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なまけたろうと登山ブログ

【山梨】小金沢山~ハマイバ丸 富士山を眺めて大縦走

 

ああー!!富士山見たいいいい!!!

 

…と思ったら、一体どこから見たらいいんでしょうか?お家のベランダから見えますよという方、羨ましいです。高尾山からでも見えるじゃない。しかし混んでますよね。

今回は、そんな富士山に思いを馳せて、山梨にある静かで雄大な山域を北から南へ縦走してきた時のお話です。

 

どうも、スラ男です。

 

2016年最後(予定)の山旅として、どこにしようかなぁ~とニヤケつつ、やっぱり富士山を拝んでおきたいという思いがありました。

そこで、以前より温めておいた山域にようやくスポットライトが当たります。

 

小金沢山~ハマイバ丸(2016年12月4日) 目次

 

富士山を見るなら「秀麗富嶽十二景」

 

これは一体!!?

 

いきなり登場した巨大な石像は、高尾駅の中央線3・4番線にある天狗像高尾駅には何回か来ていますが、乗り継ぎのタイミングで今回初めて立ち寄れたので思わずパシャリ。凄まじい迫力です。

さあ、ということで、中央線に乗って目指す今回の目的地は、山梨県にある「秀麗富嶽十二景」というエリアです。 しゅ、しゅうれいふがく…??なんて初耳の方も多いのではないでしょうか。

そういうぼくも、つい最近になってこのエリアに詳しい方の山ブログで知りました。

この秀麗富嶽十二景というエリアは、山頂から富士山の展望が良好な山々を伝えようと、山梨県大月市が定めた山域のことだそうです。

早朝の中央線にガタガタ揺られ、やってきたのは甲斐大和駅。ここから上日川峠行きのバスに乗って、目的地まで向かいます。時刻表では8時10分が最短ですが、臨時便が出ており7時45分に出発できました。

バスに揺られること40分ほど。終点までは行かず、一つ前の小屋平で降車します。終点まで行くと人気の大菩薩嶺への登山口となるので、やっぱりバスの乗客のほとんどがそこ目当てでした。ここで降りたのはぼくを含めわずか6名。 

計画当初は大菩薩嶺からのスタートも考えていましたが、何せ初めて来たので欲張りはやめました。今回はこの小屋平をスタート地点とし、秀麗富嶽十二景を何箇所か通過する小金沢連嶺という山域を歩きます! 

序盤は急な登り坂が続き、クマザサの茂る登山道をえっちらおっちら登ります。開けた場所に出ると、「熊出没注意」の看板が。熊鈴にプラスパワーを使おう。念のためピッピ人形も持っておいたほうがいいかもしれません。

この標識の先、旧登山道の崩落により新しい登山道ができていたのですが、そこよりちょっと先に行くと…?

 

この展望です!うおおおお~~~!!

 

下に見えているのは大菩薩湖です。雲海も出ているじゃないですか! 

え?いや、それよりも!!視線を左に流すと…

 

いきなり富士山!?

 

いやぁ…このコースは富士山を眺めながら歩けることは知っていましたが、まさかこんないきなり出てくるとは思いもよらず。 

この日のオトモたろうは、ふんわりしたタオル地のたろうで、富士山カラーということが強みになり今回の選抜を勝ち抜きました。 

さあ、序盤でいきなりの展望に驚きつつも、まだ山旅は始まったばかりです。静かな登山道を、富士山をチラチラ見つつ歩いていきます。

 

石丸峠から大展望の稜線歩き

クマザサの広がる道は、クマよりもむしろパンダでも出てくるんじゃないか?という気分です。どちらにせよ、警戒は怠りませんが。 

振り返れば富士山雄大です。これで最大体力の10%くらいは回復します。 

しばらくササの道を歩いて、パッと視界が開けると、もうそこは大展望。相変わらずの富士山と、右側には雲海が広がります。 

良好な展望とササの道はいいのですが、ちょっと厄介なのが地面のぬかるみ。霜柱をボリボリと踏むのは楽しいのですが…

ここでようやくほかのハイカーさんに出会いました。この青いアウターさんとは、この後何度も出会うことになります。 

まるで轍のように伸びた一本の線。この一本道をグングン進むと、この先が第一のポイント、石丸峠です。ちなみに、この写真では既に石丸峠に先ほどの青いアウターさんがいます。さすがに早い、ザクとは違うのだよ

この石丸峠から、今回は「小金沢方面」に向かいます。

振り返ると、左側のヘビが這ったような道が見えました。大菩薩嶺はあの向こうのようです。

いったん森の中へ入ると、日の当たらない場所には雪がありました!

しばらく進むとまた分岐。この看板の右側が小金沢方面で、左側は牛ノ寝通りに繋がります。その先には大マテイ山という気になる山名の山があるそうです。

道中の展望は最高です。どこからでも富士山、そしてアルプスも堪能できました。本当に日本列島のど真ん中に山の壁があるんだなぁ… 

登りのピークを迎え、稜線上へ。何の障害物もない、この景色。森の中とは違い、風が直撃するので一旦着替え。オールシーズン用に買ったモンベルさんのストームクルーザーは便利です。

最高のシチュエーションが続くこの小金沢連嶺への稜線。何がいいかと言うと、ほとんど人がいないこと。この大展望を静かな空気の中で独り占めできるというのは、知ってしまうと厄介な贅沢です。

 

二番山頂、小金沢山と牛奥ノ雁ヶ腹摺山

今度は広々とした原っぱへ下りてきました。ここは狼平(おおかみだいら)といいます。そして再び森の中へ。

この時季こそこんな景色ですが、新緑の時季などはとても素敵な空間になることは間違いありません。これは四季を通して歩いてみたい山ですね。 

 

ほどなくして、小金沢の山頂に到着です!標高は2014mと、秀麗富嶽十二景の中では最高の山だそうです。ぼく自身、初めての2000mの山でもあります。

山頂は割と広く休憩も可能です。そういえば、肝心の山頂からの富士山は…?  

 

これは素晴らしい!!

 

たろうたちもしっかり眺めておいてね?この三角点は、毎度ちょうどいいたろう置場になるから好き。

これがやりたかった、富士山カラーのたろうと富士山のコラボ。見えませんが。

さて、休憩もほどほどに、お次に目指すのは…牛奥ノ…が、雁?雁が…ガンガラガッシャーン?すごい名前ですね。

森の中を歩いていくと、次なる山頂が近く見えてきました。

先ほどの小金沢山と同じく二番山頂のこちら、牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)は、なんと、音数では日本一長いと言われている山だそうです。もうローマ字の行列がすごい(笑)

もちろんこちらの山頂からも、富士山はバッチリ。ちなみに、秀麗富嶽十二景の中には「雁ヶ腹摺山」の名前がつく山が3箇所あるそうです。ちょっとお腹こすりすぎでしょ、雁さん。 

ここで本日最初の休憩をば…この日は長旅予定だったので、食料も多めに。セブンイレブンで偶然おにぎり100円セール中だったのも嬉しい。 

こう風があると、みのじろうを揺らしたくなりますよね。お次は、このまま南下して三番山頂を攻めますよー!

 

絶景かな、隠れたピークの白谷ノ丸

まだまだ樹林帯が続きます。水たまりが凍結し、ミニスケートリンクができていました。 

ところどころでぬかるんでいるため、下るのに苦労した箇所です。ここは賽の河原と呼ばれる鞍部(あんぶ)です。 

振り返ってパシャリ。写真奥から進んできましたが、あんなにアップダウンがあったとは…移動中はあまり感じない不思議。 

さらに歩いていき、おや…ピークが見えました。ということはあれが黒岳?いや、確か写真で見た黒岳は森の中だったはずです。 

ここは川胡桃沢ノ頭というピークでした。手書きの看板が可愛らしい。

この先からまた森の中へ入りますが、結構入り組んだ樹林帯となるので、道に迷わないように先達の色テープを目印に進んでいきます。 

途中には、明らかに「ここから眺めてごらん」といわんばかりに用意されたスポットがありました。冠雪したアルプスが一望でき、開放感抜群です。

道標が見えたので、黒岳!?と思いきや、分岐点でした。

ようやっと到着の黒岳!このルート唯一の木々に囲まれている山頂で、展望は残念ながらありません。 とは言っても、このルート自体が良好な展望続きなので残念感は全くなく、むしろ気分転換にちょうどいいくらいです。

黒岳の先、辺り一面落ち葉に包まれた落葉広葉樹の空間に入りました。ここは緑のある時季はさぞかしきれいな場所なのでしょう。看板を見ると「やまなしの森林100選」とありますが、なにそれ気になる…(☆。☆)

樹林帯を抜けると、見えてきました!この日一番の大・大・大展望が!! 

ここは白谷ノ丸(しらやのまる)という山のようだけど、下には茶臼岳の表記があります。なんだろう?と調べてみたら、白谷ノ丸の別名のようです。

ちなみに、ここで小金沢山の序盤で出会った青いアウターさんに再会しました。 

とにかく、何がすごいかってこの白谷ノ丸。正面に富士山。 右側にアルプス。 そして左側には神奈川の山々と、視界180度に山々が広がっているのです。

この場所での休憩こそ、今回の縦走路のハイライトと言っても過言ではないかもしれませんね。

実はぼく、山でカップラーメンを食べるということをしたことがなく、憧れもあったので今回初挑戦してみました。

遥か何時間も前にサーモスに入れたお湯は飲み頃です。さあ、果たして…!?

 

麺が硬い…(`;ω;´)ブホッ

 

最初の休憩で食べなかったのが敗因ですね。でも、この極上の展望がごちそうになったので、うまいこと挽回!ラーメンも全部食べました。

今度はしっかりとした山用のボトルを準備していきます(´;ω;`)

 

三番山頂、大蔵高丸とハマイバ

白谷ノ丸から次の目的地、湯ノ沢峠までは一気に下り道となります。急斜面なだけならまだしも、写真のような白砂の箇所や、ぬかるみの斜面などにより苦戦を強いられました。 

身の丈ほどもある笹薮の道をくぐり抜けると、十字路に到着します。ここが多方に分岐となる湯ノ沢峠。駐車場もあるので、ここを起点に登る人も多いとのことです。 

大蔵高丸ハマイバの二箇所が秀麗富嶽十二景の三番山頂になります。環境保護のための扉をくぐり、いざ南大菩薩へ。

扉の先は、湯ノ沢峠のお花畑という場所でし。しかし12月上旬では、褐色の草原の中を進んでいくことになります。 

時季が時季なら、ここは文字通り花畑になるのでしょうか?この時はひたすらぬかるみに苦戦し、体力を根こそぎもっていかれそうになりました。

頭の中で「ぬかるみ、ぬかるみ…」と呪いのようにつぶやいていたら、気がつけば目の前に大蔵高丸山頂が。標高1781mと、先の山々よりかは低いですが、富士山の眺望は負けず劣らず。

山頂は広くはありませんが、この眺望だとしばらくいたくなるのもわかります。先客がいたけど、何せ静かなもんでいくらでものんびりしていたい。 

休憩後は、お次の目的地も富士山を追いかけての道となります。この後もぬかるみは続き、稜線上から樹林帯など変化が続く道が楽しい。 

飛行機雲がアルプスを目指し飛んで行くよ…あ、飛行機雲って雲を裂くんだ。 

この大蔵高丸からハマイバ丸の間は、地味な登りが続き写真も少なめ。かなり省略してしまいました。 

ということで、ハマイバに到着です。またまた面白い名前ですね。看板には「ハマイバ」のみ書かれていました。漢字で書くと「破魔射場(はまいば)」。その昔、ここから破魔矢を射る神事が行われていたことに由来するようです。

ちなみにこのハマイバ丸ですが、富士山の展望ポイントはちょっと進んだところにあります。そこからバッチリ!

秀麗富嶽十二景という一つの目的で訪れた山旅でしたが、それ以上の出会いと体験ができました。この日見た全ての富士山に感謝しつつ、先へ進みます。

この後は、お待ちかねの温泉を目指してえんやこら。しかし、下山までの道のりは果てしなく遠かった…

 

長い長い林道を経て、お楽しみのやまと天目山温泉

ハマイバから下山するには、米背負峠を目指すことになります。序盤の標識にはその名前はないですが、道なりに進んでいけば大丈夫です。ぼくもこの文字を探してドキドキの道中でした。

すぐに下山コースなのかな?と軽く思っていましたが、例の峠までが結構長い。特にこの急斜面は、滑り台かと錯覚するほどの傾斜にぬかるみをプラス。エグい… 

おまけにこの周りにある赤っぽい実…これたぶんノイバラだと思うのですが、トゲがあって本当に痛い(`;ω;´)ヤメテ

大きな岩が見えてました。天下石山頂と書いてあるけど、ここも山?

天下石からしばらく、写真奥から歩いてきてようやっと米背負峠に到着です。名前の由来が気になりすぎます。

ゴールは甲斐大和駅方面なので、大蔵沢林道を歩いていきます。疲れの溜まった足にこの細道は厳しいけど、歩かねばたどり着けません。

しばらく歩くと、沢が見えてきました。こうなってくると楽しい。またまた沢を渡ったり石の上を飛んだりと、なんだまだ元気がありました。 

やっとこさ着いた登山口。ここより舗装路となり、標識ではまだ大蔵沢林道ですが、近くに「天目林道」とも書いてありました。 

林道からは、この日最後の富士山がチラッと見えました。ありがと~!

道中、道路に迫るがごとく露出した岩には、大きな蜂の巣が。駆け足…!

歩けど歩けど舗装路が続きます。この先にトンネルがあるはずなんだけどなぁ。あ!ゴールのやまと天目山温泉への標識が見えました。

程なくして見えたのは、真っ暗闇へと誘うトンネル。ユーシン渓谷のトンネルも暗くて怖かったものですが、今回は何が怖いかって、周りに人がいません

ちなみに、中に照明などは一切ないので灯りの類いが必須です。トンネルを抜けると、困惑気味のご夫婦に道を尋ねられました。ご夫婦の目的地も温泉だったので、旅は道連れ、一緒に歩くことに。 

道中は一本道(途中で分岐があったけど、道なりにまっすぐ)でしたが、「温泉はトンネルを抜けた先にある」というところがミソ。 

 

トンネルは二つあったッ!┣¨┣¨┣¨

 

先のトンネルは大蔵隧道、その先にあるのが天目トンネルです。こちらのトンネル右脇から出てくる形になりますので、看板通りにトンネルをくぐって左折すると、ついに温泉です!

「あの真っ暗なトンネル怖いよね!」と、ご夫婦と談笑しながら温泉へ到着。気がつけば、やまと天目山温泉に着く頃にはすっかり曇り空となっていました。

露天風呂にじっくり浸かり、この日の疲れを癒やします。やはり山旅での温泉は最高です。温泉後の牛乳や、特産品探しも密かな楽しみ。秀麗富嶽十二景にちなんで富士山のしずくと、地産である十割豆乳を購入。調味料に使うもよし、そのまま飲んでもよしということなので、牛乳代わりにグイッと。

 

豆腐だ、コレ!!ヽ(*´∀`)ノ

 

でも美味しい。ぼくは好きですね。

帰りはここから甲斐大和駅までのバスを捕まえて、15分ほどのバス旅で締めくくり。途中からだったけど意外と空いており、終点まで座りながら行きで通った道を眺めました。