滑る以外にもたろうを置けなくなること。恒例?の三角点記念写真はお預けです。

景色を堪能しているうちに、いつの間にか山頂が賑やかになってきました。

ソフトクリーム休憩がなければもうちょっとゆっくりできたかな?しかし、これで麓から歩いてきたという当初の頑張りはある程度報われました。

 

立ち並ぶ奇岩、白雲橋コースで下山

いよいよ下山ですが、来た道をピストン(往復)するのではなく、奇岩の立ち並ぶ白雲橋コースへと歩いていきます。帰り道も見どころが多いと楽しい山旅になりますよね。

さっそく現れました。どっしりと座っている大仏に見えませんか?大仏岩という高さ15mの巨岩です。

次々と現れる奇岩は、中をくぐれる北斗岩や、大袋を背負った大黒に見えるという裏面大黒

これは見応えがありました!ザパーン!と出てきた船と入っていく船に見えるという出船入船。どうしてこんな形になったのでしょう?

国割り石陰陽石と、まだまだ奇岩は続きます。まるで大自然の博物館。

母の胎内潜りでは、岩の隙間に潜ることができます。赤ちゃんの気持ちになるとかなんとか…


オギャー!


高天原(たかまがはら)の上には、天照(アマテラス)を祀る神社がありました。この岩の隙間はアスレチック感がたっぷり。

そして、怒涛の奇岩ラッシュの最後に待ち構えるのが、弁慶七戻りと呼ばれる岩です。

今にも落ちてきそうな岩には、さすがの弁慶も通るのを躊躇ったというそう。怪力無双でなくとも、これはちょっと怖いですよね。

奇岩の道が終われば、間もなくつつじヶ丘との分岐がある弁慶茶屋跡に出ます。ここで大勢の人が休憩していました。つつじヶ丘というからには、ツツジの咲く季節に訪れたいもの。今回は、一番のロングコースである白雲橋コースで下山します。

これより先は特に見どころという見どころは少なく、ひたすら山道を下りていくだけですが、これから登っていく人たちの様相に注目です。

構成様々なファミリーをはじめ、「がんばれわたし~」と自身を鼓舞する山ガールを先頭にした大学生風グループや、軽装で軽やかに登ってくる外人さん御一行。どっしりと重厚感溢れるスポーツマンのグループ、そして何より印象的だったのが野球少年チームでした。

野球少年たちはそれぞれのペースで、互いが互いを鼓舞しあいながら、後続に「ヤッホー!」と声を掛け、後続もまた「ヤッホー!」と返していました。

しかしながら、「監督ズルいよなー!一人だけ登らないで温泉だぜー!?」というボヤきには思わず吹き出してしまいました。

歴史のある山の風景を、この下山路でちょっぴり体験できた気がします。それにしても監督、確かに温泉を独り占めはズルいぜ。というぼくも、お楽しみの温泉を目指します。

その前に、男体山、女体山山頂の御朱印を忘れずに。筑波山神社社務所で拝受可能です。

筑波山神社の名物である、伝統芸能ガマの油売りの口上には、ついつい耳を傾けてしまいます。クスリと笑えるんですよね。

この後は温泉に向かい、お楽しみのグルメです。

 

筑波名物、筑波うどんとつくばうむ

筑波山神社周辺には温泉が何件かありますが、今回は神社から少し歩いたところにある、日帰り温泉施設筑波山温泉 つくば湯へ。

ちなみに、観光地ということもあってそれなりの料金ですが、公式HPに割引券の案内があったので、プリントして持参しました。

この時間に下山している人が少ないのか、温泉は空いていました。じっくりと露天風呂に浸かり、空を見るといつの間にか青空。あらら。

さて、汗を流した後はお楽しみの食事です。温泉内の休憩所にて、名物と謳う筑波うどんを注文。

地鶏を使用したつくね(つ)と、地元で採れた黒野(く)、そして県産ローズポークのバラ肉(ば)を使用し、麺には県産のれんこんパウダーが練り込まれているそう。なるほど、それらの文字を合わせて「つくば」か。ともかく、いただいてみましょう。

美味しい!けんちん汁のような味わいで、一つ一つの具材がしっかりと味わえます。好みでごま油と七味もありましたが、全部かけてはもったいないので、適宜使用しました。最後はそのまま。最高かよ。

温泉からの帰りですが、つくば湯では定時毎に筑波山神社入口バス停まで無料で送ってくれます。利用にはその場で予約が必要ですが。

ところで、今回筑波山までやってきた目的の一つに、このつくばうむというバウムクーヘンがありました。無類のバウム好きを自称するぼくとしては、ご当地バウムに手を出さないわけにはいきません。

筑波山限定ということなのですが、ネットの情報によればつくば駅にも売っているそう。しかし、つくば駅内の物産館やお土産屋に問い合わせるも、いずれも販売していないとのことでした。

「どこのお菓子ですか?」というので、コート・ダジュールと伝えると、上の階にコート・ダジュール本店があるのでもしかしたら、とのこと。やった、希望が見えてきた!

ところが、本店でも取り扱っていないとのこと!!では一体どこに?そもそもネットの情報が古かったり?…まさか、駅中のファミリーマートにあったりしませんよね?

 

あるじゃねえか(怒)


あっちへいったりこっちへいったりとなりましたが、無事にお目当ての土産も手に入れ、帰りのつくばエクスプレスに乗り込みます。

深田さんが「その美しい山容」と称した筑波山を見つめながら、今回の山旅を振り返ります。やはり観光登山となると、単独で来るよりもワイワイ登山のほうがいいかもしれません。それと次は花や緑のある季節がいいかなぁ。

あ、そういえばお土産で買ったつくばうむですが…

お上品な味わいでとても美味しかったです。ぜひとも牛乳と一緒に。

このつくばうむのパッケージには御神木と書かれています。

 

御神木から桃たろうが!

 


これがやりかったんだッ!!

この熱狂の後、静かに食べました。