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なまけたろうと登山ブログ

【丹沢】大山 歴史と信仰の山、初めての大山詣り

ここんとこ月1ペースで山登りに行けているが、9月は2回目。本当はもっと行きたいです…

 

どうも、スラ男です。

 

この日やってきたのはこちら神奈川県の伊勢原駅。新宿から小田急線で一本、朝日を見ながら一時間弱揺られて到着だ。伊勢原で山登り…といえばもうおわかりかもだが、この日登る山は大山だ。念願叶っての大山。いつか登りたい…と計画してから一年。やっとという感じ。

 

■大山(2016年9月10日) 目次

 

日本遺産にも選ばれた、こま参道から望む信仰の山

伊勢原駅からバスに乗って、まずは「大山ケーブル駅」まで。晴れてはいるが、これから登る山には雲がかかっているなぁ。 

大山といえば、大山こまが伝統の工芸品らしい。ほかにも豆腐が有名だ。なるほどね、やはりその土地の名産物はおさえておきたいよな。 

大山を登る過程でたどり着くのは、大山阿夫利神社。早朝の山登りなので、この神社が開くのは下山時だろうが、お参りはしなくてはな。

初めての大山ということもあり、最初はやはりこま参道を通るルートで行こうかね。といっても、賑わいを見せるだろうお店は全て開店前なので静かなのだが… 

道中には、こまが描かれたタイルがあり、このこまの数を数えながら進むとどこまで来たのかがわかるというのだ。えーと、今はこま3個で3たろう。つまり…?? 

やはりお店は開店前。静かな参道を、早朝の澄んだ空気を吸いながら、これから待ち受ける登山に思いを馳せるのも楽しみの一つなのだ。 

こま参道のゴールはこの看板が目印。この先にある大山寺の看板だ。この階段を登った右手にケーブルカーがあるのだが、まだ運転前。もともと乗る予定もなかったので、このまま徒歩で神社を目指す。 

階段を登った先にあるこちらが、男坂女坂の分岐点となる。女坂は大山寺や七不思議などの見どころ満載コースとなり、男坂は急な階段の道となる。早朝ということもあり、大山寺は後回しだ。迷わずに男坂へ。

おい…この階段、急すぎやしませんか…?!

女坂の途中にある大山寺へは帰りに寄りたいので、男坂ルートを選択したのはいいが、いきなりの急な階段にたじろぐ…

分岐点にある八意思兼(やごころおもいかね)神社で道中の安全をお祈りし、いざ。 

この急階段は、男坂ルートの最初の試練といっていいだろう。階段の幅も狭いので、ほぼ垂直の階段を一歩一歩慎重に登る。 

早朝ということもあり、9月上旬にしては涼しい森の中を、石の階段を登っていく。男坂ルートはこれがずっと続くのだ。 

ちょっと小高いところがあったので、休憩がてら空を見上げる。前を歩くアニキは、黙々と歩を進めている。皆が同じ目的で登るわけではないが、目指す場所は一つだというところも山の面白いところだ。 

林道の隙間から、ケーブルカーの線路が見えた。帰りは女坂ルートの予定だけど、動いてるところ見えるかなぁ。 

大きく開けた場所に出たぞ。金色の菊紋があり、誰かの墓所のようだったが…しっかり見てこなかったなぁ。 

細長い木のてっぺんが間近に見える。大山阿夫利神社の下社まではもうすぐだ。 

 

参道の気になる謎の言葉「ルーメソ」

程なくして、下社に到着したぞ。ここいら紅葉のシーズンであれば、かなりの人で賑わうのだろう。明るいうちにも見ておきたいが、ライトアップも魅力的だ。 

ん……?!

 

突如現れた興味深い単語、ルーメソ。いや、ルーメソだけではない。右手の看板にも注目だ。どう見ても「もこみちOK」だ…ツッコミどころ満載のお店に近づくと、中から出てきたおばちゃんに「どうしたの?!」と元気に声を掛けられ、「これ?ルーメソ!?」と。 

 

どうやらルーメソはお店公式のようだ…

 

実はこれ、「ラーメン」ののぼり旗が横倒しになり、なおかつひっくり返っているのでルーメソに見えるのというだ。

これから山頂を目指す俺は、「気をつけてね~!」とおばちゃんにエールをいただき、ちょっと後ろ髪を引かれつつも下社を目指します。

まずは下社の階段を登った先の鳥居。「天下泰平・国土安穏」の金文字がキラリ光る。 

鳥居の前で神社をじっと見つめているこいつはカエル…だよな。「無事帰る」という意味が込められた、よく見かける像。丸いフォルムのものを見ると、どうしても撫でたくなってしまう。 

下社といえど、既に山の上。ここからもい~い眺めだぜ。関東って本当に平野なんだな。相模湾に浮かんでいるのは江ノ島かな?いつか行ってみたい。 

これは立派な獅子山だ。大山獅子と刻まれている。山の周りにちょこんと並んでいるのは干支だろう。今気がついた。 

拝殿が開いていなかったのも後から気がついた。パッと見た違和感の正体はそれだ。これから本社に行きますので、道中の安全をお祈りする。さあ、この後は本社へ向けての登山道、頑張るぞう!

 

下社から本社へ、見どころの多い登山道

下社の拝殿左脇から、山頂への登山口へと続く。所要時間の目安は、上り90分、下りが60分とある。 

ここが入口か…いかにもボスに挑む前のセーブポイントといったところか。ちなみに、ここで入山料をお納めするのだが、まだ賽銭箱が出ていなかったので、後でお納めしよう。

序盤の階段を登った後は、ほぼず~っと写真のような岩がごろついた道が続く。途中には見どころもたくさんあるので、飽きるということはないな。 

最初の見どころが、この「夫婦杉」。大きな木なのはもちろん、立て札もあるので見逃すことはないだろう。 

キラリと太陽が木の隙間から光る。やる気もみなぎるぜ! 

この次の見どころは、「牡丹岩」なのだが、見逃してしまわないか注視して歩いていると、よかった、立て札があるじゃないか。あ、足元にあるんだ。 

あ、これかぁ~!しかも、牡丹岩は一つだけではなく、この辺り一帯に広がっている。どうしてこの形になっているのだろう…?ピンク、わかる?

待ってましたッ!!今回一番見たかったところの、「天狗の鼻突き岩」。相も変わらず天狗と聞くと小踊りしてしまう俺だが、まあ不思議な穴だこと。 

お賽銭が入っていたよ。拳サイズの穴だが、天狗が鼻で突いて空けたということは、どれほど大きな天狗なのだろうか。 

鼻突き岩の先、少し開けた場所に出る。石碑が建っていたけど何の石碑だったっけな…それにしてもいい天気だからか、疲労はあまり感じないぞ。 

お!ちょっと歩きやすくなったかな?木板が敷かれた道は…すぐに終わった。これだ…惑わしの手法。上げて、下げる。 

お次の見どころ、「富士見台」。手前の丹沢の山々はきれいに見えるが、肝心の富士山は雲のカーテンで隠れてしまっている。ここ最近の富士山率は極めて低いようだな。高尾山に行った時の「今年中に大山に行きたい」という念願はかないました。

富士見台からまたさらに進む。相変わらず大きめの岩が転がる道なので、ここいらで足をくじかないようにしないとな。 

お、木の上にカラスだ!…これは、陣馬山の時のカラス再来カァー。 

ここで分岐点と案内看板が見えた。いつかヤビツ峠を通るルートも考えようかな。さあ、頂上まで200m!あと少しか!…いや、落ち着け。 

 

ガンバレ!

最後の踏ん張りどころを、看板も応援してくれている。いくぞブラウン! 

見えたぞ!山頂、大山阿夫利神社本社の鳥居だ。この奥に… 

到着~!山頂と、大山阿夫利神社の本社だ~!

標高1,251mの大山山頂には阿夫利神社本社があるんだよな。 

社号標の近くには、「振り返ると富士山」的な看板があったが、雲により見えず…しかし、山頂から見える景色はいいぞ~! 

晴れてはいるけど、雲が多くて…う~む。しかし、周りの人たちによると、この日は結構な見晴らしだったようだ。へ~、江ノ島が見えるかどうかがポイントらしいぞ。

何はともあれ、ここでお昼休憩といきますか。毎度おなじみのコンビニおにぎり。山の上で食べるもんは何でもウマい。なあたろう。 

こちらは本社奥の院。天狗が祀られているそうで…何ィッ!?天狗だと!?大山は天狗信仰も盛んなようです。 

最近ねこちゃん率が高い。なぜだ。ねこあつめは最近開いていないというのに…はちわれさんに聞いても返事はない。眠たそうだ。

休憩後、山頂で御朱印をお願いしたかったので、お茶屋さんが開店するのを待つが、開店時間を過ぎても開く気配がないな…しばらくすると、店主らしきおじさんと、大山常連と見られるおじさんの会話が聞こえてきた。

「今日はどうしたの?まだ?」

「いや~…鍵忘れちゃってさぁ。今持ってきてもらってんのよ(笑)」 

なん…だと…!?

と、いうことは、もう少し待たねばならんのだな。いいだろう、ならばこの景色を目に焼き付けておくぜぇぇぇ~~~!しばらくして、開店。御朱印や御守の授与所も開いたぞ!

しかし、目に飛び込んできたのは「御朱印は下社で」の貼り紙。

なん…だと…!?

 

下山すっか!(;´Д`)

 

下山は雷ノ峰尾根へ、見どころ満載の大山

山頂から、おどろおどろしい名前の雷ノ峰尾根をしばらく歩くと、この見晴台に到着する。振り返れば、雄大な大山の姿が見える。このコースから大山山頂を目指す人たちも多いようで、団体さんともすれ違った。

9月、彼岸花のシーズンということもあって、見晴台から分岐する日向薬師方面へも行きたかったのだが、なにせ大山阿夫利神社に用事があったので断念。また来年以降だろうか…平成大修理中の姿を見たかったな。 

途中で何度か見た、この黄色い花は何だったろう?次回来た時は、花の図鑑を持ってこよう。 

見晴台から下社への道のちょうど中間地点あたりで、い~い感じの大木が見えた。世界樹ユグドラシルのようにも見えるこの木は、「絆の木」というらしい。大山の神様と人とをつなぐ木だそうな… 

お、神社と滝が見えてきたぞ。ということは、ここが二重の滝かな? 

二重社という神社と、龍の彫刻が見守るその先に滝があった。 

細長い滝だが、間近で見ることができるのでそれなりの迫力。 

龍の彫刻を見ると、ドラゴンボール神龍を思い出す。ドラゴンボールといえば、こないだ「アニメの神様」でセル編やってたけど、悟空格好よかったなぁ。今のドラゴンボールは…うん。 

さあ、下社の看板が見えてきたぞ。おや…?木々の奥に見えるあの捻れた木は…ドラクエの「まどろみの剣」にも見えるが、あれか?最近流行りのトルネードポテトか? 

などとアホなことを言っているうちに、なんと、ルーメソの脇に出たぞ。なるほど、ここにつながるわけね。「あ!おかえり~!」とおばちゃんに声をかけられ、大山といえばの豆腐をいただく。 

豆腐を食べ終わった後、お隣のお店の団子がうまそうだったので、つい…日も出てきて、少しポカポカしてきたところだが、敢えて激アツのお茶をいただく。だってお団子だもん、やっぱお茶だよね~。 

こちらの売店山バッジを購入。しかし、この後訪れるこま参道限定で取り扱っているという山バッジも格好よかった…またいずれ。

大山阿夫利神社も拝殿の戸が開いていました。当たり前かw開いていたといえば、そう、お待ちかねの… 

ここに行きたかったのよな。こと名水と聞くと、もうまっしぐらなスラ男です。 

飲用可能なので、持っていたペットボトルに汲み…飲む!!スッキリうまし☆

社務所も開いているので、いただきました。こちら大山阿夫利神社御朱印帳。社殿と大山、そして背表紙に大山獅子がデザインされている。ネットでよく見る背表紙がシンプルなものは一つ前のデザインだったのだな。 

そして御朱印も。確かに関東平野を見渡せるここからなら、「関東総鎮護」もうなずける。山頂の案内に従い、本社の御朱印もこちらの授与所でお願いします。

頂上本社」の印が目立つ、本社の御朱印。下社でいただけるといっても、やはり本社への登頂後にいただきたいよな。

帰り道は、待ってましたの女坂コースで行きましょう。高尾山のように、男坂はゴリゴリの階段!女坂は緩やかな坂道~というのを想像していると、痛い目にあいます。女坂も結構な階段の道で、上りはキツそうだ… 

あ!ケーブルカーだ!やった、見られたぞ。

 

不動霊場第一番でもある紅葉の名所、大山寺

女坂は七不思議を見ながらの道となり、ところどころにスポットがあります。何より、途中にあるこちらの大山寺が一番の見どころだ。

女坂から上がってくれば真っ先にこの風景が飛び込んでくるのだが、帰りルートで大山寺を訪れた場合は、お堂の裏側から境内へと入ることになる。この階段は、左右に並ぶ像が印象的だが、本領を発揮するのは紅葉の時期だろう。 

明るい内もいいが、ライトアップされたならばより幻想的な風景となるのだろう。今度来た時は、それを狙ったスケジュールにしてみようかな。 

階段を上がりきれば、すぐ近くに大山寺が迫力満点で構えている。山号雨降山(あぶりさん)で、大山も別名で雨降山と呼ばれていますね。 

ご本尊は不動明王で、東京の高幡不動、千葉の成田山とともに関東の三大不動として数えられているそうだ。この「三大~」系は、いずれも諸説あるから、絶対コレ!というわけではないことが多い。上記も、大山寺の代わりに別の寺院で数える場合もあるそうだ。

大山不動は関東三十六不動の札所なので、御朱印はこちら。なんと第1番目の札所。できればここから始めたかったなぁ。 

さて、大山寺に来たら絶対やりたかったのが、こちらの「かわらけ投げ」だ。 

この小さな焼き物をここから投げて、遠くにある輪の中にくぐらせるというものだが… 

遠いな。

写真で見るよりも、ず~っと遠かった。しかし、俺のやる気は俄然アクセル全開だ! 一投目、フリスビー投げで…どぉりゃッ!!!

ヒュゥゥ…はるか手前で落ちる。

 

( ;゜言゜)……ッ!?

 

二投目…

 

…trrrr、ピッ。ああ、やっぱり今回も駄目だったよ。スラ男はまたフリスビー投げをしたからなぁ。 

大山寺付近で彼岸花が!くぅ~、日向薬師行きたかった。 

七不思議の一つ、一番気になったのがこちらの「爪彫り地蔵」だ。かの弘法大師が道具を一切使わずに、一晩で己の爪だけで彫刻したという。にわかには信じがたいが、何事も一心に集中して努めれば成せるという教えとのこと。それを聞けば、確かにと納得する。 

女坂と男坂の分岐点までくれば、後は来た道と同じ。賑やかになったこま参道を歩き、バス停まで戻る。そのまま少し歩いてもよかったが、それは桜が見頃の季節にとっておこう。朝は気がつかなかった、伊勢原駅にドドンとあった大鳥居に礼をし、大山を後にする。

う~ん、はじめての大山だったが、最高に気持ちがよかったな。暫定今年一番。いや春の高尾山も捨てがたい…今週末はまた山登りです。久しぶりの奥多摩へ、もう今から楽しみ。